浄水器を使ってみたいと思っているものの、どんなものを選べば良いのか、そもそも浄水器にはどんなメリットがあるのか分からない方も多いのではないでしょうか。
浄水器を効果的に使うには、その効果を正しく理解し、ライフスタイルにあったものを選ぶことが大切です。今回はミネラルウォーターや水道水と比較した浄水の特徴、使い続けるメリット、効果的に使う方法をご紹介します。
INDEX
浄水器とは
浄水器とは、水道水に含まれる残留塩素やトリハロメタンなどの物質を除去・減少させるための器機です。家庭用浄水器においては活性炭やろ過膜により、カルキ臭やカビ臭、赤サビなどを取り除く働きを持っています。※1 つまり、水道水をろ過してより安全でおいしい水をつくるのが浄水器ということです。
日本の水道水はおいしく安全に飲める
水道水を飲むことに抵抗を感じる方もいるかもしれませんが、日本の水道水は世界と比べて厳しい水質基準が設けられており、おいしく安全に飲むことができます。
以下に、水質基準の国際比較の一部を示します。
【水銀含有量】※2
- 日本水質基準→0.0005mg/L
- WHO飲料水水質ガイドライン→0.001mg/L
- 米国EPA第一種飲料水基準→0.002mg/L(無機水銀として)
- EU基準→0.001mg/L
【塩素イオン含有量】
- 日本水質基準→200mg/L
- WHO飲料水水質ガイドライン→250mg/L
- 米国EPA第一種飲料水基準→250mg/L
- EU基準→250mg/L
国が定めた厳しい基準をクリアした水のみが使用されているため、日本の水道水は安全といえるのです。水道水の安全性やおいしさについて詳しく知りたい方は、下記の記事もチェックしてみてくださいね。
浄水器・アルカリイオン整水器・ミネラルウォーターの比較
飲み水として、浄水器のほかに整水器やミネラルウォーターを検討している方も多いでしょう。
ミネラルウォーターは、食品衛生法において水のみを原料とする清涼飲料水と規定されたものです。成分規格や製造基準を満たしたもののみが、市場に流通しています。原水の種類や製造過程での処理方法により、ナチュラルウォーター、ナチュラルミネラルウォーター、ミネラルウォーター、ボトルドウォーターの4種類に分類されます。※3
アルカリイオン整水器は、水道水に含まれる不純物を除去し、浄水を電気分解することで、アルカリイオン水を生成します。家庭用医療機器認証品は、胃腸症状の改善効果が認められています。※4
浄水器とアルカリイオン整水器、ミネラルウォーターの違いは以下の通りです。
浄水器 | アルカリイオン整水器 | ミネラルウォーター | |
---|---|---|---|
特徴 | 水道水に含まれる有害物質や臭いを除去・減少できる | アルカリイオン水を生成するため胃腸症状の改善が期待できる | 種類によって違いがある |
コスト | カートリッジ代が必要 | 本体代が高価 | 継続的にたくさん飲む場合はコストがかかる |
使いやすさ | 機器を取り付ければいつでも飲める | 取付工事が必要な場合もある、メンテナンスが必要 | 手軽に購入できる |
ミネラルウォーターは手軽に入手できる一方で水そのものを購入する必要があるため、都度費用や手間がかかります。アルカリイオン整水器は胃腸症状の改善が期待できますが、機器自体が浄水器よりも高価であり、設置やメンテナンスの費用がかかります。それぞれの特徴を踏まえ、自身に適した水を選択しましょう。
浄水器の効果
浄水器を使って水を飲むことにより、おいしさ面や環境面において良い効果が期待できます。
水道水をより美味しく飲める
浄水器には、カビ臭やカルキ臭を軽減し、水道水を美味しくする働きがあります。カビ臭の原因としては45%が2-MIB、29%がジェオスミンで、それらが発生する要因としては63%が自然に起こるものの約11%は人的に起こるとの報告があります。※5
また、原水中のアンモニアや、塩素消毒によって生じるトリクロラミンはカルキ臭の原因の1つといわれています。※6 加えて、水道管や貯水槽の汚染により独特の臭いが発生する可能性も否定できません。浄水器を使うことにより、活性炭やフィルターを通して臭いの原因となる微粒子まで取り除けるため、水道水をよりおいしく飲めるようになります。詳しくは以下の記事も参考にしてくださいね。
水道水をより安全に飲める
安全性の高い日本の水道水ですが、前述したようにカビ臭やカルキ臭の原因となる物質が含まれていることがあります。厳しい水質基準が設けられているものの、人によっては不安を感じてしまうでしょう。
また、ブロモジクロロメタンやトリクロロエチレンといった、有害性の疑いがあるとされている物質が微量に含まれていることも。浄水器はこれらの物質を除去できるため、より安全に水道水を飲めます。
クリンスイの浄水器なら、どのグレードでもカビ臭やカルキ臭を除去できます。より安全性にこだわりたい方は、浄水能力の高いものを選ぶと良いでしょう。
ミネラルをとれる
水道水にはカルシウムやマグネシウム、ナトリウムといったミネラルが含まれているため、蛇口から出る水道水を飲むことによってミネラルを摂取できます。国や地域によってミネラルの量は異なりますが、日本の水道水は国産のミネラルウォーターに負けず劣らずミネラルが含まれています。
「浄水器を使うとミネラルが減ってしまうのでは?」と考える方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。クリンスイの浄水器は、ミネラルをそのまま通しつつ雑菌や赤サビなどの不要なものを除去します。そのため、浄水器を通した水道水を飲むことにより、より安全においしくミネラルを補給できるのです。
水道水やミネラルウォーターに含まれるミネラルの量を詳しく知りたい方は、こちらもチェックしてみてください。
地域によってミネラル含有量が違う?!
先程も少し触れましたが、水道水に含まれるミネラルの量は地域によって異なります。
主なミネラル分であるカルシウムとマグネシウムの含有量を、炭酸カルシウム量に換算したものを「硬度」と呼びますが、水道水の硬度は原水の種類に大きく影響されます。
一般的には地下水の方が河川水などに比べ硬度は高くなる傾向があり、河川の流れが速く、地中での滞留時間や河川延長が短い日本では、欧米などと比べて硬度が低めです。※7 国内でも東日本は硬度が高く、西日本は硬度が低い傾向があるといわれています。※8 日本の水道水の平均硬度は約50~60mg/L程度と「軟水」に区分されることがほとんどですが、どの地域でも全く同じというわけではありません。
水の硬度の地域差について詳しく知りたい方は、こちらの記事も読んでみてくださいね。
低コストで使い続けられる
浄水器を使うと、低コストでおいしい水を飲み続けられます。
東京特別区部でのミネラルウォーターの価格は、2Lペットボトル1本あたり120円程度。※9 1Lあたりに換算すると約60円ということになります。一方浄水器は、浄水カートリッジや水道料金含め1Lあたり約2~10円のランニングコストがかかります。
コンビニや自動販売機で手軽に購入できるミネラルウォーターですが、毎日飲むのであれば浄水器の方がコストは低く抑えられるのです。
環境負荷を低減できる
浄水器を使うことは、小さな環境負荷で水資源を活用することにつながります。
日本は世界と比べて、1人あたりの使い捨てプラスチック容器包装の廃棄量が多く、毎年217億本ものペットボトルが消費されています。皆さんの中にも、毎日のようにペットボトル飲料を購入している方がいるのではないでしょうか。
実は、浄水器のフィルターを1つ使うと、ペットボトル1800本分のごみを削減できます。また、クリンスイが東京都市大学と行った LCA(ライフサイクルアセスメント)研究では、浄水器の使用はペットボトルと比較検証して約9割も温室効果ガスを削減することが明らかになりました。さまざまな過程で温室効果ガスを排出するペットボトルの消費を減らすことで、地球環境の保護につながるのです。
浄水器による環境への効果は、下記記事でも詳しく紹介しています。
クリンスイ浄水器の効果
クリンスイの浄水器には、水道水をさらに安全においしく飲むための秘密が隠されています。それぞれ詳しく見ていきましょう。
JIS S 3201 家庭用浄水器試験方法の除去対象17物質をすべて除去
浄水器を選ぶ際は、浄水能力が重要なポイントとなります。クリンスイの浄水器は、水道水に含まれる豊富なミネラルをそのまま残しつつ、JIS S 3201 家庭用浄水器試験方法に定められた除去対象17物質をしっかり除去できます。
【JIS S 3201 家庭用浄水器試験方法の除去対象17物質】
- 遊離残留塩素
- 濁り
- クロロホルム
- ブロモジクロロメタン
- ジブロモクロロメタン
- ブロモホルム
- テトラクロロエチレン
- トリクロロエチレン
- 総トリハロメタン
- CAT(農薬)
- 2-MIB(カビ臭)
- 溶解性鉛
- 1,2-DCE(シス-1,2-ジクロロエチレン及びトランス-1,2-ジクロロエチレン)
- ベンゼン
- 陰イオン界面活性剤
- フェノール類
- ジェオスミン
除去対象17物質の除去性能について詳しく知りたい方は、こちらもチェックしてみてください。
選ばれる理由。
https://brand.cleansui.com/about/reason
浄水器協会で定められた除去対象3物質をすべて除去
クリンスイの浄水器は、浄水器協会で定められた下記の除去対象3物質も除去できます。
【浄水器協会で定められた除去対象3物質】
- 鉄(微粒子状)
- アルミニウム(中性)
- PFOS及びPFOA
家庭用浄水器試験方法の除去対象17物質も含め、水道水質基準はミネラルウォーター類に定められた品質基準19項目をすべて網羅しているため、より安心して使えます。
クリンスイ浄水器の浄水性能を詳しく知りたい方は、下記リンクも参考にしてくださいね。
選ばれる理由。
https://brand.cleansui.com/about/reason
中空糸膜フィルターとは
クリンスイの浄水器には、独自の技術を応用した中空糸膜フィルターが備えられています。コーヒーフィルターのように、孔より大きい粒子だけを取り除き水をきれいにしていきます。
小さな孔が開いた中空糸膜フィルターを水道水が通過すると、雑菌や赤サビといった孔より大きな不要なものが除去されます。一方で、水中のミネラル成分は孔より小さいため、フィルターに引っかかりません。このような仕組みで、水道水に含まれているミネラルを残しつつ不要なものだけを除去します。
なお、クリンスイの浄水フィルターは、中空糸膜フィルターのほか活性炭も用いています。2つのフィルターの違いについては、こちらの記事で確認してくださいね。
PFAS(ピーファス)の除去
クリンスイの浄水器は、有機フッ素化合物であるPFAS(ピーファス)を除去することも可能です。
4,700種以上存在するPFAS(ピーファス)は、自然環境や人への影響が懸念されており、国際条約において廃絶や使用制限の動きがみられます。特に問題視されているのが、熱に強い性質を持つPFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)とPFOA(ペルフルオロオクタン酸)で、近年一部地域の水道水や河川水で基準値を超える量が検出されています。
そんなPFOA及びPFOSに対し、浄水器協会で定められた方法で試験を実施したところ、多数の浄水カートリッジでPFOSとPFOAを80%以上除去できることを確認しました。除去対象17+3物質に加えPFAS(ピーファス)を除去できるため、より安全な水といえるでしょう。
PFOSとPFOAの除去性能や対象となる浄水カートリッジは、下記記事で紹介しています。気になる方はぜひチェックしてみましょう。
浄水器を効果的に選ぶ方法
浄水器にはさまざまな種類があるため、求める安全性やおいしさ、ライフスタイルにあったものを選びましょう。浄水器を選ぶときのポイントを詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
目的にあったタイプを選ぶ
浄水器はメーカーによってフィルターの種類が異なり除去できる物質が異なるため、求める安全性や除去性能を満たすものを選びましょう。料理や赤ちゃんのミルク、ペット用の水など、飲み水以外での用途でもご利用いただけます。
また、浄水器の中にはシャワーで使えるものもあります。どのような用途で浄水器を使いたいか、まずは目的を明確化させましょう。まだ具体的に決まっていないという方は、下記リンクから自分にあったクリンスイ製品を見つけてくださいね。
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ライフスタイルにあったタイプを選ぶ
浄水器には、蛇口タイプ、ポットタイプ、ビルトインタイプなどさまざまな種類があります。それぞれにメリットがあるため、1人暮らしなのか家族と同居なのか、マンションなのか戸建てなのかなど、住環境やライフスタイルにあったものを選びましょう。
自分のライフスタイルにあった製品が分からない方は、下記リンクから簡単な質問に答えてみましょう。
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浄水器を効果的に使う方法
浄水器を効果的に使うためには、下記2点に留意しましょう。
定期的にフィルターを交換する
浄水器のフィルターには寿命があり、同じものをずっと使い続けられるわけではありません。使用水量や水質、製品などによって寿命は異なりますが、たとえばポットタイプで1日約2L使用する場合は約3か月が目安となります。
一定期間を過ぎると除去効果が失われるだけでなく、除去効果が徐々に減少したり故障の原因になったりすることがあるため、説明書などに従い定期的にフィルターを交換しましょう。
フィルターの寿命の目安を詳しく知りたい方は、こちらも参考にしてくださいね。
浄水後の水は早めに飲みきる
浄水後の水は塩素が除去されているため殺菌力がありません。雑菌が繁殖する可能性があるため、浄水後の水をくみ置きして使うことは避け、早めに飲み切りましょう。
浄水器の効果でより安全に美味しく水を飲もう!
日本の水道水には厳しい基準が設けられており、そのままでも安全に美味しく飲めますが、健康や環境面への影響が気になるのであれば浄水器の活用がおすすめです。浄水器を通した水を飲むことで、より低コストでミネラルを補給できるとともに、環境負担の低減にもつながります。自身のライフスタイルや目的にあった製品を選び、効果的に浄水器を使いましょう。
クリンスイの浄水器には独自の技術を応用した中空糸膜フィルターが使われており、臭いの原因物質や健康への影響が懸念される物質をしっかり除去できます。蛇口タイプやポットタイプなどさまざまな種類を用意していますので、ぜひ下記リンクから自身にぴったりの製品を探してみましょう。
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関連商品
【参考文献】
※1 一般社団法人|浄水器とは
※3 神奈川県衛生研究所|ミネラルウォーター類の基準改正について
※4 アルカリイオン整水器協議会|アルカリイオン整水器について
※5 国立保健医療科学院|水道事業の流域連携の推進に伴う水供給システムにおける 生物障害対策の強化に関する研究
※7 東京都水道局|水の硬度
みずはかせ
1997年より三菱ケミカル愛知研究所でクリンスイ製品の開発・評価・研究開発に携わる。フォークリフト運転免許と華道正教授の免許を持つ。