2023.12.27

「むくみが気になる…」そんなときの飲み物

朝起きた時に顔や手足がむくんでいる場合、どのような対処方法が良いのでしょうか。むくみが出ると体が重く感じるだけでなく、見た目への影響も大きいためすぐにできる対策を知っておきたい方は多いでしょう。

今回は、むくみの主な原因とむくみが気になる時におすすめの飲み物を紹介します。


INDEX

なぜ、むくみは起こるの?

まずは、むくみが起こる原因について詳しく解説していきましょう。

日常

日常的なむくみの原因としては、次の2つがあげられます。

血行の悪循環

1つ目に、生活習慣や姿勢による血行障害が考えられます。血液は静脈とリンパ管を通って心臓にも戻りますが、血液やリンパ管の循環が悪いと静脈血が溜まってしまい、むくみにつながるのです。※1

血行やリンパ流が悪くなる原因としては、筋力の低下があげられます。特にふくらはぎの筋肉は足に流れた血液を心臓に戻すポンプのような役割を担っており、ふくらはぎの筋肉が衰えるとむくみやすくなるのです。運動不足や長時間のデスクワーク、立ち仕事などでふくらはぎを動かす機会が減ると、ポンプ機能の衰えにつながります。※1

ほかにも、体の冷えやストレス、デスクワークなどで長時間同じ姿勢を取り続けることも血行障害の原因です。※2 エアコンのきいた部屋ではカーディガンやひざ掛けなどを使用して体を冷やさないようにする、休憩時間にストレッチをして適度に体を動かすなどの工夫を取り入れるといいでしょう。

過剰摂取

水分や塩分、アルコールなどの過剰摂取もむくみの原因です。※2

水分摂取は生命維持において必要なことですが、過剰に水分を摂ると血管内の水分量が増えるため、細胞内の水分排出がスムーズに進まず、むくみやすくなります。※3 また、塩分を摂り過ぎると喉が渇いて水分を大量に飲んでしまうため、やはりむくみにつながります。塩分摂取によるリスクや対策については、こちらの記事をご覧ください。

塩分を摂りすぎた時の飲み物とは?

また、アルコール類を過剰摂取すると、血液中のアルコール濃度が高くなり、血管が拡張して静脈やリンパでの水分処理が追いつかなくなるため、むくみにつながります。※4 食べ過ぎや飲み過ぎを避けて、バランスの良い食事を心がけることが大切です。

生理前

女性特有の原因として、月経前症候群(premenstrual syndrome : PMS)の症状としてむくみが起こることがあります。※5

PMSとは、月経前の3~10日程度の期間に現れる身体的・精神的症状で、月経の開始とともに症状が消失または軽減するのが特徴です。症状が引き起こされる具体的なメカニズムはわかっていませんが、排卵から月経にかけての女性ホルモンの動きの変化が関わっているとされています。

精神的な症状としては情緒不安定や不安感、眠気、集中力の低下などがあり、身体的症状としては腹痛、頭痛、腰痛、そしてむくみなどがあげられます。

PMSは生活習慣の改善や投薬による治療が可能です。PMSが原因のむくみであれば、これらの対処によって改善する可能性が高いでしょう。

妊娠中

妊娠中は、足がむくみやすくなります。妊娠すると血液量が増加し、肥大した子宮が下半身にある太い血管を圧迫するため、足から心臓への血液の戻りが悪くなって、足に血液が溜まりやすくなるのです。足に血液が溜まると、血液中の水分が血管外へとにじみ出し、むくみを引き起こします。

このように、妊娠中のむくみは生理的なものであり、出産後にはもとに戻るケースがほとんどです。そのため基本的には投薬による治療は行わず、マッサージやストレッチといった緩和策によって対処します。

ただし、足や顔を指で押すと陥没して戻らないほどむくみがあり、体重が500g/週間以上増加した場合や、むくみが全身に及ぶほど重度である場合、妊娠高血圧症状群の前駆症状である可能性があります。※6 症状が重くなると入院等の措置が必要になりますので、異変を感じたら早めに医師へ相談しましょう。

病気

これまで紹介した一過性のむくみのほか、背後に病気が隠れているケースもあります。

むくみが出た場合、最初に疑われる病気としては腎不全やネフローゼ症候群など腎臓関連です。腎臓に異常があると、まぶたが腫れぼったくなるなど顔にむくみが現れることが多くなります。

また、橋本病(慢性甲状腺炎)では、甲状腺の腫れや圧迫感、全身のむくみといった症状が見られます。このほかにも、心不全や肝硬変、リンパ浮腫、ステロイドやホルモン剤といった薬剤の影響でむくみが出るケースがあります。

このように、さまざまな病因が考えられますので、慢性的なむくみがある場合には放置せず、早めに受診することが大切です。


むくみが気になるときの飲み物7選

むくみを改善したいなら、カリウムが含まれる飲み物がおすすめです。カリウムは、私たちの生命維持に必要なミネラル分の一種で、細胞内の浸透圧を調整して一定に保つ働きがあります。取り過ぎた塩分(ナトリウム)を体外に排出してくれるため、むくみの予防が期待できると考えられているのです。※7

カリウムを大量に摂取したとしても、体内の調節機能が働くため、基本的にはカリウムの過剰摂取は少ないといわれています。※7 むくみ予防としてカリウムが含まれる飲み物を積極的に取り入れるといいでしょう。

ここでは、カリウムが含まれる代表的な飲み物を紹介します。

地域によって成分は異なりますが、天然の水を原料としている水道水にもカリウムが含まれています。※8

体重60kgの成人男性の場合、1日1.2Lの水分補給が必要です。特に汗をかきやすい起床時と入浴前後にそれぞれコップ1杯の水を飲み、1日を通して1.2Lの水分摂取を心がけましょう。※9

水は糖分や脂質を含んでおらず、肥満が気になる人でも摂取しやすい点がメリットです。※8こちらの記事では、飲み物の選び方や飲み方について解説していますので、あわせてご覧ください。

また日本の水道水は世界でも厳しい水質基準を設けられており、安心して口にできる飲み物です。水道水の安全性については、こちらの記事で解説しています。

野菜ジュース

カリウムは、野菜に多く含まれています。たとえば、ほうれん草や小松菜などの葉物野菜、かぼちゃ、セロリ、アボカド、スイートコーンなどはカリウムが豊富な食材です。※10,11

これらの食材が含まれた野菜ジュースを取り入れると、カリウムを手軽に摂取できます。ただし市販の野菜ジュースには糖質を多く含んでいることがあるため、カロリーを気にしている方は注意しましょう。

フルーツジュース

野菜だけでなく、果物にもカリウムを多く含んだ食材が豊富です。バナナやマンゴー、いちじく、ふどう、ブルーベリー、バナナなどはカリウムを多く含んでいます。※10,11

野菜と同様に、これらの果物が含まれたフルーツジュースを選ぶと、カリウムを効率的に摂取できるでしょう。ただし、フルーツジュースは果糖を含んでいるため、野菜ジュース以上に糖質量には注意が必要です。

黒豆茶

黒豆茶の原料である黒大豆はミネラル分を含む食材で、大さじ1杯(約15g)あたり270mgものカリウムを含んでいる点が特徴です。※11

また黒豆茶はノンカフェインのお茶のため、日頃の水分補給にも適しています。脂質や糖質も含まれておらず、妊娠中の方やダイエット中の方でも安心して飲める飲み物といえるでしょう。

麦茶

麦茶は焙煎した大麦やはだか麦などが原料で、黒豆茶と同様にノンカフェインで脂質や糖質も含まれていません。そのため赤ちゃんからお年寄りまで、年代を問わず楽しめる飲み物です。

また、麦茶特有の深みのある香りは快適感をもたらし、体を覚醒させつつ気持ちをリラックスさせる作用があるといわれています。※12 詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

体にいい飲み物とは?水の役割と水以外の飲み物

日本茶

日本茶はカリウムの含有量が多いです。なかでも玉露が非常に多く、煎茶・抹茶にも含まれています。※11 茶葉の量や抽出時間によってカリウム含有量にはバラつきがありますが、抽出時間を長くするとカリウムも多く抽出されやすくなります。

ただし、日本茶にはカフェインも多く含まれます。日常的な水分摂取ではなく、休憩時などの嗜好品として適量飲むのがおすすめです。

コーヒー

コーヒーもカリウムを豊富に含む飲み物のひとつです。豆から抽出したレギュラーコーヒーが最もカリウムを多く含みますが、缶コーヒーやインスタントコーヒーにも含まれています。※11

ただしお茶と同様にカフェイン量も多いため、飲みすぎには注意が必要です。水分摂取として過剰に飲むのは避け、適量を楽しむよう心がけてください。


むくみにおすすめの飲み物は原因によってわけよう

むくみには、血行不良や塩分等の過剰摂取といった日常的な原因のほか、月経前症候群や妊娠、隠れた病気など複数の原因が考えられます。日頃の食習慣によるむくみを防止したいなら、カリウムを豊富に含む飲み物がおすすめです。

最も手軽な飲み物としては水があげられますが、環境に配慮するのであれば自宅の水道水がいいでしょう。ペットボトルの水を購入する場合と比べて、9割以上の温室効果ガス(CO2 等)削減が期待できます。

もし飲料を工夫してみてもむくみが長く続くような場合には、まずは、医師に相談してむくみの原因を診断してもらうことも大切です。

また、水の美味しさや安全性にこだわりたい方には、浄水器がおすすめです。あまり知られていませんが、実は水道水のほうがミネラルウォーターよりも水質基準が厳しく、ミネラルが豊富に含まれています。「浄水器」を利用すると、残留塩素やカルキ臭も除去できたりより安心な水を飲めるのです。クリンスイでは、取り付けがいらないポット型浄水器、取り付けが手軽な蛇口直結型や大容量の据置型、ビルトイン型など、ラインナップが多数あります。ご自宅にあった浄水器の選び方も解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。

クリンスイの製品
https://brand.cleansui.com/products


関連商品

参考

※1 全国健康保険協会|4月 足元スッキリ、むくみ対策!

※2 公益財団法人三重県健康管理事業センター|健康一口メモ〜不快な症状 むくみって?〜

※3 大阪織物商健康保険組合|むくみを解消してスッキリと!

※4 徳島県医師会|酒による顔のむくみ

※5 公益財団法人日本産科婦人科学会|月経前症候群(premenstrual syndrome : PMS)

※6 働く女性の心とからだの応援サイト|妊娠出産・母性健康管理サポート|妊娠浮腫

※7 厚生労働省|e-ヘルスネット|カリウム

※8 倉敷市|【ミネラルウォーター】水道水より体に良いの?ミネラルが豊富?

※9 厚生労働省|健康のため水を飲もう講座

※10 厚生労働省|e-ヘルスネット|高血圧

※11 文部科学省|日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

※12 科学と技術の研究 第10号 2021年11月1日|嗜好飲料として注目されている麦茶の成分と機能

【監修者】 谷口英喜(たにぐちひでき)

社会福祉法人恩賜財団済生会横浜市東部病院患者支援センタ一長
1991年福島県立医科大学医学部卒業後、横浜市立大学附属病院麻酔科で勤務。その後、神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部栄養学科教綬を経て、2016年より現職。脱水症・かくれ脱水の専門家としてテレビ・ラジオ番組等に多数出演。

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