2024.06.14

水を飲む効果は大きく4つ!
水を飲むポイントや選び方も

私たちが日々当たり前のように摂取している「水」。水を飲むという一見何の変哲もない行為が、実は私たち人間の体にさまざまな嬉しい効果をもたらしていることをご存知でしょうか?

本記事では、水を飲むことで得られる4つの具体的な効果や、1日の水分摂取量の目安について詳しく紹介します。水を飲むときの注意点や、正しい飲み水の選び方についても解説するので、ぜひ参考にしてください。


水を飲む効果は大きく4つ

水を飲むことで得られる効果は、大きく4つに分けられます。それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

生活を営むことができる

人間の体の約60%が水分でできていることからもわかるように※1、水を飲むことは私たちの健康面に非常に大きな影響を与えています。摂取した体内の水分の主な役割は、下記の通りです。

  • 【運搬】…血液や細胞外液として各組織に栄養や酸素を運ぶ
  • 【排出】…汗や尿を老廃物をとして体外に排出する
  • 【体温調整】…細胞活動の維持や発汗を通して体温を37度程度に保つ※1

万が一体内の水分が不足した場合、人間は健康を維持できなくなります。たった5%の水分を失うだけで、私たちは脱水症状や熱中症の症状に襲われ、20%失えば生命維持が困難になってしまうのです。※1

詳細は下記の記事でお読みいただけます。

病気の予防や改善につながる

水を飲むことで、病気の予防や改善効果が期待できるでしょう。具体的な効果として、下記の5つが挙げられます。

血圧を低下させる可能性がある

適度な水分補給によって収縮期血圧が低下したという研究があります。具体的には空腹時の血糖値がやや高めな男女60名(50〜75歳未満)を対象にした研究で、一日合計1,100ml以上の水を常習的に12週間続けて飲んだ結果、収縮期血圧の低下が認められたという内容です。血管内で血流の妨げになる抵抗を小さくした可能性があると考えられています。※2

腎臓機能の低下を抑える可能性がある

習慣的な水の摂取により、冬の寒い時期に起きやすい脱水による腎臓機能低下を抑えられたという研究データがあります。これには、水分補給によって体内の老廃物が希釈・排泄されることが大きく関係しています。※2 日々を健康に過ごすためにも、季節を問わず意識的に水を飲むことが重要です。

便秘を予防する可能性がある

水を飲むことは、便秘予防に効果的である可能性があります。十分な水分摂取により便がやわらかくなり、スムーズな排便を促せるといわれているためです。ただし、適度な運動や規則正しい食生活などの生活習慣の改善も大切です。※3

また頑固な便秘に悩んでいる方は、水の中でもマグネシウムが含まれている硬水を飲むのがおすすめです。マグネシウムには腸内運動を活発にする働きがあるため、便秘を予防する効果があると考えられており、便秘薬に使用されています。※4

詳細については下記の記事で詳しく解説しているので、気になる方はぜひご確認ください。

脱水症・熱中症を予防する可能性がある

脱水症や熱中症は体内の水分不足が原因であるため、こまめに水を飲むことはこれらの症状の予防に直結します。特に発汗量が増える暑い時期などは、スポーツドリンクや経口補水液を飲むことで、より効果的に脱水症や熱中症を予防できます。※5

また高齢者は若年層よりも体内の水分量が少なく、暑さに対する感覚機能や体温調節機能が低下しているため、脱水症状が起きやすい傾向にあります。一時間にコップ一杯程度の水を飲むことを心がけ、予期せぬ健康被害を生まないよう気をつけましょう。※6

より詳細な情報が知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。

乾燥を防ぐ

水を飲むことは体に潤いをもたらし、体内の乾燥を防ぐ役割を担っています。人体の水分は皮膚や呼吸を通して自然と蒸発するため、こまめに水を飲まないと血中の水分量が不足し、血液がドロドロになってしまう恐れがあります。

特に空気が乾燥する冬場は体も乾燥しやすくなるので、水分補給の時間を決めるなどして、いつもより意識的に水を飲むよう心がけましょう。このほか、マスクの着用も鼻や喉の粘膜を潤すのに効果的とされています。※14

美しくなれる

水を飲むことは美容にも大きく関係しています。

前述した通り硬水にはマグネシウムが含まれており、マグネシウムは腸の蠕動を刺激し、便秘予防に効果的とされています。特にダイエットを意識したい方は、硬水を飲むことで体内の老廃物を排出しやすくなるので、ぽっこりお腹の改善効果が期待できるでしょう。

この他にも、マグネシウムはストレス緩和や血圧調整作用など、心身を整えるさまざまな効果が期待できる成分といわれています。

マグネシウムを含む硬水を飲むことで得られる具体的な効果については、下記の記事でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。※15

そのほか

上記で挙げたこと以外にも、水を飲むことで期待できる効果には下記のようなものがあります。

  • 希釈作用…二日酔い時の体内の血中に含まれる原因物質を希釈し、体外へ排出する
  • 鎮静作用…高揚した気持ちを一時的に鎮める
  • 解熱作用…発汗や物質代謝を促すことで、熱を下げたり解熱効果を上げたりする※7 

「水を飲む」という、私たちが日々の生活で当たり前に行っている行為には、実はさまざまな効果が期待できるのです。


1日に飲むべき水の量

水を飲むことが人間の体に多様な効果をもたらすことはわかりましたが、「1日の水分摂取量の目安がよくわからない」という方も多いのではないでしょうか。

一般的に1日に飲むべき水の量は、1.2リットル以上が望ましいといわれています。ただし、短時間で多量の水を飲むのではなく、こまめに水分補給をして1日の水分摂取目安量をクリアする飲み方がおすすめです。※8


水を飲むときの注意点

水分補給の効果を高めるには、水を飲むタイミングにも注意が重要です。

特に気をつけるべきポイントは、「喉の渇きを感じる前に水を飲む」ということ。実は、喉の渇きは既に体内で脱水が始まっているサインです。脱水状態を常習化させないためにも、水分補給はこまめに行い、体内の水分維持に努めましょう。※8

特に入浴後と起床時は発汗により体内の水分が不足しがちなため、いつもより意識的に水を飲むよう心がけることが大切です。※6 ただし、利尿作用のあるコーヒーやお酒を飲んでも水分補給にはならない※8 ので気をつけましょう。

また、水は過度に飲み過ぎてしまうと、水毒症などの健康被害をもたらす危険性がある※9 ので注意が必要です。詳細については下記の記事でも解説しています。


水の選び方

飲料水にはいくつかの種類があるため、自身に合った水の選び方に悩む方もいるでしょう。こちらでは代表的な3つの飲料水の選び方を紹介するので、ぜひ参考にしてください。

水道水

水分補給の手軽さを重視したい方におすすめなのが、「水道水を飲む」という方法です。

水道水を直接飲むことに抵抗を感じる方も多いかもしれませんが、日本の水道水は非常に安全性が高く、飲料水としては全く問題ありません。

日本の水道水は、51項目もある厳しい水質基準をクリアした良質な水のみが使用されています。誰もが安心・安全に飲める基準が制定されているのです。※10

詳細については下記の記事でも詳しく解説しています。

水道水に浄水器をつける

水道水のおいしさや安全性をより高めたい方は、浄水器を活用するのも一つの手です。

日本の水道水は安全性が担保されているとはいえ、人によっては水道水特有のカルキ臭が気になる方もいるでしょう。浄水器はカルキ臭の原因物質を取り除く効果があるため、家庭に取り入れることで、水道水をよりおいしく飲めるようになります。※11

浄水器にはさまざまな種類がありますが、蛇口直結型などの水道直結タイプを選べば、いつでも手軽においしい水が飲めます。※12

このほか、冷蔵庫のドアポケットに収納しやすいポット型浄水器や、スタイリッシュな見た目のビルトイン浄水器なども選択肢としてあります。

浄水器の選び方と使い方

最近では各メーカーが多様な浄水器を扱っていますが、浄水器は自身の好みやライフスタイルに合ったものを選ぶことが大切です。製品によって除去できる物質も異なるため、浄水器の機能性は購入前にしっかり確認しておきましょう。

また、浄水器は定期的に浄水カートリッジ交換をするなど、使い方のコツを知っておくことでより効果的に活用できるようになります。詳細は下記の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてください。

ミネラルウォーター

「水道水を飲むことにどうしても抵抗がある」という方は、「市販のミネラルウォーターを買う」という選択肢もあります。

水道水の品質が水道法によって定められているのに対し、市場に出回っているミネラルウォーターは、食品衛生法第13条に基づく「食品、添加物等の規格基準によってミネラルウォーター類の安全性が担保されています。※12

水道水とミネラルウォーターの水質の違いや、身近な飲み水の種類については、下記の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。


水だけを飲むのが苦手な方は

水をそのまま飲むことが苦手な方は、アレンジを加えてみましょう。

新鮮なフルーツを水に漬けておくだけで完成する「フルーツウォーター」や、水をゼリー状に固めた「水ゼリー」などであれば、おいしく水分補給ができます。

水ゼリーはお好みのシロップを加えるとさらにおいしく食べられるので、ぜひこちらの記事も参考にしてみてください。

このほかにも、水分補給に効果的な飲料として下記のようなものが挙げられます。

  • レモン水…抗酸化作用のあるビタミンCを含む※16
  • 麦茶…ノンカフェイン飲料であるため、老若男女、妊娠有無問わず口にできる※17
  • お酢ドリンク…酢の酸味が消化液の分泌を促し、食べ物の消化吸収を改善する※18

詳細が気になる方は、下記の記事をご覧ください。


習慣化するのが苦手な方は

新たな物事を習慣化させるのが苦手な方は、「成功体験」と「代理体験」を繰り返すことで、こまめな水分補給を常習化させやすくなるでしょう。

「成功体験」とは、「自分の中でうまくできた経験」を意味します。

例えば「今週は毎朝7時にコップ一杯の水を飲む」という小さな目標を掲げ、それをクリアすると成功体験になります。この成功体験を積み重ねていくことで、徐々に目標レベルを引き上げられるようになるのです。

一方「代理体験」は、自身と生活習慣などが似ている「モデル」となる人物を定め、その人の行動がうまくいっている様子を直近で観察したり経験談を聞いたりし、「自分にもできそうだ」と感じる体験を意味します。

この2つの経験値を増やしていくと、新たな物事を習慣化するハードルがぐっと下がり、結果的に「毎日こまめに水を飲む」という行為が定着しやすくなるのです。※13


水を飲む効果は盛りだくさん!習慣づけて健康生活を送りましょう

今回紹介したように、水を飲むことは私たちの体にさまざまな嬉しい効果を与えてくれます。水分補給には複数の選択肢がありますが、水道水を始めとした水分補給を今一度見直してみましょう。

水道水を飲むときには浄水器を使用する選択肢もあります。浄水器を利用すれば、低コストで高品質な水を日常的に飲めるようになります。またペットボトルではなく水道水を利用するとCO2排出量の削減にもつながり、地球環境の保護にも役立つという研究報告もあります。※10

自身のライフスタイルに合わせて、おいしいお水を飲みながら健康的な生活を目指しませんか?

クリンスイの製品

【参考文献】すべての参照年月日:2024年6月4日

※1 千葉県|その12体内の水の働きと水を飲むことについて

※2 ダノン健康栄養財団|Vol.237 (3) 健康・栄養に関する学術情報 「水分摂取

※3 厚生労働省 e-ヘルスネット |便秘と食習慣

※4 厚生労働省|<酸化マグネシウム>便秘薬など副作用15件

※5 農林水産省|消費者の部屋|熱中症対策には、水よりスポーツドリンクを飲むとよいと聞いたのですがどうしてですか。また、経口補水液との違いも教えてください。

※6 厚生労働省|高齢者のための熱中症対策

※7 千葉県高齢者のための熱中症対策|その12体内の水の働きと水を飲むことについて

※8 国土交通省|健康のため水を飲もう講座

※9 医学書院|多飲症・水中毒

※10 厚生労働省|水質基準の国際比較

※11 国立保健医療科学院|水道水源ダムのかび臭発生とその原因生物の特定

※12 東京都水道局|ミネラルウォーター類

※13 厚生労働省 e-ヘルスネット |セルフ・エフィカシーを高めるポイント

※14 三重県健康管理事業センター|健康一口メモ ~乾燥が体に及ぼす影響と対策について

※15 農林水産省|2. 2「食と健康」に係る先進事例調査結果 海外事例

※16 厚生労働省 e-ヘルスネット|活性酸素と酸化ストレス

※17 科学・技術研究 第10巻1号 2021年|嗜好飲料として注目されている麦茶の成分と機能

※18 酒類・発酵食品の機能性|酢の機能性について

【監修者】 医療法人社団育生会「私のクリニック目白」理事長・院長

1988年、日本大学医学部卒。医学博士、皮膚科認定専門医、国際中医薬膳師。東京医科大学病院、同大学八王子医療センター皮膚科学教室を経て、2003年10月に『私のクリニック目白』を開業。院長として診療にあたる。民間としては日本で初めて、複数の女性専門外来を有するクリニックとなる。時間をかけて話を聞く診療に定評があり、テレビ、ラジオ、雑誌にて健康相談コーナーなど、多数出演。女性専門医療の第一線で活躍中。

JOURNAL

クリンスイの読みもの

記事一覧