おいしい水を手軽に飲みたいと思ったとき、代表的な選択肢となるのが浄水器とペットボトルに入ったミネラルウォーターです。どちらも手軽に水を飲める方法ですが、何を基準に選べばいいのでしょうか。
この記事では、浄水器とペットボトルの水を13項目から徹底比較。結果、メリットが多いのは浄水器となりましたが、それぞれの特徴や違い、メリット・デメリットについて解説していきます。
浄水器とペットボトルを比較
浄水器とペットボトルの水にどのような違いがあるのか、品質や値段、安全性といった13項目から比較してみましょう。
水の種類
まずは、使用される水の種類を比較します。
浄水器は水道水をろ過して不純物を取り除くものですが、水道水の原水は約7割が河川やダム、湖などの地表水で、残りの3割は地下水や井戸水などとされています。※1 一方、ミネラルウォーターは「水のみを原料とする清涼飲料水」と定義され、その原水は地下水や水道水です。※2
つまり、元をたどれば浄水器もペットボトルも、使用する原水は同じということなのです。
水の品質
原水が同じといえども、「水道水よりミネラルウォーターの方が健康によさそう」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。しかし、実は水道水は厳しい検査項目により、品質がチェックされているのです。
ミネラルウォーターは食品衛生法で規定された基準に基づき19~48の項目で検査されます。※3 一方、水道水の品質は水道法によって管理されており、水質基準項目(51項目)などの※4 検査項目によって飲料としての安全性が保たれています。
そのうえ、浄水器を使用したり水道水を沸騰させたりして、気になるカルキ臭などを取り除くことも可能です。こちらの記事で水道水を沸騰させる効果について詳しい方法を解説していますので、あわせてご覧ください。
水の成分
水道水よりもミネラルウォーターの方がミネラル成分が多い印象があるかもしれませんが、意外にも水道水には地域によってミネラルウォーターに負けず劣らず多くのミネラル成分が含まれています。
水道水は河川水や地下水など自然の水を原水とするため、ナトリウムやマグネシウム、カリウムといった成分が多く含まれる地域もあるのです。※5 水道水の成分についてはこちらの記事でも解説しています。
コスパ
コストパフォーマンスで比べると、浄水器の方が低価格で手軽に水を楽しめる確率が高いです。
東京23区におけるミネラルウォーターの価格は、2Lペットボトル1本あたり120円程度のため、1Lに換算すると約60円です。※6 浄水カートリッジや水道料金などのランニングコストを含めても、浄水器の水は1Lあたり2~10円ほどで利用できると考えられます。毎日のコストを抑えたい方には、浄水器の方がおすすめといえるでしょう。詳しくは下記の記事も参考にしてください。
手間
外出中に500mlなど手持ちサイズのミネラルウォーターを飲むのは手軽に感じるかもしれませんが、毎日利用するとなるとペットボトルを購入して持ち帰る手間がかかります。2Lのペットボトルを何本も買うのは負担が大きく、「おいしい水を飲みたいけど、買うのが面倒」という声も多いものです。
浄水器は都度水を購入したり補充したりする必要はありません。定期的に浄水カートリッジを交換したり設置に工事が必要な場合もあったりするので、導入前に使用面の手間を考慮してから決定しましょう。
安全性
先ほど紹介したように、ミネラルウォーターは食品衛生法、水道水は水道法、とどちらも法律に基づいた基準によって品質が保たれています。そのため、どちらを選んでも安全性に問題はないといえるでしょう。
水道水に含まれるトリハロメタンが気になる場合は、浄水器を使うと除去することが可能です。クリンスイの浄水器は、2種類のフィルターでトリハロメタンやカルキ臭、雑菌・赤サビを取り除きつつ、ミネラルはそのままに、水本来の風味を楽しめます。水道水を安全に楽しむ方法については、こちらの記事もご覧ください。
美味しさ
浄水器とペットボトルのミネラルウォーターはそれぞれ違った美味しさがあり、好みに合わせて選択するといいでしょう。
ただし、ミネラル含有量の多い硬水は独特の風味があり、飲みにくいと感じる方もいます。すっきりと飲みやすい水がお好みの場合は、軟水を選んでください。
また、地域や水道設備によっては水道水のカルキ臭やカビ臭が気になることもあるでしょう。その場合には浄水器を使って臭いの原因物質を取り除くと、水本来の美味しさを味わえます。
1日に飲む量
前述の通り、1Lあたりの値段を比較するとミネラルウォーターよりも浄水器の方が50円以上安い計算になります。1日にたくさん水を飲む方や運動をするためこまめに水分補給をする方などは、浄水器を使うとコストを気にせずたっぷり水が飲めるでしょう。
健康面
ミネラルウォーターと水道水(地域差あり)には、カルシウムやマグネシウムといったミネラル成分が含まれています。
カルシウムは人体の中で骨や歯を形成する成分で骨粗鬆症や骨折の予防になるとされており※7、マグネシウムは便通改善薬に用いられる成分で便秘やお腹のハリ改善に役立ちます。※8
より健康面を考えて水分を摂取したいなら、軟水よりもミネラル成分が多い硬水を選択するといいでしょう。クリンスイの浄水器であれば、不純物を取り除きつつ、水道水に含まれるミネラル成分をそのまま摂取できます。軟水と硬水については、以下の記事でも紹介しているので覗いてみてくださいね。
環境面
ペットボトルのミネラルウォーターを買うのは手軽な一方で、水を飲むたびにゴミが発生するのが気になる方もいるでしょう。
ペットボトルを浄水器の水に変えると、カートリッジ1つで500mlペットボトル約1800本分ものゴミ削減になるとされています。また、ペットボトルは製造から廃棄されるまでの過程で大量のCO2を発生しますが、浄水器を使うことで温室効果ガスを約9割も削減できるのです。
ほかにもクリンスイではSDGsに向けた活動として、水に関する環境問題の解決や持続可能な製品・サービスづくりに取り組んでいます。さらに三重県多気町の複合施設VISON(ヴィソン)内に「クリンスイハウス」を設立し、展示やワークショップなどを通して活動領域の拡大に努めています。
災害時
大規模な地震や水害があると、水道管が破裂し断水する可能性があります。災害時に備えるならば、ペットボトルの水を備蓄しておくのがおすすめです。備蓄用に長期保存できるペットボトルであれば、賞味期限は5~10年のものがあります。※9 期限切れが心配な場合は、日々使いながら買い足していくと安心でしょう。
手軽さ
ペットボトルは購入する手間はあるものの、持ち運べるのが便利です。500ml以下のペットボトルであればカバンに入れて持ち歩き、出先での水分補給に使えるというメリットがあります。
浄水器は設置や浄水カートリッジ交換などの手間はある一方、設置してしまえば水道水と変わらない感覚で使用できます。蛇口をひねるだけで安全でおいしい水を飲める手軽さが、浄水器の魅力といえるでしょう。
置場
毎日の飲み水にペットボトルを利用する場合、保管場所を考えなければなりません。2Lペットボトルも何本も保管する必要があるため、置き場所に困ってしまうという声も多いものです。
一方、蛇口直結型やビルトイン型の浄水器であれば、置き場所に困ることはありません。ライフスタイルに合わせて製品を選べる点も浄水器の魅力です。
ペットボトルよりも浄水器がおすすめ!
ペットボトルの水はコンビニやスーパーで手軽に買えるだけでなく、持ち運びにも便利です。ただし、毎日の水分補給に使おうとすると大量のペットボトルを持ち帰る手間が発生するだけでなく、保管場所が必要になってしまいます。
安全でおいしい水を気兼ねなく飲みたいなら、浄水器がおすすめです。ペットボトルよりもコスパが良いだけでなく環境面でも優れており、置き場所に困ることもありません。
また、自分のライフスタイルに合わせてタイプを選べる点も魅力です。クリンスイでは蛇口直結型やビルトイン型、ポット型などさまざまな浄水器を扱っていますので、ぜひチェックしてみてください。
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【参考文献】すべての参照年月日:2024年5月26日
※2 厚生労働省|清涼飲料水(ミネラルウォーター類)製造における 「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」の手引書
※6 厚生労働省|小売物価統計調査 小売物価統計調査(動向編)
みずはかせ
1997年より三菱ケミカル愛知研究所でクリンスイ製品の開発・評価・研究開発に携わる。フォークリフト運転免許と華道正教授の免許を持つ。