
教えて水博士! #特別編
どうしてクリンスイの浄水器で
オレンジジュースが透明になるの?
photo / Norio Kidera
text / Hitomi Takano
edit / Akio Mitomi
水博士・水川あさみさんとクリンスイ水博士のオレンジ実験動画は見ていただけましたか? 今回はこの動画の解説編を「水博士 #特別編」としてお送りします。
Q. クリンスイの浄水器でオレンジジュースが透明になるのはどうして? 手品なの?
A. 手品ではありません(笑)。スバリ! その秘密は、クリンスイ独自の「中空糸膜」フィルターにあります。カビや雑菌、鉛、鉄、アルミニウムといった物質を取り除くしくみは、中空糸膜の細かな網目による物理的なろ過なのです。
この中空糸膜の網目は、水は通しますが、オレンジジュースの色素のように粒子の大きな成分は通り抜けられません。だから、透明なオレンジジュースになるんです。
Q. 気になるお味は?
A. ほんのり甘く、オレンジの風味は残っています。これは、ジュースにもともと含まれていた糖分や風味成分によるものです。こうした成分は中空糸膜の網目より小さいため、フィルターを通り抜けることができるんです。
Q. もっと詳しく知りたい! クリンスイの浄水カートリッジはどんなしくみ?
A. クリンスイの浄水フィルターには、「中空糸膜」と「活性炭」の2つのフィルターが使われています。つまり、この「ダブル浄水」がおいしい水を作る秘密なんです。
まずひとつ目は「活性炭」。
これは、ヤシの実の殻などを高温で加工して、小さな孔(あな)をあけて比表面積を大きくした「粒子の細かい炭」のこと。ポット型浄水器のカートリッジに使われている活性炭は、なんとヤシの実2個分くらい。その表面積は、およそ東京ドーム1個分ほどにもなるんです。
水道水は公衆衛生上、消毒をするための残留塩素が必要ですが、独特のにおいがあるので水の味を損なうことがあります。そこで活躍するのが、活性炭。残留塩素を分解してにおいのない物質に変化させたり、カビ臭や農薬、トリハロメタンを孔に吸着して取り除いたりする役割をもっています。
ちなみに、水道が整備されて塩素を入れるようになったおかげで、乳児の死亡やコレラ、赤痢などの水系消化器系感染症患者数は急激に減少しています。日本で水道水を安心して飲むことができるのは、塩素のおかげでもあるといえますね。
(出典:https://www.mlit.go.jp/common/001035083.pdf)

2つ目は、クリンスイ独自の「中空糸膜」フィルター。
これはポリエチレンを溶かしてマカロニのような中空状の糸にしたものを伸ばし、孔をたくさん開けたものです。ざるやコーヒーフィルターのように、大きいものは通さず、孔より小さいものだけを通すしくみ。
これを利用して、水道水中のにごりや雑菌など、味わいや安全を損ねる物質をろ過して浄水しています。近年問題になっているマイクロプラスチックも、孔を通り抜けられない大きさのものは取り除くことができるんです。
一方で、カルシウムやマグネシウム、シリカなど、水に溶けているミネラル成分はこの孔より小さいので、そのまま水と一緒に通り抜けます。つまり、いらないものだけを取り除いて、必要なミネラル分はちゃんと残してくれる。ポット型の浄水器で、この中空糸膜フィルターを使っているのはクリンスイだけです。
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みずはかせ
1997年より三菱ケミカル愛知研究所でクリンスイ製品の開発・評価・研究開発に携わる。フォークリフト運転免許と華道正教授の免許を持つ。