毎日使うものだから、ノイズにならないようなデザインに。
クリンスイの蛇口直結型浄水器の中でも人気の「MONO」シリーズから、新しく「MD211」が発売された。「MD211」には浄水カートリッジの交換時期をお知らせする液晶タイマーと、約50%節水のシャワーを搭載。液晶タイマーは2週間ごとにカウント表示バーが1本ずつ減り、浄水カートリッジの交換目安である3か月後に全点滅するので、つい忘れてしまいがちな浄水カートリッジの交換時期を知らせてくれる。
今回は、この「MD211」のデザインに携わったプロダクトデザイナーの柴田文江さんのアトリエへ。すっきりと整えられて気持ちの良い、光が差し込む明るい空間で、「MD211」のデザインで意識したこと、込められた思いを聞いた。
「シンプルに美味しいお水が飲めるのがいいけれど、細い水道の蛇口に大きなものが付くと、それだけで違和感が出てしまうんです。だから、できるだけそうならないように」
そう話す柴田さん。違和感なく空間に馴染むということが、今回のデザインのカギになっているようだ。
「毎日使うものだから、できるだけノイズにならないように。そーっと、そーっとデザインするようなイメージ。おかしな言い方かもしれないけれど、積極的に『作っていこう』というよりは、できるだけ姿を消すようなデザインにしています」
「MD211」はほかの蛇口直結型浄水器と比べて、すっきりとしたデザインなのも特徴のひとつ。要素を最低限に削ぎ落としたデザインにこだわっている。
規定のサイズや大きなフィルター、液晶の形など変えられない部分を考慮しながらも、造形でいかにコンパクトに見せるかを追求したという。
「本当に地道な作業でした。ほかのシリーズで液晶がないものもありますが、やっぱりあった方が使いやすいという声は多い。液晶は四角くて裏に基盤もつける必要もあるし、円筒形のカートリッジと液晶が付く筒型部分をどう繋げるか、どう一体感を出すかが今回の課題でした」
水まわりで使うものなので、できるだけ汚れが溜まらないように凹凸を減らし、つるんとした柔らかな形に。一体感のあるスムーズな造形のおかげで、そういった機能面も叶った。
「フィルターが交換しやすかったり、液晶が見やすかったり。使い勝手の良さを考えながら、できるだけ尖った部分をなくし柔らかく繋いでいます」
これまでとサイズ感は変わらないのに、その存在感は控えめ、それでいて掃除のしやすさなど使い勝手の良さなど機能はアップした「MD211」。さりげなく暮らしに寄り添う蛇口直結型浄水器が完成した。
最新情報はクリンスイ水の編集部Instagramアカウントで @cleansui_knows
しばたふみえ
デザインスタジオエス 代表。エレクトロニクス商品から日用雑貨、医療機器、ホテルのトータルディレクションなど、国内外のメーカーとのプロジェクトを進行中。iF金賞、red dot design award(共にドイツ)、毎日デザイン賞、Gマーク金賞、アジアデザイン賞大賞・文化特別賞・金賞などの受賞歴がある。多摩美術大学教授、2018-2019年度グッドデザイン賞審査委員長を務める。著書『あるカタチの内側にある、もうひとつのカタチ』。