
簡単な炭酸水の作り方|
手作りのメリットとデメリット
炭酸水は、思ったよりも自宅で簡単に手作りできるのが魅力です。重たいペットボトル飲料を買ってくるのは大変ですが、手作りならより安価に、いつでも好きなタイミングで炭酸水を楽しめます。
今回は初めてでも美味しく炭酸水を作る方法や注意点、手作りのメリット・デメリットなどを解説します。
INDEX
炭酸水を作る時の注意点

炭酸水はクエン酸と重曹を使って手作りできますが、必ず適量を守るようにしましょう。※1クエン酸と重曹の量を増やすと強い炭酸水ができますが、発生するガスが多すぎて、容器が爆発する可能性があります。容器は破損の恐れが少ない炭酸飲料水用のペットボトルや瓶を使用しましょう。
また、重曹には塩分が含まれるため、塩分の過剰摂取を避ける意味でも適度な使用量を守るべきです。重曹の摂取目安量は1日3g程度といわれていますが、持病があり塩分摂取を控えている方は、かかりつけの医師に相談してみるといいでしょう。※2
さらに、炭酸水を凍らせて長期保存するのも危険です。凍った状態でもガスが徐々に抜けて容器内に溜まっていくため、容器が膨張したり、破裂したりするケースがあります。
炭酸水を手作りする際は、これらの注意点を踏まえて、各自の責任のもと楽しんでください。
簡単にできる炭酸水の作り方

炭酸水は、市販の材料や炭酸メーカーを使用しても作れます。ここでは、炭酸水の簡単な作り方を紹介します。
食用のクエン酸と重曹で作る
まずは水と市販の材料を揃えて、炭酸水を作ってみましょう。用意する材料は、次の3つです。
- 冷水:500cc
- クエン酸(食用):小さじ1杯
- 重曹(食用):小さじ1杯
作り方は冷水にクエン酸を加えてよく混ぜ、次に重曹を入れたら完成です。重曹を入れるとすぐにガスが発生して、あっという間に炭酸水になります。
ポイントは、使用する水をしっかり冷やしておくことです。冷たい水の方が炭酸ガスが水によく溶け、炭酸が抜けにくくなります。
炭酸メーカーを使用する
より手軽に好きなタイミングで炭酸水を飲みたい場合には、炭酸メーカーがおすすめです。炭酸メーカーは、ガスの充填方法によって「シリンダー式」「カートリッジ式」の2種類に分けられます
- シリンダー式:小さいガスボンベのようなシリンダーをセットし、1本で数十リットルの炭酸水が作れる
- カートリッジ式:使うごとにガスカートリッジをセットし、1本につき1リットル程度の炭酸水が作れる
メーカーによっては水以外の飲み物を炭酸飲料にできたり、炭酸の強さを自由に調整できたりしますので、自分に合った商品を探してみるといいでしょう。
炭酸水を手作りするメリット

炭酸水を手作りする最大のメリットは、ペットボトル飲料を購入するよりコストを抑えられる点です。例として、1リットルあたりのコストを比較してみましょう。
- 市販のペットボトル飲料:100~200円
- 炭酸メーカー(シリンダー式):40~70円
- 炭酸メーカー(カートリッジ式):60〜100円
- クエン酸+重曹:約20円
この通り、市販のペットボトルに比べると、手作りする方法が圧倒的に安価だとわかります。炭酸メーカーは上記の原価に加えて、本体やシリンダー・カートリッジにかかる初期費用が必要ですので、最も安価なのは手作りです。
クエン酸と重曹は薬局で販売されており、500g数百円程度で購入できます。クエン酸と重曹が500gずつあれば、約70Lの炭酸水を作ることが可能です。
炭酸水を手作りするデメリット
炭酸水を手作りするとコストを大きく抑えられる一方、材料を揃えるのに手間がかかる点はデメリットといえるでしょう。炭酸メーカーはシリンダーやカートリッジが自宅まで定期配送されることが多いのに対し、手作りではスーパー、ホームセンター、薬局などへ材料を購入しにいかなければならないだけでなく、容器の準備や計量などの手間もかかります。また、クエン酸と重曹が反応するとクエン酸ナトリウムが生成されるため、しょっぱさを感じることがあります。※3 人によっては口に合わない場合もありますので、安定した味を頼みたいなら、ペットボトル飲料や炭酸メーカーの利用がおすすめです。
炭酸水を美味しく作る方法

ポイントを抑えれば、料理初心者でも美味しい炭酸水を作れます。ここでは、炭酸水をより美味しく作る方法を3つ紹介します。
分量を守る
炭酸水の味を安定させたいなら、クエン酸と重曹の分量に注意が必要です。重曹の量が多いと溶け残った重曹によって苦味を感じ、反対にクエン酸が溶け残るとすっぱさを感じることがあります。
一般的な炭酸水のレシピは、おおよそ重曹:クエン酸=1:1の割合といわれています。※1 この比率を守って、材料をしっかり溶かすことが大切です。
水の選び方にこだわる
使用する水の選び方にも、いくつかポイントがあります。
最も重要なのは、よく冷えた水を使うことです。一般的に、物質は温度が高いほど水に溶けやすいため、ぬるい水を使うとクエン酸と重曹の反応速度が早すぎて、発生した炭酸ガスがどんどん抜けてしまいます。※4 冷水の方が炭酸ガスが水によく溶け込み、強い炭酸を味わえるのです。
また、水の塩素濃度や硬度でも味わいは変化します。水道水の消毒に使われる塩素は独特のにおいがあるため、炭酸水の風味を損なうことがあります。残留塩素を手軽に除去したい場合は、浄水器がおすすめです。以下の記事も参考にしてください。
日本の水道水は基本的に軟水ですが、千葉県や沖縄県など一部で硬度の高い地域があります。ミネラル成分の含有量が多い硬水は、口当たりが重く、飲み慣れていない人だと苦味を感じる場合があるため、飲みやすさを重視するなら軟水を使いましょう。水道水の硬度が高い地域でも、水道水を軟水に変える浄水器を使えば、美味しい炭酸水を作れます。以下の記事を参考にしてください。
味付けしたり、一手間加える
独特の風味が気になる場合や無味の炭酸水では飽きてしまう場合には、一手間加えたアレンジレシピを試してみるのも一手です。
たとえば茶葉を入れたポットに炭酸水を注ぎ、一晩置いておけば「炭酸茶」ができあがります。ほんのり炭酸を感じるスッキリとした飲み口で、休憩中のリフレッシュにぴったりのレシピです。詳細は以下の記事を参考にしてください。
お好みの量のフルーツソースをグラスに入れ、そこに炭酸水を注いだ「フルーツソースの炭酸割り」も手軽に楽しめる炭酸レシピです。こちらのページでは、手作りフルーツソースのレシピを紹介しておりますので、お好きなフルーツで炭酸割りを楽しんでみてはいかがでしょうか。
飲む以外にも!炭酸水の使い方

炭酸水は、飲むだけでなく料理や掃除など、実はさまざまな使い方が可能です。炭酸水の便利な使い方を紹介します。
料理に使う
炭酸水を料理に使うと、料理をふっくらと仕上がります。たとえば肉を使った煮物に使用すると、肉の繊維を炭酸水素ナトリウムが分解してくれるので柔らかくなったり、※5
ほかにも天ぷらの衣を作る時に水を炭酸水に置き換えると、衣に空気の層ができ、サクサクと食感の良い天ぷらができあがるともいわれています。
掃除に使う
炭酸水を拭き掃除に使うのもおすすめです。炭酸ガスが汚れを核にして気泡になり、その時に汚れを浮き上がらせてくれるため、軽く拭き取るだけで汚れを落とせます。
方法は簡単です。炭酸水をたっぷり含ませた雑巾で窓や床、鏡などの汚れが気になる部分を拭き、10分ほど置いたら乾いた雑巾や新聞紙で拭き取ります。洗剤を使いたくない冷蔵庫の庫内や、汚れの落ちにくい眼鏡の掃除にも使えるテクニックです。
リフレッシュに使う
「炭酸ヘッドスパ」を取り入れている美容室があるように、シャンプーする際に炭酸水で頭を流してもいいでしょう。炭酸水のシュワシュワ感がリフレッシュになり、シャンプー後の爽快さを増してくれます。
また、温めた炭酸水を洗面器などに入れ、足湯として楽しむのもおすすめです。心地よいほのかなシュワシュワ感を楽しめますので、いつもと違ったリフレッシュを取り入れたい時に試してみてください。
炭酸水は簡単に作れて、料理以外にも活用できる!

炭酸水は、市販の材料を揃えるだけで、自宅で簡単に手作りすることが可能です。ペットボトル飲料や炭酸メーカーを使うよりも安価に作れるだけでなく、一度材料を揃えればいつでも好きなタイミングで炭酸水を楽しめます。
また、炭酸水はそのまま飲む以外にも、料理や拭き掃除、リフレッシュにも活用できます。コスパの良い手作り炭酸水なら、掃除や足湯にも気兼ねなく使えるでしょう。
手作り炭酸水の独特な味わいを抑えて、より美味しく楽しみたいなら、残留塩素を除去できる浄水器がおすすめです。クリンスイでは、蛇口直結型やポット型、大容量の据え置き型など、さまざまなタイプの浄水器を用意しています。自分のライフスタイルに合った浄水器を検索できますので、ぴったりの浄水器を探してみてはいかがでしょうか。
クリンスイの製品
https://brand.cleansui.com/products
関連リンク
参考
※1 駒場東邦中・高等学校 教諭 松岡 雅忠|クエン酸を用いた定量実験

【監修者】 合田 麻梨恵
管理栄養士・和食ライフスタイリスト
一般社団法人日本和食ライフスタイリスト協会理事代表。初めての海外訪問時に日本との素材の違いに驚愕し”和食の魅力”に目覚める。「和文化継承と予防医学発展を」をテーマに企業・自治体の健康経営支援やイベント企画、予防医学×食の専門家”和食ライフスタイリスト”養成、メディア出演、監修など多数。