2024.03.22

eriさんと野村友里さんを迎え、
『水会議 vol.4 Water Dialogue』を配信。前編

photo / Norio Kidera
text / Hitomi Takano
edit / Akio Mitomi

改めて考える、私たちの身近な「水」のこと。

2024年3月22日、世界水の日に「Cleansui 水会議 vol.4 スピンオフ企画『Water Dialogue – 水から未来を考える – 』」が配信公開された。

ゲストファシリテーターにアクティビスト・eriさん、ゲストに「eatrip」主宰の料理家・野村友里さんを迎え、水やこれからの暮らし方、生き方から、環境にわたるまでお互いの考えを交わす貴重な時間となった。

「友里にとってお水ってどんな存在?」

eriさんのそんな問いから、2人の対話はスタートした。料理や食にまつわることを生業としている野村さんは、調理場に立つといつも考えることがあるという。

「調理にも洗い物にもいつもたくさん使わせてもらっているから、お水はなくてはならない、欠かせないもの。水を使う時はどうしても蛇口に注目するけれど、蛇口から出て排水溝に流れて、その先はどこに繋がっているんだろうと考えることは忘れないようにしないといけないなと、調理場に立つと思います」

対してeriさんも、今一度自分たちが地球から受けている恵みについて考えた時、一番身近な水についてもっと考えを巡らせていきたいと話す。

「私たちの暮らしで一番身近な水がどこから来てどこへ流れて、また戻ってきているのか、改めて考えたいですね」

ファッションと食。分野は違えど、ものづくりに携わるお2人。生産者や作り手を訪ねると、そこには必ず美しくおいしい水があり、水や自然、暮らし方などについて考えさせられると教えてくれた。

「農家さんのもとを訪ねると、そばには必ずおいしい水が湧く場所があって、その水源地に連れて行ってもらえる機会がよくあるんです。こんこんと湧き出ている水を見ると、『水って生きてるな』と。同時に『私は今まで死んでる水しか飲んでいなかったかも』と思って。湧水は、動物とか土とかが混ざり合って濾過されて湧き出ていて、いろいろなものを含んでいる可能性はあるんだけど、それは自分で想像できる範囲の水。そして常に動いていて、体感としても『生きている水を飲んでいる』って感じるんです。その湧水を見たら、絶対にそこで洗剤を使って洗おうと思わないし、油を流そうなんて思わない。以前、音楽家の友人と森に行ったとき『昨日雨が降ったから、今この木はすごい勢いで水を吸っていて、耳をつけるとゴーッと音が聴こえる。離れて見るとそれは水柱のようなんだ』と話してくれたのが記憶に残っていて。雨が降って土に沁み込んで、それを植物が吸い上げて、私たちに戻ってくる。すべて循環しているんだと」

そう野村さんは語る。

「私も和紙や染色など日本の伝統工芸が生まれた場所へ行くと、必ず美しい水がある。逆をいうと、美しい水があるからこそ文化が生まれているんだなって感じます。水と長年受け継がれている日本の伝統がセットになっていて、水があるから私たちが生かされているし、伝統が育まれているんだ。生きた水が溢れ出ていて、それを使って私たちが何かを作り出すことができている。始まりはいつもここなんだ、と強く感じます」とeriさん。

お互いの体験を振り返りながら、改めて、水とは? 環境とは? 自分たちが生きる地球に対する思いを交わした。

生きた水、循環する自然の営み、そこから生まれる文化、本来あるべき姿に触れれば触れるほど、「同時に、今すごい私たちはそこから遠いところにいると感じている」と話すeriさん。

「自分たちが地球の上にいて、ここに暮らしているという感覚をどう取り戻していくかというのが、私の最近のテーマです」

蛇口をひねると、当たり前のように流れる水。

「当たり前すぎることに怖さを覚えておかないといけないなと年々思う」と話すeriさんの言葉に、水だけでなく暮らしにまつわるさまざまな“当たり前”が、当たり前ではなく感謝すべきもので、今一度立ち返らなければならないと考えさせられた。


Cleansui 水会議 vol.4 スピンオフ企画

「Water Dialogue – 水から未来を考える – 」
eriさんと野村友里さんの対話をノーカットで配信中。


最新情報はクリンスイ水の編集部Instagramアカウントで @cleansui_knows

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のむらゆり

eatrip主宰・料理人。東京都生まれ。おもてなし教室を開いていた母の影響で料理の道へ。ケータリングフードの演出や料理教室、雑誌での連載やラジオ出演などに留まらず、イベント企画・プロデュース・キュレーションなど、食の可能性を多岐にわたって表現している。2012年、原宿にレストラン「eatrip」をオープン(現在はクローズ)。2019年、表参道GYRE内にグロサリーショップ「eatrip soil」をオープン。著書に『とびきりおいしい おうちごはん』(小学館)など。

eri(えり)

DEPT Company 代表。1983年NY生まれ東京育ち。2004年に自身のブランド「mother」を立ち上げ、2015年には父親が設立したヴィンテージショップ「DEPT」を再スタート。アパレル会社経営・プロダクトのデザイン・古着のバイイング / 販売を通して、繊維産業、地球の環境課題、気候危機に対してどうアプローチできるかを模索中。またアクティビストとしてあらゆる社会問題に関心を寄せ、またそれをどう市民が課題解決のためにアクションできるのかを考えシェアし、さまざまなプロジェクトを立ち上げ運営に携わっている。
<主なプロジェクト>
– 日本の CO2 削減目標 (NDC) の 62% 以上引き上げと原発石炭ゼロを求めたプロジェクト『Peaceful climate strike』
– 政治の問題をより身近に感じ、楽しく学べるプロジェクト『クイズ!この国の問題が問題』
– ファッションの在り方を生活者と共に考え学んでいくプロジェクト『HONEST CLOSET(オネストクローゼット)』
– 有志のメンバーと2021年の衆院選をきっかけに国政政党の政策を市民の質問によって比較するプロジェクト『みんなの未来を選ぶためのチェックリスト』など。
Instagram: @e_r_i_e_r_i

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