2024.09.04

東京會舘「八千代」の日本料理顧問が
クリンスイの浄水でつくる「ハレの出汁」と「ケの出汁」

photo / Kenya Abe
text / Hitomi Takano
edit / Akio Mitomi

料理、日常生活、環境。すべての循環に水が関わっている

東京・丸の内、皇居そばの東京會舘2階にある日本料理「八千代」を訪れた。ここには、クリンスイの業務用浄水器が設置されている。今回はポット型 クリンスイCP508を使用してもらった。

日本の四季を大切にしながら、素材のおいしさを引き出す。優雅でありながら温かみのある日本料理。「日本料理は引き算の料理。料理のおいしさは90%が水だと思っています」そう話すのは、黄綬褒章受章・日本料理顧問の鈴木直登さん。日本料理に欠かせない出汁について話を伺う。

「八千代」では、まぐろ節やかつお節でひいた出汁をベースに、料理に合わせて昆布出汁を加えた合わせ出汁を使う。

「昆布出汁は、ひと晩置いた水出しを使います。まぐろ節とかつお節は出汁と旨みが出にくいので火を入れます」

まぐろ節(左)、かつお節(右)

今回ご用意いただいたのは、「ハレの出汁」と「ケの出汁」。ハレとケでは、ベースとなる出汁が変わるのだそう。

「普段使いには、しっかりとコクのある味わいのかつお節出汁で良いのですが、ハレの日に“濁り”は厳禁。爽やかな味わいの澄んだ出汁は、血合いのないまぐろ節を使います」

出汁のひき方は、まぐろ節もかつお節も共通。沸騰させた浄水にそれぞれを入れたら火を止め、下に沈むまでそのままじっくりと待つ。

「まぐろ節もかつお節も乾燥させて醸しているので、しっかり100度まで沸騰させることが、旨みのあるおいしい出汁を取るコツです」

沈殿したら、ネル地の布で丁寧に濾す。さらしやキッチンペーパーでもいいけれど、「ネル地」を使うことでしっかりと雑味が濾過され、よりすっきりとした澄んだ出汁に仕上がるのだそう。

「鍋ごとザバッと移してもいいけどね。おたまで少しずつ移していくと、出汁自体の重みでゆっくりと濾過されるので、雑味がちゃんと取れるんです。クリンスイの浄水ポットと原理は同じですね」

左から、昆布出汁、かつお節出汁、まぐろ節出汁
ケの出汁を使ったお椀
ハレの出汁を使ったお吸物

濁りのないきれいな「ハレの出汁」を使ったお吸物と、しっかり味わいのある「ケの出汁」を使ったお椀。どちらも季節の食材と日本文化が詰まっている。

「日本は結びの文化。ハレのお吸物には黄金蛤と結び人参、紐椎茸、青味(青ゆず)を合わせて、夏の季節のお祝い膳に仕上げました。一方、ケのお椀は、野菜たっぷりの沢煮腕に。細く薄く切ったうど、人参、ごぼう、椎茸、湯葉、油揚げに、温かな出汁でやや火を加えて完成します。野菜は生で食べられるものばかりですが、アクが強いので切ったあとすぐにさっと浄水で洗うのがポイント。食感を楽しむ夏のお椀です」

日本料理顧問として調理場に立つだけでなく、小学校などで子どもたちに日本文化や水の大切さについても伝えている鈴木さん。普段から、「料理や日常生活で排出する水を少しでもきれいに」ということを意識しているという。「私たちが流している水は、排水溝を通って川や海に流れ、そこで育つ貝や昆布、魚たちの環境に影響しています。自分たちが飲めない水を流すのはおかしいよね?と子どもたちにも話すんです。そこで育つ魚介類を私たちは食べているのだから。“すべて循環している”という考えを大切にしたいし、それをもっと伝えていきたいと思っています」


最新情報はクリンスイ水の編集部Instagramアカウントで @cleansui_knows

東京會舘 日本料理 八千代

東京都千代田区丸の内3-2-1 2F TEL 050 3134 4890(予約センター)

https://www.kaikan.co.jp/restaurant/yachiyo/index.html

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