2025.06.11

西島豊造さんに学ぶ、
備蓄米のおいしい炊き方

edit & text / Akio Mitomi

日本米穀商連合会の「五ツ星お米マイスター」としてメディアにたびたび登場するかたわら、全国を飛び回り各地でお米のブランディングを手がけてきた西島豊造さん。米の高騰に伴って2025年3月から始まった政府による備蓄米の放出を受け、テレビの報道番組などにたびたび出演している。その西島さんに、備蓄米をよりおいしく炊く方法を教えてもらいました。

[ポイント]
  • 冷やした浄水を使用する。
  • 1時間以上浸漬させる。
  • 備蓄米でご飯を炊く場合は炊飯器を推奨します。
  • 備蓄米は乾燥していて割れやすいので、ザル研ぎやザル上げはしないでください。
[準備]

購入したお米は備蓄米に限らず、チャック付きの密閉できる袋に移し替えて、冷蔵庫の野菜室で保存するといいでしょう。また最初のすすぎと、お米を炊く時に使う水をクリンスイの浄水器で作って、あらかじめ冷蔵庫で冷やしておいてください。

1. 計量
  • 冷蔵庫の野菜室で保存してあった備蓄米を、冷たいまま計量カップに山盛りに入れる。
  • 軽く揺すって隙間を埋め、カップの縁に沿って箸などを滑らせ、余分な備蓄米をそぎ落とす。
  • 正確に1合を量ってから備蓄米が研げる大きめのボウルか炊飯器の内釜に入れる。
2. すすぐ(1回目)
  • 備蓄米が入っているボウルか炊飯器の内釜に、冷やしておいた浄水を、素早く全ての備蓄米が浸かるまで入れる。
  • 表面の汚れを浮かすように、数回軽くかき混ぜてから、直ぐに水を捨てる(この間10秒程度)。
1度目のすすぎ水
3. すすぐ(2回目)
  • もう一度、備蓄米が入っているボウルか炊飯器の内釜の中に、素早く水を入れる(これ以降は水道水でもよい)。
  • 汚れを浮かすように、数回軽くかき混ぜてから、水を捨てる(この間も10秒程度)。
2度目のすすぎ水
4. 研ぐ(1回目)
  • ほぼ水が切れた状態になっているボウルか炊飯器の内釜の中の備蓄米に、ソフトボールを握ったような形に指を広げて差し込む。
  • そのままシャカシャカと音が出る一定のリズムとスピードで、備蓄米どうしの摩擦で表面を研磨するように20回程度研ぐ。
ソフトボールを握ったような形に指を広げて差し込む
5. すすぐ(3回目)
  • ボウルか炊飯器の内釜の中に、白色か薄茶色の研ぎ汁が溜まっていて、そのままでは濃すぎて洗い落とせないため、水を入れてから数回かき混ぜて、研ぎ汁を薄めて捨てる。
6. すすぐ(4回目)         
  • 再び水を入れて、残っている表面の研ぎ汁を洗い落すために、水を入れてから数回かき混ぜて、研ぎ汁を薄めて捨てる。
7. もう1度研ぐ(2回目)
  • ほぼ水が切れた状態になっているボウルか炊飯器の内釜の中の備蓄米に、ソフトボールを握ったような形に指を広げて差し込む。
  • そのままシャカシャカと音が出る一定のリズムとスピードで、備蓄米どうしの摩擦で表面を研磨するように10回程度研ぐ。
8. 5~6をもう1度繰り返します。
9. 浸す・炊く
浄水を研いだお米に注ぐ
  • 圧力IH炊飯器の場合は、研ぎ終わったらお釜に移して、用意しておいた冷やした浄水を、炊飯器の白米のメモリに合わせて入れて、1時間以上(2時間で浸水状態MAX)9時間以内浸水させてから、スイッチを入れて炊き始めます。
  • 粘りが足りないと思う場合は、炊飯器の「粘り」や「もっちり」等の炊き分け機能を使うと便利です。
  • 炊きあがりに艶が無い・硬いと感じる場合は、次回の時に水を多くしてください。水は、炊きあがったお米に艶が出るまで、水加減を増やしてかまいません。
10. 蒸らす(炊飯器)
  • 圧力IH炊飯器の場合は、ブザー等が鳴ると同時に、蒸らしも終わっていますので、さらに蒸らす時間は必要ありません。
  • すぐに蓋を開けて、余分な蒸気を逃がしてから、素早くほぐし始める。保温してしまうと、ほぐす事が出来なくなってしまうだけでなく、食味と食感が悪くなるので、タイマー炊飯を使用する場合は注意して下さい。
しゃもじを入れて切り分ける
4分の1ずつを残りの上に乗せていく
11. ほぐす
  • ご飯に垂直にしゃもじを入れて、そのまましゃもじを引っ張って1/2に切り分ける。
  • さらに、ご飯に垂直にしゃもじを入れて1/4に切り分ける。
  • 切り分けた1/4を、3/4の上にひっくり返して乗せ、ご飯粒どうしを1つひとつに切り離すようにしてほぐす。
  • 残りも同様に、すべてのご飯粒を切り離すようにほぐす。

出典/株式会社スズノブ『備蓄米-研ぎ方・炊き方』
https://www.suzunobu.com/bichikumai-togikata

にしじまとよぞう

1962年東京生まれ。北里大学獣医畜産学部畜産土木工学科卒業後、北海道で農業土木コンサルタントに。1988年より家業の米店「スズノブ」代表。2004年、五ツ星お米マイスターに認定。米に関する膨大な知識を生かし、独自プロジェクト「Suzunobu Project Rice」を立ち上げ、産地の特徴を生かした地域ブランド米作りや地域活性化に携わる。

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