「ダイエットには水を飲むといい」という話はよく耳にしますが、具体的にどのような健康への影響があるのかをご存じない方が多いのではないでしょうか。また味わいのない水を飲むのが苦手な方もいるかと思いますが、お茶やレモン水、炭酸水などでも同様の影響があるのか気になるところです。
今回は水を飲むことがダイエットのおすすめの理由、ダイエット中におすすめの飲み物、正しい水分補給などについて解説します。
INDEX
水を飲むことはなぜダイエットにおすすめなの?
「水を飲むことはダイエットにいい」といわれますが、具体的にどのような影響があるのでしょうか。水を飲むことがダイエットにおすすめな理由としては、次の3つがあげられます。
健康状態を保ってくれるから
人の体は約60%が水分でできています。この水分のうち、約5%を失っただけでも脱水症状や熱中症などが現れ始め、約20%を失うと命の危険があるといわれています。しかし尿や汗、呼吸・皮膚からの蒸発などによって1日約2.5リットルの水分が体外に排出されるため、その分を補給しなければ健康な体を維持できません。つまり、水を飲むことは生命維持において必要不可欠なのです。※1
人の体に水が不可欠である具体的な理由については、次の記事でも解説しています。
また、体重を減らすには1日の身体活動に必要な消費エネルギー量が摂取エネルギー量を上回っている必要があります。消費エネルギーは、大きく分けて「基礎代謝量(約60%)」「食事誘発性熱産生(約10%)」「身体活動量(約30%)」で構成されていますが、基礎代謝量はすぐに変化しないため、ダイエットには身体活動量を増やすのが近道です。※2
運動を習慣化したり家事や畑仕事などの生活活動を増やしたりするのが効果的ですが、そのためには体が健康でなくてはなりません。つまり、水を飲んで健康な体を保つことは、ダイエットにおいても重要なのです。
老廃物を運んでくれるから
体内の水は老廃物を血液に溶かして、体外に排出させる役割を持っています。血液に溶けた老廃物は腎臓に運ばれ、ろ過して「尿」として排出することで、血液成分の濃度を一定に保っているのです。※3
体内での水の働きについては、こちらの記事でも解説しています。
また女性や座り仕事の多い方が抱えやすい「むくみ」の主な原因は、血流の悪さにあるといわれています。血流が悪いと下半身に送られた血液の戻りも悪くなり、静脈血が溜まってむくみになるというメカニズムです。※4 十分に水分を摂り、老廃物の排出を促して血流をよくすると、むくみを防止して下半身をすっきり見せられるでしょう。
むくみを改善したい方におすすめの飲み物は、こちらの記事で紹介しています。
便を促してくれるから
水分には、便を柔らかくして排便をスムーズにする役割があります。※5 便の約70~80%は水分で構成されており、摂取する水分量が減ると、便が硬くなって便秘になりやすくなるのです。※6
またダイエット中に食事量を制限すると、食物繊維の摂取量が減ったり胃や腸への刺激が減ったりするため、便秘になりやすい傾向があります。ダイエット中こそ適度な水分摂取を心がけると、便秘が原因のぽっこりお腹のお悩みが解消するかもしれませんね。
ダイエットにおすすめの水は?
それでは、ダイエット中にはどのような方法で水分を摂ればいいのでしょうか。
ダイエット中には、便通改善に働くと考えられているマグネシウムが含まれた水がおすすめです。マグネシウムは血糖コントロールや血圧調整、たんぱく質合成といったさまざまな生体反応を抑える酵素を補佐するミネラルであり、「酸化マグネシウム」として便秘薬にも配合されています。※7 ただし過剰摂取による腹痛や下痢、長期服用による意識障害や血圧低下といった副作用があるため、摂取量には注意が必要です。※8
マグネシウムを含む水としては、ミネラルウォーターや水道水があげられます。ミネラルウォーターの方がミネラル含有量が豊富なイメージがあるかもしれませんが、水道水の原水はミネラルウォーターと同じなので、水道水にもマグネシウムやカルシウムといったミネラル成分が含まれているのです。
またできるだけ安全な水を口にしたい方にも、水道水がおすすめです。日本の水道水は飲み水としての安全性を担保するため、ミネラルウォーターの規格基準よりも厳しい水質基準が設けられています。※9 水道事業者に対してこの水質基準に基づいた定期的な検査を義務付けており、良質な水質を保っているのです。
水道水を飲むメリットや水の硬度については、こちらの記事を参考にしてください。
水道水の正しい飲み方
水道水は、基本的に「飲みたいときに」「飲みたい量を」飲んで問題ありませんが、より効果的に水分摂取したい場合には、温度と量を調整することが大切です。冷たい水を大量に飲むと体に負担がかかりますので、常温の水をこまめに飲むよう心がけましょう。
また「喉が乾いた」と感じたときには、すでに体内の水分が不足しているサインです。就寝前や入浴前後など、喉が乾きやすいタイミングで早めの水分摂取を意識するといいでしょう。
詳しくは、こちらの記事で解説しています。
水道水に含まれるトリハロメタンが気になる場合は、水道水を煮沸する方法が有効です。10~15分ほどを目安に煮沸してください。より手軽に水道水を飲みたい方は、浄水器を使ってもいいでしょう。トリハロメタンはもちろん、サビやアルミニウムなどの物質も除去しつつ、水本来の味わいを楽しめます。
水道水をより美味しく飲む方法について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
ダイエットにおすすめの水以外の水分補給は
水道水をそのまま飲む以外にも、美味しく手軽に水分補給する方法はいくつかあげられます。ここでは、ダイエットにおすすめの水分補給を5つ紹介します。
白湯
白湯は、一度沸騰させたお湯を飲みやすい温度まで冷ましたものです。糖質や脂質などエネルギー(以下カロリー)になる成分を含んでいないため、ダイエットに最適な飲み物のひとつといえるでしょう。
また白湯を飲むことで体が温められるため、ダイエットに大敵である冷えの予防も期待できます。白湯を飲むことそのものがダイエットになるわけではありませんが、水と同様に老廃物の排出促進や水分不足が原因で起こるむくみの改善につながり、体をすっきり見せてくれる可能性があります。
白湯の作り方や飲み方については、こちらの記事をご覧ください。
麦茶
夏の飲み物として人気のある麦茶も、糖質や脂質などカロリーになる成分が含まれておらず、ダイエットにおすすめの飲み物です。さらにカフェインが含まれていないため、妊娠中の方や子どもでも飲みやすい点も麦茶の魅力といえるでしょう。
また、麦茶には抗酸化作用や抗炎症作用、胃の粘膜を保護する作用、糖尿病の予防作用などがあることも明らかになっています。※10 さらに、香ばしい麦の香りが心身をリフレッシュしてくれる作用も期待できるため、就寝前や起床時の飲み物としても最適です。
麦茶に期待される効能については、こちらの記事でも解説しています。
炭酸水
炭酸水とは、炭酸ガス(二酸化炭素)を圧入させた水のことです。炭酸ガス自体にはカロリーがないため、水と炭酸ガスだけで作った炭酸水にはカロリーがなく、ダイエット向きの飲料といえるでしょう。
ただし、市販されている炭酸飲料には果汁や甘味料などが添加されているものがあります。たとえば市販のサイダーは、100g当たり41kcalとカロリーが発生します。※11 このようにカロリー源が添加されている炭酸飲料を飲みすぎると肥満につながる可能性があるため、注意が必要です。
レモン水
レモン水は、水にレモン果汁を絞った飲み物です。果汁にはカロリーが含まれますが、レモン果汁5g(約小さじ1杯分)のカロリーは約1kcalですので、ダイエット中でも飲みやすい飲料といえるでしょう。※12
また、レモンには抗酸化作用の強いビタミンC(アスコルビン酸)が含まれています。ビタミンCは活性酸素の働きを抑制するため、老化予防や免疫予防などの期待が可能です。※13
レモン水の働きについては、こちらの記事をご覧ください。
煎茶
煎茶に含まれるカロリーは、湯のみ1杯あたり(およそ煎茶5gあたり)3kcal程度です。※14 ゼロカロリーではありませんが、ごく少量ですのでダイエット中におすすめの飲み物といえます。
また煎茶以外の日本茶も、同様にごく少量のカロリーしか含まれません。たとえば抹茶や玉露の湯のみ1杯あたり(およそ5gあたり)のカロリーは約12kcalですので、ダイエット中でも気軽に飲める飲み物といえるでしょう。※15 ※16
水は一日に2L飲む必要があるの?
よく「ダイエットや健康のためには1日2リットル以上の水を飲んだほうがいい」といった話を耳にしますが、飲み水として1日2リットル以上も摂取する必要はありません。
人が生命活動を維持するために必要な水分は1日に約2.5リットルとされていますが、その内の約半分は食事や体内生成によって補給されます。そのため、飲み水としての摂取目安量は1日約1.2リットルとされているのです。※1
水はいっぱい飲めば良いの?
ダイエットや健康のためには、できるだけたくさん水を飲んだほうがいいというイメージを持っている方も多いでしょう。しかし過剰な水分摂取は「多飲症」や「水中毒」を引き起こし、心身異常を引き起こす可能性があります。特に水中毒では死亡事故も報告されており、短時間で大量の水を飲むのは命の危険があることを理解しておかなければなりません。
また適度な水分摂取は血流の改善につながりますが、過剰な水分はむくみの原因になる可能性があります。血管内の水分量が増えすぎて、細胞内の水分排出がスムーズにいかず、むくみになってしまうのです。※17
むくみを予防して健康的にダイエットするためにも、1日約1.2リットルを目安として、こまめな水分補給を心がけるといいでしょう。
むくみと水分の関係については、こちらの記事をご覧ください。
健康に痩せるため必要なこと
ダイエットにおいて適度な水分補給は重要ですが、もちろん水を飲んでいるだけで健康的に痩せることはできません。
前述の通りダイエットの基本は、1日の消費エネルギーが摂取エネルギーを上回ることです。体格によって異なりますが、だいたい基礎代謝で消費されるエネルギー量は、成人男性で約1,500kcal、女性で約1,150kcalですので、1日の摂取エネルギーを計算して、コントロールすると効果的でしょう。※18
とはいえ、極端な食事制限をしたり、特定の食品のみを摂取したりするようなダイエットは、体の健康を損ねてしまいます。健康の基本であるバランスの良い食事や十分な睡眠、適度な運動を取り入れた上でカロリーコントロールを行うことが、健康的なダイエットの秘訣といえるでしょう。※18
水道水を活用して、水ダイエットをしよう!
健康的なダイエットには、十分な水分補給が欠かせません。便秘やむくみなどを予防するためにも、適量の水分補給を心がけると、食事制限や運動の効果がより高まるでしょう。
また、ミネラルウォーターのほうが健康的なイメージがあるかもしれませんが、ダイエットの水分補給には水道水がおすすめです。水道水にはミネラルウォーターにも負けず劣らずのミネラル成分が含まれているだけでなく、厳しい水質基準によって安全性が担保されています。
さらに、蛇口直結型浄水器を活用すると毎日の飲み物をミネラルウォーターから水道水に変えるだけで、500mlのペットボトル1800本分ものごみが削減されるため、環境保護にもつながるのです。
より美味しい水を手軽に味わいたいなら、浄水器を活用するといいでしょう。クリンスイでは、蛇口直結型やポット型など、さまざまなタイプの浄水器を取り扱っています。自分のライフスタイルにぴったりな浄水器を選べますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
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【参考文献】
※1 健康のため水を飲もう講座
※2 厚生労働省|e-ヘルスネット|身体活動とエネルギー代謝
※7 厚生労働省eJIM | マグネシウム[サプリメント・ビタミン・ミネラル – 医療者]
※11 し好飲料類/<その他>/(炭酸飲料類)/サイダー – 01.一般成分表-無機質-ビタミン類
※12 果実類/(かんきつ類)/レモン/果汁/生 – 01.一般成分表-無機質-ビタミン類
※15 し好飲料類/<茶類>/(緑茶類)/抹茶/茶 – 01.一般成分表-無機質-ビタミン類
※16し好飲料類/<茶類>/(緑茶類)/玉露/茶 – 01.一般成分表-無機質-ビタミン類
【監修者】 合田 麻梨恵
管理栄養士・和食ライフスタイリスト
一般社団法人日本和食ライフスタイリスト協会理事代表。初めての海外訪問時に日本との素材の違いに驚愕し”和食の魅力”に目覚める。「和文化継承と予防医学発展を」をテーマに企業・自治体の健康経営支援やイベント企画、予防医学×食の専門家”和食ライフスタイリスト”養成、メディア出演、監修など多数。