「ウルトラファインバブル」という言葉を聞いたことがあるものの、それが何なのか、どのようなメリットがあるのか分からない方もいるのではないでしょうか。
ここでは、ウルトラファインバブルの特徴やシャワーヘッドの効果を解説していきます。シャワーヘッドの選び方や安全性についても紹介するので、使ってみたいと考えている方はぜひ参考にしてみてください。
INDEX
ウルトラファインバブルってなに?
ウルトラファインバブルとは、体積にあたる直径が気泡径1μm未満の気泡のことです。国際標準化(ISO)では、気泡径100μm未満の気泡を「ファインバブル」と定義しており、その中で1μm以上100μm未満の気泡をマイクロバブル、1μm未満の気泡をウルトラファインバブルと区分しています。※1
ファインバブルは総表面積が大きく、空気と水の境目での化学反応や物理的吸着、物質輸送に優れているのが特徴です。農水産業や工業、医療などさまざまな分野で応用されています。
日本はファインバブル技術の発祥国であり、今も世界を牽引しています。たとえば、高速道路のサービスエリアのトイレ清掃やファインバブル洗濯機などの家電として活用されています。あまり馴染みのない言葉かもしれませんが、実は身近な技術になりつつあるのです。
ウルトラファインバブルの効果は?
昨今注目を集めているウルトラファインバブルには、どのような効果があるのでしょうか。日常生活に関わる活用例を交えながら、その効果について解説しますが、あくまでも研究上で使用された効果であり、商品から発生されるウルトラファインバブルで得られるとは限りませんので、その点を踏まえてご覧ください。
汚れを吸着する
ファインバブル水には、親油性物質(水に馴染まない性質の物質)に対する洗浄効果が確認されています。水中に含まれる親油性物質が気泡の表面に集まり、吸着されるのです。※2
また通常の水(pH5~6以上の水)において、気泡の表面はマイナス電荷を持っています。マイナス電荷を帯びた気泡の表面は、プラス電荷を持った汚れなどを吸着します。※3
これらの特徴から、ファインバブル水は皮膚表面や衣類に付着した皮脂汚れの洗浄に効果があると考えられています。洗浄の効果は気泡の大きさや内部のガス成分、使用条件などによって変化し、超音波などの機械力を加えることにより、さらに向上することが分かっています。※2
水をきれいにする
ファインバブルには、水をきれいにする効果もあります。ファインバブルの表面はマイナスに帯電しているため、プラスに帯電した物質との間に電気的引力が働きます。水中の汚れがファインバブル表面に引き寄せられることから、効率的な汚れの除去ができるのです。※4
ウルトラファインバブルのシャワーヘッドの効果は?
昨今では、ファインバブルの効果を応用したシャワーヘッドが多く販売されています。商品によって特徴は異なりますが、主な効果は洗浄力の向上、肌のうるおい、肌の温めなどです。頭皮汚れを落とすことによる頭皮のニオイ軽減や洗浄力向上による使用水量の削減など、副次的効果も期待されています。※5
クリンスイのファインバブルシャワーヘッドは、肌をすこやかにし、ワンランク上の髪ケアや肌ケアを実現します。浄水カートリッジにより水道水の遊離残留塩素を除去できるので、安心して使えるでしょう。
失敗しない!ウルトラファインバブルのシャワーヘッドの選び方
ウルトラファインバブルのシャワーヘッドの中には、効果の誇張表現や医療機器と混同するような表現など、過大な宣伝をしているものも売られています。購入するときは、以下2点を確認した上で信頼できる商品選びを心掛けましょう。
FBIAの認証製品か
ウルトラファインバブルシャワーヘッドは、FBIA(一般社団法人ファインバブル産業会)の認証製品を選ぶのがおすすめです。
FBIAでは、消費者の混乱を招かないためにファインバブルシャワーヘッドの測定方法を定めるとともに「ファインバブル広告・表示ガイドライン」に沿った適正な広告・宣伝を推進しています。※5
具体的には、FBIAが定めた基準をクリアした製品やカタログなどに「FBIA製品認証登録マーク」を表示できる「製品認証登録制度」を実施しています。このマークは、FBIAの専門家が第三者として効果を確認した製品でないと使用できません。※5,6
信頼できる効果なのか
FBIA規格でファインバブルシャワーヘッドの測定方法が決められているものの、測定回数や水が循環する回数などに関する詳細な規定はありません。個数濃度あたりの平均気泡径や条件などで効果は変わるため、認証登録マークの有無だけではなく、効果の根拠となるデータをしっかり確認する必要があります。
たとえば、個数濃度あたりの平均気泡径や測定回数を詳しく記載しているか、それぞれの数値は最大値ではなく平均値であるかなどに着目するのをおすすめします。
ほかにも、表示されている効果を得るための前提条件も重要です。経済的な水の節約効果では実際の電気料金やガス料金に近いか、うるおい効果では温度などの利用条件が実際の使用シーンとかけ離れていないかなどをチェックしましょう。
ウルトラファインバブルは安全なの?
ウルトラファインバブルは、さまざまな安全試験がおこなわれています。
たとえばFBIAが実施したマウスの単回投与毒性試験では、20 mL/kgのファインバブル水(4.6億個/mL以上)を5週齢のマウスに投与したところ、観察期間中に異常は認められませんでした。※7
また、商品によっても安全性試験の内容や結果は異なります。すでに販売・使用実績のあるファインバブルのシャワーヘッドや洗濯機は安全性試験がおこなわれているはずなので、購入するときには確認してみましょう。
ただし飲み水として使用したい場合は、飲料水としての水質検査項目基準に達しているかの観点も大切です。
ウルトラファインバブルはシャワーヘッド以外にも幅広く活用されています
ファインバブルは日本発の応用事例が増えるとともに、SDGsの達成にも貢献しており、世界からも注目を集めています。
たとえば農林水産食品分野では、ウルトラファインバブル水を栽培に使用することで、大麦の成長率が46%、レタスの成長率が20%向上し、発芽促進効果が認められました。医療薬品分野においては、医療器具滅菌にオゾンファインバブル水を使用すると、所要時間が半分以下になることが分かっています。※6
このほか、自動車工業や機械工業などものづくり分野でも活用が進んでいます。ウルトラファインバブルは、お風呂などの日常生活から社会を支えるインフラまで幅広い分野で役立つ技術といえるのです。
ウルトラファインバブルの効果は研究実績がある!
ウルトラファインバブルは汚れの吸着や水質浄化などの作用を持つため、シャワーヘッドとして活用することで洗浄力の向上や節水、肌へのうるおいといった効果を期待できるでしょう。
ただし事実と大きく乖離した表現や紛らわしい表現など、過大な宣伝をしている製品もあるため選ぶときには注意が必要です。FBIAが定めた基準をクリアしているか、謳われている効果に信憑性があるかを確認し、信頼できる商品を選びましょう。
クリンスイのウルトラファインバブルシャワーは、優れた洗浄力に加え、浄水カートリッジにより水中の遊離残留塩素を除去できます。浄水機能を備えたウルトラファインバブルシャワーは少ないため、気になる方はぜひ使用を検討してくださいね。
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【参考文献】
※3 一般社団法人ファインバブル産業会|ファインバブルの作用と活用
※5 一般社団法人ファインバブル産業会|シャワーヘッドの選び方
※6 一般社団法人ファインバブル産業会|製品認証登録制度の概要
みずはかせ
1997年より三菱ケミカル愛知研究所でクリンスイ製品の開発・評価・研究開発に携わる。フォークリフト運転免許と華道正教授の免許を持つ。