2024.01.12

塩分を摂りすぎた時の
飲み物とは?

塩分の過剰摂取がむくみや高血圧、胃がんや食道がんのリスクになることは、良く知られた事実です。※1 健康維持のために塩分の摂りすぎに気をつけている方もいるでしょう。

しかし、塩分は加工品や調味料にも含まれるため、知らないうちに基準値以上の塩分を摂っている可能性もあります。本記事では、塩分を摂りすぎた時に役立つ成分や飲み物について解説します。


INDEX

塩分の摂りすぎによる循環器疾患を予防する方法

循環器疾患とは、⾎液を全⾝に循環させる働きをする⼼臓や⾎管などが、正常に働かなくなる疾患です。塩分を摂りすぎると血液中のナトリウムの濃度が高くなり、高血圧につながるといわれています。※2 長く高血圧状態が続くと循環器疾患が起こりやすくなるため、注意が必要です。

塩分の摂りすぎによる循環器疾患を予防する方法を、7つ紹介します。

カリウムを摂取する

カリウムにはナトリウムを排出する働きがあるため、塩分の摂りすぎを調節するのによく使われる方法です。「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、成人1日当たりのカリウム摂取の目標量を、男性3,000mg以上、女性2,600mg以上としています。※3

カリウムはさまざまな食品に含まれていますが、特にバナナや納豆、海藻類などに含有量が多く手軽に食べられます。野菜ジュースや果物ジュースにも多く含まれるため、自宅に買い置きしておくのも良いでしょう。

カルシウムを摂取する

カルシウムは骨の健康に役立つ成分ですが、血圧にも影響を及ぼすことがわかっています。1日に1,200mgのカルシウムを摂取すると血圧が低下したという研究報告があり、高血圧を防ぐDASH食の基準にも、カルシウム摂取の項目があります。※4

「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、成人1日当たりのカルシウムの推奨量を男性で700mgから800mg、女性で650mgと設定しています。※5 カルシウムが不足しないよう、積極的に補いたいですね。

オメガ3脂肪酸を摂取する

オメガ3脂肪酸は、魚介類に含まれる成分です。オメガ3脂肪酸の中でもDHAやEPAなどは良く知られており、マグロやサケ、サバなどに多く含まれています。

さまざまな研究で、オメガ3脂肪酸の摂取が循環器疾患のリスクを低下させることが報告されています。※6 オメガ3脂肪酸の摂取が多いと血圧が低いという研究結果もあり、摂取を心がけたい栄養素の一つです。※6

また魚介類を週1〜週4日摂取する人は、サプリで摂取するよりも心疾患による死亡率が低くなる可能性があるともいわれています。※6

植物性たんぱく質を摂取する

植物性たんぱく質を多く摂取すると、高血圧のリスクを減らす効果が期待できます。特に大豆由来の大豆たんぱくは、1日30g程度摂ると血圧が下がったという研究結果もあります。※7

大豆はアミノ酸のバランスが良く、「畑のお肉」と呼ばれるほど良質なアミノ酸を含んだたんぱく源です。豆腐や納豆、みそなど、昔ながらの日本の食事には大豆が多く使われています。大豆だけを大量に食べるのは良くありませんが、毎日少しずつ食事に取り入れると良いでしょう。

体重を減らす

肥満は高血圧になるリスクが高い要因のひとつです。北海道で10年間研究した結果によると、肥満者はそうでない人に比べ、高血圧になるリスクが2倍高くなったという報告もあります。※7 摂取エネルギー(以下カロリー)をコントロールして体重を減らせば血圧も下がる可能性が高いため、適正体重よりも増えてしまった場合は早めに対処することをおすすめします。

世界で共通して使用される体格指数であるBMIは25kg/m2未満、ウエストの周囲は男性で85cm未満、女性で90cm未満を維持できるように心がけましょう。※7

※BMI=体重kg/身長m2で算出可

アルコールを減らす

日常的に大量のアルコールを摂取し続けると、高血圧につながるおそれがあります。多くの研究でアルコール摂取量を減らすと血圧が下がると報告されており、飲酒習慣を見直すことが大切です。※7

アルコール摂取量の目安は、エタノール換算で男性は20〜30mL/日以下、女性は10〜20 mL/日以下にすることが推奨されています。※7 お酒に置き換えると次のようになります。

  • 日本酒1合
  • ビール中瓶1本
  • 焼酎半合弱
  • ウイスキーダブル1杯
  • ワイン2杯弱

上記の量を超えない範囲で、お酒を楽しみましょう。

糖質を減らす

糖質や糖類を多く摂取すると、血圧の上昇につながる可能性があります。※7 糖質の多い食事や甘いものを日常的に食べる方は、注意が必要です。下記のように無理なく継続できる工夫をして、糖質を減らす努力をしましょう。

  • たんぱく質を多めにして糖質を減らす
  • 野菜を食べて少しお腹が膨れてから糖質源である米などを食べる
  • スイーツは週末だけにする

また、甘味料に多く含まれる果糖も血圧を上げる作用があるため、清涼飲料水の飲みすぎにも気をつけてください。


大前提、水の摂取は必要

病気や不調を予防するために特定の成分を摂ることも大切ですが、より健康な体づくりの土台となるのは「水を飲むこと」です。

人間の体の約6割は水分で占められており、体内のさまざまな機能や活動には水が必要不可欠です。※8 どんなに良い成分を摂っても、体内で働かなければ意味がありません。意識して水を飲むようにしましょう。詳しくはこちらで解説していますので、参考になさってください。


塩分を摂りすぎた時の飲み物

Small juice glass filled with green kale and spinach smoothie surrounded by ingredients sitting on kitchen counter

塩分を摂りすぎた時は、体に余分な塩分を早めに体外に排出する必要があります。塩分を摂りすぎた時におすすめの飲み物を5つ紹介します。

野菜ジュース

野菜にはカリウムが含まれているため、野菜ジュースを飲むことでカリウムを摂取できると余分な塩分の排出を促す働きが期待できます。

多くの野菜ジュースには複数の野菜が含まれていますが、カリウムを多く含む野菜が使われている商品を選ぶと良いでしょう。カリウムを多く含む野菜にはブロッコリーやほうれん草、人参や芽キャベツなどがあります。

野菜ジュースは糖質量やカロリーが多い商品もあるので、飲みすぎないように気をつけましょう。

果物ジュース

果物にもカリウムが多く含まれています。果物ジュースで手軽にカリウム補給をするのも良い方法です。

カリウムが多く含まれる果物は、バナナやマンゴー、ブドウやプルーンなどがあげられます。塩分を摂りすぎたと感じた時は、これらが含まれる果実ジュースを選ぶと良いでしょう。

果物ジュースは口当たりが良くつい飲みすぎてしまいがちなので、適量を飲むようにしてください。

豆乳

豆乳の原料である大豆にはカリウムが多く含まれています。豆乳を飲んでカリウムを摂取し、ナトリウムの排出を促すのもおすすめです。

豆乳には無調整豆乳と調整豆乳がありますが、より多くカリウムを含むのは無調整豆乳です。豆乳の独特の風味が苦手な方は、調整豆乳が飲みやすいでしょう。しかし、調整豆乳は砂糖や食塩などが加えられているため、カロリーや糖質が無調整豆乳よりも高くなります。飲み過ぎないように注意しましょう。

牛乳 

牛乳に含まれるカルシウムは、吸収率が高いことが知られています。カルシウムには血圧を安定させる作用があるため、高血圧予防に役立ちます。

牛乳はさまざまな種類がありますが、肥満予防のために脂肪の摂取量を減らしたいなら、低脂肪や無脂肪の牛乳が適しています。メーカーによって製法や味が異なるので、好きな風味の牛乳を選んでください。

飲むヨーグルト

ヨーグルトは乳製品なのでカルシウムが含まれています。飲むヨーグルトは腹持ちが良く、忙しい時に手軽に飲める飲み物です。

飲むヨーグルトは飲みやすいように甘みが加えられた商品もあり、飲みすぎるとカロリーや糖質過多になりやすいため注意しましょう。糖質と脂肪はゼロか低いものを選ぶと、肥満につながりにくくなります。


塩分の摂りすぎの目安

高血圧予防には、塩分を摂りすぎないことが重要です。塩分摂取量の目安は団体によって異なります。栄養計算は食事摂取基準を元になされるため、成人男性で7.5g未満、成人女性で6.5g未満を目指しましょう。※9

<表:食塩摂取の目標値※9>

 食塩摂取の目標値
健康日本21(第二次)8g未満
日本人の食事摂取基準(2020年版)成人男性で7.5g未満、成人女性で6.5g未満
日本高血圧学会1日6g未満

日本人の食事は塩分が多くなりやすい傾向があります。出汁を効かせて調味料を少なめにする、麺類の汁は飲まないなど、小さな習慣を積み重ねることも大切です。


塩分を摂りすぎた時には飲み物でも対処できる!

塩分を摂りすぎた時は、カリウムやカルシウムが多く含まれる飲み物が役に立ちます。しかし、カロリーや糖質を摂りすぎないよう、飲み過ぎや商品の選び方には注意が必要です。

最も手軽で安価なのは、水道水を持ち歩き習慣的に飲むことです。水道水をそのまま飲むことに抵抗があるなら、浄水器を使用すると良いでしょう。

実は、水道水はミネラルウォーターよりも水質基準が厳しく、ミネラルウォーターに負けないくらいミネラルが多く含まれています。

しかし、水道管を通して雑菌が含まれることがあります。浄水器を使えば、水道水に含まれるミネラルはそのまま、安心でおいしい水が飲めます。残留塩素(カルキ)臭[6] [7] が取り除かれることで、水道水のにおいも気にならなくなるでしょう。カビ臭の原因については以下の記事も参考にしてください。

しかも、浄水カートリッジ1個で500mlのペットボトル1800本分の水が飲める(※)ため、ごみや買い物の手間も削減でき、90%以上の温室効果ガスの削減にもつながります。※蛇口直結型浄水器の場合

浄水器はいくつかのタイプがあるので、自分に合ったものを選んでください。詳しくは下記の製品一覧よりご覧いただけます。

クリンスイの製品
https://brand.cleansui.com/products


参考

※1 厚生労働省 e-ヘルスネット ナトリウム

※2 厚生労働省 e-ヘルスネット 循環器疾患とこころ

※3 厚生労働省 e-ヘルスネット カリウム

※4 厚生労働省 eJIM 海外の情報 カルシウム

※5 厚生労働省 e-ヘルスネット カルシウム

※6 厚生労働省 eJIM 海外の情報 オメガ3系脂肪酸

※7 生活習慣病とエネルギー・栄養素との関連

※8 「健康のため水を飲もう」推進運動

※9 厚生労働省 e-ヘルスネット 高血圧

【監修者】 合田 麻梨恵

管理栄養士・和食ライフスタイリスト
一般社団法人日本和食ライフスタイリスト協会理事代表。初めての海外訪問時に日本との素材の違いに驚愕し”和食の魅力”に目覚める。「和文化継承と予防医学発展を」をテーマに企業・自治体の健康経営支援やイベント企画、予防医学×食の専門家”和食ライフスタイリスト”養成、メディア出演、監修など多数。

JOURNAL

クリンスイの読みもの

記事一覧