2022.03.29

西島豊造さんに聞く、
おいしいお米の炊き方

photo / Norio Kidera
edit & text / Akio Mitomi

日本米穀商連合会の「五ツ星お米マイスター」としてメディアにたびたび登場するかたわら、全国を飛び回り各地でお米のブランディングを手がけてきた西島豊造さん。2021年12月に三重・多気町の商業リゾート施設VISON(ヴィソン)内のクリンスイハウスで開催された「西島豊造さんの新米ワークショップ」会場で、おいしいお米の炊き方を教えてもらいました。

[準備]

今回はクリンスイハウスのキッチンスタジオに設置されている、羽釜を使ってお米を炊きますが、[炊く]工程で炊飯器や土鍋を使っても、同じようにおいしいお米が炊き上がります。

買って来たお米は密閉できる容器や袋に移し替えて、冷蔵庫の野菜室で保存するといいでしょう。

また、和食のためのクリンスイ JP407-R(お米用)で浄水を作って、最初のすすぎと、お米を炊く時に使う分を、あらかじめ冷蔵庫で冷やしておいてください。

[すすぐ]

1度目のすすぎ水
2度目のすすぎ水

計量カップでお米をすりきり1杯ずつ量り、ボウルに入れます。そこに冷蔵庫で冷やしておいた浄水を注ぎ、冬眠しているお米の目を覚まします。すべてのお米が水に浸かるようにかきまぜたら、汚れを吸わないように約10秒で水を捨てます。すばやく行わないと、黄ばみやにおいの元になります。

ここからは水道水でもいいので、2度目のすすぎを繰り返します。同じように約10秒で水を捨て、まだ水の汚れが気になる場合には、3度目のすすぎを繰り返してもいいでしょう。

[研ぐ]

ソフトボールを握るように研ぐ
研ぎ汁を新しい水で2回流したところ

すすぎ水をよく切ります。その際ザルを使うとお米が割れるので、手で切ります。

研ぐ時はお米を、ソフトボールを握るように広げた指で、約20回かき回します。研ぎ汁がボウルの底に溜まるので、水を注ぎ2〜3回かき混ぜ、流します。

研ぎと注水をもう1度繰り返し、思った以上に濁り水が濃い場合、あと10回だけかき回して水で流します。ただし、水が透明になるまで研ぎ過ぎると、お米に傷が付くので注意してください。

[浸す]

メジャーカップで浄水を量る
研いだお米に注ぐ

研いだお米に1.1倍量の浄水(お米1合あたり約200cc)を注ぎ、浸水しておきます。和食のためのクリンスイの浄水は浸水が早いので、約1時間で充分です。

羽釜に蓋をしてガスコンロに着火
約10分で沸騰、2〜3分で水蒸気が最高潮に

お米が砕けないようにそっと羽釜(または土鍋)に移し、中火にかけます。炊飯器の場合は、内釜に移してスイッチを押せば蒸らしまで自動で炊き上がります。

ガス・IH加熱の場合は約10分で沸騰するので、そこから約2〜3分、甘みと粘りを出すために水蒸気が最も勢いよい状態を保ってから火を止めます。

[蒸らす]

ツヤのあるお米が粒立ち、カニ穴ができた
しゃもじを十文字に入れる
4分の1ずつを残りの上に乗せていく

蓋をしたまま12分間蒸らしたら蓋を開け、蒸気を逃します。米にツヤがあり一粒ずつ立っていて、ところどころに指で開けたようなカニ穴が開いていれば、空気が下から上に抜けた証拠。ご飯が上手に炊けています。

縁に沿ってしゃもじを1周させ、ご飯をはがしてから十字に切ります。切った4分の1を残りのご飯の上にひっくり返して乗せます。この時、空気を入れるようにふっくらと広げます。これをあと3回繰り返します。

粒立ちのいいご飯が炊けました!

こうして炊いたご飯は、周りが膜に包まれたままなので保水されており、噛んだ時に破裂してモチモチ感が出るのです。また冷めても食感が残るので、食べやすさが保たれます。

最後に、和食のためのクリンスイ JP407-R(お米用)で作った浄水は、浸水が早いため炊き上がりの水分が多めになる場合もあります。お米の状態によって水の量を減らすなどして調整してください。

にしじまとよぞう

1962年東京生まれ。北里大学獣医畜産学部畜産土木工学科卒業後、北海道で農業土木コンサルタントに。1988年より家業の米店「スズノブ」代表。2004年、五ツ星お米マイスターに認定。米に関する膨大な知識を生かし、独自プロジェクト「Suzunobu Project Rice」を立ち上げ、産地の特徴を生かした地域ブランド米作りや地域活性化に携わる。2016年、和食のためのクリンスイ JP407-R(お米用)の開発に協力、監修。

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