2022.10.08

外資系ホテル「LOF HOTEL Shimbashi」の
水との付き合い方

photo / Norio Kidera
text / Hitomi Takano
edit / Akio Mitom

プラごみ削減と向き合う「LOF HOTEL Shimbashi」の取り組み。

2021年7月、東京・新橋にオープンした外資系ホテル「LOF HOTEL Shimbashi」。東京タワーや虎ノ門ヒルズ、愛宕神社などにも近く、ビジネスや観光目的で長期滞在の利用が多いという。東京タワーが見える12階にあるリビングルームには、コーヒーなどが無料で楽しめるドリンクコーナーも。そして、同フロアにあるコインランドリー脇には、定額制水道直結型ウォーターサーバー「クリンスイウォーター」が設置されている。導入した経緯について、元カントリーマネージャーの薄井シンシアさんにお話を伺った。

絵画などが飾られたモダンな雰囲気のホテルロビー。環境への配慮から、歯ブラシやコームなどのアメニティは部屋に置かず、ロビーに設置。必要な方は、必要な物だけを使用するシステムに。

薄井さんがカントリーマネージャーに就任したのは2021年5月のこと。7月にはオープンを控えていたが、実は、就任時には「クリンスイウォーター」は設置されていなかったという。

ある日薄井さんがホテルを訪れると、ロビーに大量のペットボトルが。1部屋に毎日2本のペットボトルを置くことになっており、数か月分を注文済みだった。

「海外生活が長かった私は、長年環境に配慮した暮らしを心がけています。エコバッグも20年前から持っていたし、普段からマイボトルやカトラリーを持ち歩くのが当たり前。だから自分が運営するホテルで、こんなに大量のペットボトルのゴミを出すわけにはいかないと思いました」

すぐにオーナーに相談し、「クリンスイウォーター」の設置を提案した。

「LOF HOTELは、マカオが拠点。日本同様に、ペットボトルの水を置くことをサービスの一環だと考えるオーナーを説得するためには、ウォーターサーバーを設置すると、年間どのくらい節約できるかを数字で明確にしました。また、マカオは水道水を飲む文化ではありません。だから、東京は水道水が飲める世界有数の街であると証明するため、水道水の水質検査結果も訳して提出し、納得してもらいました」

客室にはポットを用意しており、12階に行けば24時間いつでも水を汲むことができる。リピーターのお客さまからは、「お湯も出るから、カップラーメンを作るのに便利だ」という声もあるとか。どうしても不便に感じるお客さまのために、1階フロント裏に自動販売機も設置し、オプションも用意した。

「大量に届いたペットボトルの水は、備蓄品として保管しています。賞味期限が近くなったら、説明してお客さまに配布してもいい」と薄井さん。 客室にペットボトルの水やアメニティを置くことが、サービスとして当たり前になっている日本のホテル。「LOF HOTEL」のような取り組みが増えることで、利用者もホテル側も、環境への配慮を意識するきっかけになるといい。

LOF HOTEL Shimbashi

東京都港区新橋5-23-4
TEL 03-6631-2861
https://shimbashi.lof-hotel.com

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