2026.07.31

純水とは?そのほかの水との決定的な違いと活用方法を解説

「都会で暮らしながら、お料理や飲み物に使うお水にとことんこだわりたい。」そんな方々から注目されているのが「純水」という選択肢です。

純水とは、水道水に含まれる塩素やミネラル、その他の不純物を取り除いた、純度の高いお水のこと※1です。雑味がないため、お米の甘みを引き立てたり、素材の風味が大切な出汁をとったりするのにぴったりです。また、赤ちゃんのミルク作りにも安心して使うことができます。

この記事では、純水と水道水やミネラルウォーターとの違い、そして純水のご家庭での上手な活用法、純水に関してよくある3つの質問にいたるまで、くわしく解説していきます。

純水のある暮らしを実現したいと考えている方は、ぜひ最後までチェックしてください。


純水とは?種類やそのほかの水との違い

純水(じゅんすい)とは、その名の通り「純度の高い水」を指します。具体的には、水に溶解しているミネラルなどの塩類(電解質)を主に取り除いた水のことです。

純水は、不純物がないために物質を溶かしやすく電気を通しにくいといった特性を持ちます。ここでは、純水の種類や水道水・ミネラルウォーターとの違いを見ていきましょう。

覚えておきたい!純水の種類

純水は、その製造方法によって主に以下の3種類に分類されます。

  • イオン交換水:イオン交換樹脂というフィルターを用いて、水に溶けている不純物のイオンを吸着し、水素・水酸化物と交換して除去した水。比較的低コストで高純度の水が得られる
  • RO水(逆浸透膜水):微細なフィルターを使い、水圧をかけて水分子だけを通過させる方法で作られた水。ほかの精製方法と組み合わせて使われるのが特徴 
  • 蒸留水:水を一度沸騰させて蒸気にし、その蒸気を冷却して再び液体に戻した水。

水道水ではミネラル成分が凝縮されてしまうため、純水が主に使われる ※2

このように、純水には精製方法によっていくつかの種類に分類が可能です。

純水の上には“超純水”がある

純水よりもさらに純度を高め、不純物を極限まで取り除いた水を「超純水」と呼びます。その純度は、限りなくH2Oに近いレベルになっているのが特徴です。

超純水は、純水をさらに残存する微粒子、有機物、生菌、溶存ガスなどを種々の水処理手段を組み合わせて除去した高度精製水として作られます※3。

半導体や液晶パネルの製造、医療分野での研究、精密な分析化学など、ごくわずかな不純物も許されない最先端技術の産業・研究分野で使われるケースが多い代物となっています。

水道水との違い

水道水と純水の最大の違いは、不純物の有無です。日本の水道水は、水道法に基づいて52項目にも及ぶ厳格な水質基準が定められており※4 、蛇口からそのまま飲める安全な水です。安全を確保するため、殺菌用の「塩素(カルキ)」が含まれているのが特徴です。

一方、純水はこれらの塩素やミネラルも「不純物」として除去しています。水道水が「安全に飲めるように成分調整した水」であるのに対し、純水は「水分子以外のものを極限まで取り除いた水」であり、両者は使われる目的と成分が根本的に異なります。

ミネラルウォーターとの違い

ミネラルウォーターは、特定の水源から採水された地下水などを原水とし、ろ過や沈殿、加熱殺菌以外の処理を原則として行わない水です。その名の通り、カルシウムやマグネシウムなどの「ミネラル」が豊富に含まれていることが特徴とされています。

ミネラルウォーターは、そのミネラルの含有量によって「硬水」や「軟水」に分けられ、そのバランスが独特の口あたりや味わいを生み出します。 対して純水は、ミネラル分さえも「不純物」として除去する点に特色があるのです。

そのため、純水は無味無臭に近く、クセのないクリアな水です。健康や美味しさのためにミネラルを摂取することを目的とした水がミネラルウォーターであり、不純物のない純粋な水質を目的とした水が純水なので、両者は対極ともいえる存在だといえます。

純水が使われる主な用途とは

不純物をほとんど含まない純水は、専門的な産業分野から私たちの身近な生活まで、非常に幅広い用途で活躍しています。純水が持つ「物質を溶かしやすい」「不純物による影響を与えない」「電気を通しにくい」といった性質が、さまざまな場面で求められるためです。

ここでは、純水が特に重要とされる主な用途について、具体的に見ていきましょう。

半導体の洗浄

純水がもっとも活躍する分野の一つが、半導体の製造プロセスです。スマートフォンやパソコンに搭載される半導体チップは、非常に微細な電子回路で構成されています。

製造途中で目に見えないほどの微細な不純物が付着するだけで、回路がショートしたり、不良品となったりする重大な欠陥につながります。 

そのため、製造工程では何度も半導体の基板を洗浄する必要があり、その洗浄水として不純物を極限まで取り除いた超純水が不可欠なのです。特に不純物がない超純水は、物質を溶かし込む力が強いため、基盤の表面の汚染物質を効率よく洗い流すことができます。

飲料水や調理用水

不純物がなく、クセのないクリアな味わいの純水は、飲料水や調理用水としても優れています。特に、RO浄水器を家庭に設置することで、水道水から純水に近い水を作り出して利用するケースが増えています。 純水は素材の味を邪魔しないため、お茶や紅茶の色や香りを鮮やかに引き出し、コーヒーの繊細な風味を際立たせます。※5

また、料理においては、出汁の旨味をしっかり引き出したり、お米をふっくらと炊き上げたりする効果が期待できます。特に赤ちゃんのミルク作りの場面では、純水はミネラルなどの余計な成分が含まれていないため、体に負担をかけず安心として選ばれることも多いです。

食品用水・割り水

市販されている食品や飲料の製造プロセスにおいても純水は多用されています。不純物がないため、食品ごとの味のブレをなくし、品質を一定に保つことができるからです。 

また、ウイスキーや焼酎などの酒類を水で割る際にも、純水はアルコールの風味を損なわずにまろやかにするため、非常に相性が良いとされています。

家庭で純水に近い水を作るなら浄水器がおすすめ

家庭で純水、あるいは「純水に近い水」を利用するもっとも現実的で手軽な方法は、浄水器の設置です。 一般的な蛇口直結型やポット型の浄水器は、主に塩素や微粒子を除去する「浄水」を作るものですが、「RO浄水器(逆浸透膜浄水器)」と呼ばれるタイプであれば、水道水に含まれるイオンやウイルスまで除去し、純水に近い水がつくれます。

ここでは、純水に近い水が作れる浄水器についてくわしくチェックしていきましょう。

水道水に含まれる不純物を除去できる

家庭用の浄水器を設置する最大のメリットは、水道水に含まれるさまざまな不純物を除去できることです。水道水の安全性を保つために含まれる塩素や、その副生成物であるトリハロメタン、水道管のサビや微細なゴミなどを、フィルターで取り除くことができます。 

さらに、RO浄水器を用いることで、飲用に適した「純水に近い低ミネラル水」を得ることができます。

カルキ臭や金属臭を取り除ける

「水道水は安全だとわかっていても、そのまま飲むのは美味しくない」と感じる方は少なくありません。その原因の多くは、消毒のために使われるカルキ臭や、古い水道管に由来する金属臭にあります。しかし、RO浄水器を導入すれば、無味無臭の水に仕上がるため、料理に使うことで素材の味を邪魔せず、一層引き立ててくれます。

浄水を購入するよりもコスパがいい

RO浄水器は、本体の初期費用と定期的なカートリッジ交換費用はかかりますが、蛇口をひねればいつでも好きなだけ浄水を使えるため、1リットルあたりのコストで比較すると非常に経済的です。家族全員の飲料水や料理にふんだんに使えるコスパの高さは、ペットボトルやウォーターサーバーの水にはない大きな魅力だといえます。

純水に関してよくある3つの質問

純水は一般的に馴染みの薄い水でもあるため、さまざまな疑問が寄せられます。ここでは、純水、あるいは家庭での浄水器の使用に関して、Q&A形式で見ていきましょう。

純水を作る浄水器を導入するか検討している方は、参考にしてみてください。

Q1.ミネラル分は摂取できる?

純水には、ミネラル分はほとんど含まれていません。ミネラルウォーターとは対照的に、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルも不純物として除去しているためです。 したがって、水分補給と同時にミネラル摂取も期待する場合は、純水は適していません。

食事のバランスを見て、全体としてミネラル分を摂取できるかどうかを判断しましょう。

Q2.浄水器で純水を作る際の注意点は?

まず、すべての浄水器が純水を作れるわけではないことを理解しましょう。一般的な蛇口直結型やポット型は水道水から「浄水」を作るものであり、ミネラル成分は残ります。

純水に近い水を作れるのはRO浄水器タイプです。 

ただし、どんな浄水器でもフィルターの寿命を過ぎて使用し続けると、浄水能力が低下するだけでなく、フィルター内部に雑菌が繁殖し、かえって水質を悪化させる危険性があります。メーカーが推奨する交換期限を必ず守り、衛生的に使用しましょう。

Q3.乳幼児でも安心して飲める?

ミネラル分が少ない軟水や、RO浄水器による低ミネラル水は粉ミルクを溶かすための「調乳」に適しているとされています。 赤ちゃんの消化器官は未発達なため、ミネラル分が豊富に含まれている硬水(硬度100mg/L以上)は、体に負担をかけてしまう可能性がある※6 のです。

安心・安全な純水を飲んで健康的な生活を目指そう!

この記事では、純水とそのほかの水との違いや純水が使われる用途、純粋に近い水が作れるRO浄水器を導入するメリット、よくある3つの質問について確認しました。

純水とは、水に溶解しているミネラルなどの塩類(電解質)を主に取り除いた水です。その特性から、最先端の産業分野だけでなく、私たちの日常生活においても、飲料水や料理用として多くのメリットをもたらしてくれます。

浄水器を導入することで、日々の暮らしに安心・安全な水を取り入れ、より健康的で豊かな生活を目指してみてはいかがでしょうか。

【参考文献】

※1 Journal of Analytical Bio-Science|金沢旬宣『検査で使う純水の基礎知識と純水装置のポイント』

※2 J-Stage|筧 俊昭『純水・超純水の精製方法と 装置選定時のポイント』

※3 J-Stage|山中広次『徹底的にpure な水―超純水』

※4 環境省|水質基準項目と基準値(51項目)

※5 浄水器協会|RO浄水器ってどんなもの?

※6 大田区|赤ちゃんと水

1997年より三菱ケミカル愛知研究所でクリンスイ製品の開発・評価・研究開発に携わる。フォークリフト運転免許と華道正教授の免許を持つ。

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