2023.10.27

アルカリイオン水とは?
効果と正しい飲み方を知ろう

アルカリイオン水とは、飲用目的の機能水として医療効能が認められている水です。胃腸症状の改善に効果が期待できるほか、料理や飲みものにも使えます。

アルカリイオン水はpH値によって適した用途が異なるため、上手に使い分けると良いでしょう。本記事ではアルカリイオン水の概要を解説します。


アルカリイオン水とは?

アルカリイオン水とは水を電気分解してアルカリ性にした水のことで、体にも嬉しい効果があります。水を電気分解して水素を発生させる装置は「アルカリイオン整水器」または 「還元水素水生成器」「イオン水生成器」 として販売されています。

アルカリイオン水((電解還元水、電解水素水))の特徴は下記のとおりです。

胃腸症状が改善する効果がある

アルカリイオン水は飲用目的の機能水として、医療効能が認められている水です。例えばアルカリイオン水を飲用することで、慢性下痢、便秘、消化不良、胃腸内異常発酵、制酸、胃酸過多などの胃腸症状に効果があるとされています。

過去には、アルカリイオン水の効果が疑問視された時期がありました。しかし科学的な検証の結果、現在ではその有効性・安全性が認められています。

pH値が9~10程度のもの

医療効能が認められているアルカリイオン水は、pH値が9〜10程度の水です。

pH値とはアルカリ性や酸性の度合いを示す指標で、0〜14で示されます。pH7付近が中性で、pH14に近いほどアルカリ性が強く、pH0に近いほど酸性が強くなります。

アルカリイオン水はpH値によって用途が異なるため、pH値に合った使い方をすると効果的です。例えば、pH4〜6程度の水は酸性水と呼ばれます。洗浄や洗顔に使えます(※)が、アルカリイオン水のように飲料水としては使えません。

※肌の弱い方やアレルギー体質の方は、酸性イオン水を使用する前に医師に相談してください。酸性イオン水を使用して肌に異常を感じたときは、速やかに使用を中止して医師に相談してください。

アルカリイオン整水器で作られる

アルカリイオン水は、アルカリイオン整水器で作られます。

アルカリイオン整水器とは浄水した水を電気分解し、飲用のアルカリイオン水を作る機器のことです。厚生労働省から管理医療機器として承認を受けて、市販されています。

アルカリイオン整水器は種類が多く、蛇口に取り付け水道水をろ過して使うタイプや、流し台の下に設置する「アンダーシンク型」などがあります。

ただし価格や大きさ、細かな性能はメーカーによって異なるため、自分に合った整水器を選びましょう。


アルカリイオン水は他の水と何が違うの?

アルカリイオン水とミネラルウォーターや浄水との違いは、「医療効果の有無」です。医療効果があるのは、アルカリイオン水のみです。

また、作り方も異なります。アルカリイオン水は、アルカリイオン水は日本産業規格(JIS)に定められたアルカリイオン整水器を使って、水を電気分解して作られます。一方、ミネラルウォーターは天然水などを処理したもの、浄水は水道水などをろ過したものです。

加えてアルカリイオン水は、他の水とは異なり飲む量にも注意が必要です。どのような飲み方をすれば良いかは、次の章でご紹介します。


アルカリイオン水を飲むときの注意点

アルカリイオン水は普通の水とは異なるため、飲むときには注意が必要です。飲む量や使い方によっては、体に負担となってしまいます。以下の点に気を付けましょう。

pH値の低いものから少しずつ飲む

アルカリイオン水を初めて飲む場合は、いきなり大量に飲むのではなく、pH値の低いものを少量から飲むようにします。体調によっては、pH値の高いものが合わない可能性があるためです。最初は、pH8.5程度のものを、コップ1〜2杯程度から飲むのがおすすめです。

飲み始めて2週間ほど経ち、飲み慣れてきたら、体調や体質に合わせてアルカリイオン水のpH値や飲む量を調整しても良いでしょう。もしアルカリイオン水を飲んで体調が優れないときは、医師に相談してください。

1日500ml~1Lまでにする

アルカリイオン水は、たくさん飲めば効果が出るものではありません。1日あたり500ml〜1L程度が適量だと言われています。飲み慣れてきたからといって、大量に飲むのはやめましょう。

また、アルカリイオン水は、可能であれば作ってすぐ飲むようにします。冷蔵庫で保管する場合でも、長くて2日以内に飲み切ってください。

薬を飲むときや赤ちゃんのミルク作りには使わない

薬を飲むときは、アルカリイオン水を使わないようにします。アルカリイオン水で薬を飲んだときの影響については確認されていないため、控えるのが無難です。

同様に、赤ちゃんのミルク作りにもアルカリイオン水は避けましょう。赤ちゃん用のミルクは、ミネラルなどの栄養分が調整してあります。しかしアルカリイオン水もミネラル分が増えているため、ミルク作りにはアルカリイオン水以外の水が向いています。ミルク作りには浄水がおすすめです。

pH値が高すぎるものは飲まない

pH10以上のものを「強アルカリイオン水」と呼びますが、飲料水としては使えません。

安全性の観点から、pH10以上のアルカリイオン水は飲まないように定められているためです。

おおむね貯留10日以内の水道水であれば、浄水器でろ過することで安全でおいしい浄水として飲めるようになります。浄水器があれば、いざというときでも飲み水を確保しやすくなるでしょう。


そのまま飲む以外にも!アルカリイオン水の使い道

アルカリイオン水は飲用することで胃腸症状の改善効果が期待できますが、強度によってはそのまま飲む以外の使い道もあります。それぞれの強度の特徴を知って、上手に使い分けましょう。

野菜を茹でたりアク抜きをしたりする

先ほどお伝えしたとおり、pH9.5〜10.5のアルカリイオン水は強アルカリイオン水と区分されます。この濃度のアルカリイオン水は野菜を茹でるときや、アク抜きに便利です。

例えば、ゴボウのアク抜きに強アルカリイオン水を使うと、しっかりアクが抜けます。タケノコやフキなど、アクが強い食材にぜひ試してみてください。

飲みものを淹れるときに使う

pH8.5〜10のアルカリイオン水は、コーヒー、紅茶、お茶、水出し麦茶などの飲みものに使えます。

アルカリイオン水は抽出力が優れているため、濃厚な味わいを引き出せます。コクのあるコーヒーや香り豊かなお茶を飲みたいときは、アルカリイオン水で淹れてみましょう。普通の水と同じように凍らせて、氷にして使うこともできます。

料理や炊飯に使う

pH8.5〜10のアルカリイオン水は、煮物にも使えます。アルカリイオン水を使って肉を煮込むと脂肪が抜けてカロリーダウンにつながり、野菜や豆類はより柔らかくなるのです。

また、pH8〜9.5のアルカリイオン水は炊飯にも適しています。水の吸収力を高めてくれる効果があり、米がおいしく炊き上がります。


アルカリイオン水を毎日の暮らしに取り入れよう

アルカリイオン水は、飲用目的の機能水として医療効能が認められています。毎日適量を飲むことで、胃腸症状の改善が見込めるでしょう。pH値によって異なりますが、アルカリイオン水はそのまま飲む以外に料理や飲みものを淹れるときにも使えます。

アルカリイオン水整水器は市販もされているため、毎日の暮らしにアルカリイオン水を取り入れたい方は自宅に整水器を設置すると良いでしょう。

三菱ケミカル・クリンスイは、アルカリイオン整水器の正しい知識や使い方を啓発する「アルカリイオン整水器協議会」の会員です。用途に応じて浄水も含めた5種類の水が選べる、家庭用のアルカリイオン整水器「AL800」も展開しています。自宅でおいしいアルカリイオン水を飲みたい方は、ぜひチェックしてみてください。

AL800の製品ページ
https://cleansui.com/products/al800


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水博士

2020年より三菱ケミカル・クリンスイ技術部・開発部を兼務。以前は飲食店などの内装設計業務に携わっていた経験をもつ。

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