おいしい水を手軽に飲む選択肢のひとつに、ウォーターサーバーがあります。しかし、浄水型と宅配水のどちらが良いのか、迷ってしまう方もいるでしょう。
本記事では、浄水型ウォーターサーバー(水道直結型ウォーターサーバー)におけるメリットとデメリットについて比較解説します。浄水型ウォーターサーバーの特徴を知り、後悔しない商品選びを行いましょう。
INDEX
浄水型ウォーターサーバーのメリットは?
浄水型ウォーターサーバーの特徴的なメリットは、宅配水よりも低コストで使用が可能な点です。ボトルの付け替えが不要で、冷水と温水の両方を楽しめます。
続けやすいコスト感
浄水型ウォーターサーバーは、低コストでおいしい水を飲みたい方にぴったりです。水道水を浄水フィルターに通して浄水を作ります。使えば使うだけコストがかさむボトルタイプとは異なり、日々のコストは水道代のみ。定額制の浄水型ウォーターサーバーなら毎月の支払額が明確なので、家計のやりくりもしやすいでしょう。
なお、浄水型ウォーターサーバーは定期的に浄水カートリッジを交換しないと浄水機能が低下します。本体のメンテナンスを行ってくれるメーカーだと、より安心して使えるはずです。
クリンスイの浄水型ウォーターサーバーは、定額制。一般的なボトルタイプと比べ、1ヵ月あたり1/8ほどの費用で使えます。ペットボトルのミネラルウォーターと比較しても、1/4程度の費用です。※1
※東京都水道料金:1Lあたり約0.24円(東京都水道局HP 参考)
※比較条件:オフィス(20人)で使用量 12L/日とした水にかかる費用
※クリンスイウォーターの費用にはレンタル料金が含まれています。
また半年に一度メンテナンスを実施し、異常があれば対応してくれます。1年に1度、浄水カートリッジを交換するサービスも行っています。
ボトルの付け替えや保存、処理が不要
浄水型ウォーターサーバーなら、ボトルの付け替えは要りません。水の入った重いボトルを保管する手間やスペースも必要なく、ボトルの処理に困ることもないでしょう。
毎日使うものは、使いやすさの観点が欠かせません。ボトルの管理や処理が面倒に感じるなら、浄水型ウォーターサーバーが良いでしょう。また浄水型ウォーターサーバーは、ボトルの製造や採水や輸送にかかるエネルギーを抑えられます。温室効果ガス排出を減らすのに効果的です。※2
常温水だけではなく冷水・温水も可能
浄水型ウォーターサーバーには、冷水と温水の両方を楽しめるものがあります。冷水は運動後の水分補給に、温水はコーヒーやお茶を入れる時に、など用途や好みに合わせて使い分けられるのが魅力です。また冷水と温水を混ぜてお湯にするなど、好きな温度に調整して使うのも良いでしょう。気候や体調に合わせて、簡単に適温にできます。
浄水型ウォーターサーバーのデメリットは?
メリットの多い浄水型ウォーターサーバーですが、当然ながらデメリットもあります。実際に設置する前に、デメリットについても理解しておきましょう。
メンテナンスが必要
浄水型、宅配水にかかわらず、ウォーターサーバーはメンテナンスが必要です。まず、ウォーターサーバー自体を清潔にしておく必要があります。見た目はきれいでも、細かいほこりやごみが付いていることもあるため、取水口や受け皿を適時清掃しましょう。
また浄水型ウォーターサーバーは、浄水カートリッジの交換が必要です。交換しないまま長期間使用すると浄水能力が低下し、本来の機能を発揮できなくなります。使用量や商品によって交換頻度は異なるので、説明書を確認し、メーカー推奨の頻度で必ず交換しましょう。クリンスイの場合は年に1度、メンテナンスとカートリッジの交換を行っているので安心です。
水を選べない
浄水型ウォーターサーバーは水道水を浄水して使用するため、宅配水のように自分好みの水を選ぶことはできません。しかしミネラルが含まれる水を飲みたい場合は、クリンスイの浄水型ウォーターサーバーも選択肢に入れた方がよいでしょう。
ミネラルウォーターはミネラルが多いイメージがありますが、実は水道水も地域によってはミネラルウォーターに負けないほどのミネラルが含まれています。水道水の源泉は、ミネラルウォーターと同じ自然の水です。しかも日本の水道水は、法律により厳しい水質基準が51項目も定められています。※3
クリンスイの浄水フィルターでは、水道水の遊離残留塩素や不純物を取り除くのはもちろん、ミネラルを残したまま、さらにおいしく安全な水が飲めるのです。水道水に含まれるミネラルや水道水を飲むメリットについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
設置するときに工事が必要
水道直結型のウォーターサーバーの場合、専用の器具の取り付けが必要です。水道管のサイズや材質、形状によっては設置できない場合があります。また一度設置したサーバーを移動する際には配管工事が必要なケースもあるため、設置場所は慎重に選びましょう。
水道に近いところに置く必要がある
水道直結型のウォーターサーバーは、どこにでも設置できるわけではありません。水道の配管に近い平らな場所に、壁から離して設置します。※ 一方、自分で水を入れるタンク式の場合は置き場所に制限はなく、好きな場所に設置できます。
※メーカーによって異なる
水道直結型のウォーターサーバーは設置場所に制限はあるものの、水の残量を気にせずたっぷり使える点が魅力です。タンク式は水を補充する必要があるため、使用頻度が多いと補充が面倒になる可能性があります。設置場所や使いやすさを考慮して、自分に合ったものを選ぶことが大切です。
断水になると使えない
浄水型ウォーターサーバーは水道水を利用するため、断水すると使えません。停電や災害用には、ペットボトルの水を用意しておく方が良いでしょう。普段の生活ではウォーターサーバーを使い、断水時だけペットボトルの水を使うようにすれば、ごみも最小限に抑えられます。
浄水型ウォーターサーバーの主な機能
浄水型ウォーターサーバーは、浄水器とウォーターサーバーの機能を兼ね備えています。浄水型ウォーターサーバーの主な機能は、次の通りです。
- 水道水をろ過してカビ臭やカルキ臭を除去し、飲みやすく口当たりの良い水にする
- 冷水と温水を選べる
ウォーターサーバーの特徴的なメリットが、冷水と温水を選べること。体調や目的に合わせて冷水と温水を使い分けられるのは、普通の浄水器にはない機能です。冷蔵庫で水を冷やしておく手間や沸騰する時間を減らせます。
また幼稚園や保育園など小さなお子様がいる場所では、チャイルドロック機能付きを選ぶと安心です。漏水検知器のついたウォーターサーバーなら、万が一水が漏れても床が水浸しになる前に気づけます。
浄水型と宅配水どっちのウォーターサーバーがいいの?
浄水型と宅配水のウォーターサーバーはそれぞれ特徴が異なるため、どちらが良いとは言えません。ライフスタイルや目的を考慮して、自分に合ったものを選ぶのがおすすめです。
浄水型のウォーターサーバーのメリットは、宅配水より低コストである点です。日常的なコストは水道代のみなので、水をよく飲む方や料理にも使いたい方には浄水型が良いでしょう。また宅配水のように、一人で持つのが大変な重たいボトルを取り付ける手間や保管スペースは必要ありません。ボトルの管理が面倒に感じる場合も、浄水型の方が使いやすいでしょう。
一方、宅配水のウォーターサーバーは好みの水を選べる点が魅力です。多少費用がかかっても水の種類を選んで飲みたいなら、宅配水が向いています。また水道管に器具が取り付けられない場合や断水時の備蓄水として使いたい場合も、宅配水がよいでしょう。
浄水型と宅配水のメリットとデメリットをふまえて、どちらが使いやすいかを考えることが大切です。
浄水型ウォーターサーバーと浄水器はどっちがいいの?
冷水と温水を使いたい方は浄水型ウォーターサーバー、常温水が良い方は浄水器が使いやすいと考えられます。浄水型ウォーターサーバーのメリットは、手間をかけずに冷水と温水が使えることです。お風呂上りに冷たい水を飲みたい方や、コーヒーやお茶をよく飲む方には、ウォーターサーバーの方が使いやすいでしょう。
一方、冷水と温水が出ることにメリットを感じないのであれば、浄水器が向いています。体を冷やさないように常温水を飲む習慣のある方や主に料理に使う方は、浄水器で十分対応可能です。
浄水型ウォーターサーバーも浄水器も、商品によって浄水フィルターの機能が異なる点に注目しましょう。例えば、人体への影響が問題視されているPFASを除去できる浄水カートリッジがついているものもあります。クリンスイの浄水カートリッジは、PFASの中でも特に問題視されているPFOSとPFOAの除去試験を実施済み。より安全性の高い水を求める方におすすめです。
クリンスイの浄水カートリッジについては、こちらの記事で詳しく解説しています。浄水器の効果について疑問のある方は、ぜひご覧ください。
そもそも、水道水って安心・安全?
水道水の安全性を懸念してミネラルウォーターを選ぶ方もいますが、原水で考えると、ミネラルウォーターと水道水は同じです。どちらも自然の水(山や湖、沼など)を原水としています。しかも、日本の水道水の基準は国が管理する水道法で厳しく定められており、安心して飲める水です。※4
それでも水道水を飲むのが心配な方は、浄水器の利用がおすすめです。浄水器を使えば水道水に含まれるミネラルはそのままに、カルキ臭やカビ臭などを除去できます。水道水の安全性や水道水をおいしく飲む方法については、以下の記事を参考にしてください。
水道水はまずいって聞くけど、本当なの?
カルキ臭やカビ臭が気になり、水道水をおいしく感じられない方もいらっしゃるでしょう。水道水の不快な臭いは、遊離残留塩素や水源に発生した植物性プランクトンが原因とされています。※5※6浄水器を使うとそれらを除去できるので、おいしい水が飲めるようになるのです。しかもクリンスイ浄水器は水道水に含まれるミネラルをそのままにしておいしくお水を摂取可能。水道水をおいしく飲みたい方は、ぜひ浄水器の導入を検討してみましょう。
なおカルキ臭を除去した水は、早めに飲む必要があります。※7 カルキについては、以下の記事をご覧ください。
水道水の健康への影響はどうなの?
水の硬度は水源の種類に大きく影響されるため、地域によっては水道水にカルシウムやマグネシウムが多く含まれます。※8 これらは人間が生きるために必要不可欠な成分です。健康のために意識して摂取すると良いでしょう。
ただし、摂り過ぎは禁物です。カルシウムやマグネシウムを過剰に摂取すると、体調不良の原因となるおそれがあります。適量の水道水を飲む分には問題ありませんが、例えばサプリメントで特定の成分を多量に摂取する場合には、注意が必要です。※9※10
ミネラル補給を目的として硬水を取りたい方や硬水と軟水の違いが気になる方は、こちらの記事が参考になります。
水道水とミネラルウォーターどっちがいいの?
水道水とミネラルウォーターのどちらが良いかは、考え方や好みによって異なります。
浄水器はコストを抑えて、おいしい水をたっぷり飲みたい方にぴったりです。水道水を使って浄水を作るため、日常的に使用しても家計の負担は大きくありません。カートリッジ代は必要ですが、浄水器を設置すればすぐに利用できます。
また浄水器は遊離残留塩素や臭いは除去しますが、水道水に含まれるミネラルはそのままなので、健康を意識する方にもおすすめです。ミネラルウォーターは、手軽に購入できるのが最大のメリット。継続的に飲む場合にはコストがかかりますが、種類によって異なる水の味わいを楽しめます。それぞれの特徴を理解し、自分に合った方を選びましょう。
浄水器の効果については、こちらの記事をご覧ください。
浄水ウォーターサーバーにはメリット・デメリットがある!
浄水型ウォーターサーバーは低コストで利用でき、生活や目的に合わせて冷水と温水を使い分けられる点がメリットです。おいしい水を飲むにはさまざまな方法がありますが、なんとなくミネラルウォーターを購入しているなら、浄水器の活用を検討してみましょう。
日本の水道水の水質基準は厳しく、安全性の高い水といわれています。浄水器を使えば水道水に含まれるミネラルを残し、不純物を除去できます。さらに1個の浄水器のフィルターを使用するだけで、ペットボトルを1800本の削減にも効果的です。
クリンスイでは浄水型ウォーターサーバー以外にも、取り付けが簡単な蛇口直結型や、冷蔵庫のポケットに収納できるポット型など、たくさんの浄水器を取り揃えています。ぜひ自分にぴったりの浄水器を探してみましょう。クリンスイの浄水器の詳細は、下記よりご覧いただけます。
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【参考文献】
※5 国立保健医療科学院|水道事業の流域連携の推進に伴う水供給システムにおける 生物障害対策の強化に関する研究
※6 日本水処理生物学会誌 第44巻 第 4 号 209-215 2008|水道水源ダムのかび臭発生とその原因生物の特定
※7 水道やはば|水質について
みずはかせ
1997年より三菱ケミカル愛知研究所でクリンスイ製品の開発・評価・研究開発に携わる。フォークリフト運転免許と華道正教授の免許を持つ。