2023.10.11

教えて水博士! #38
2023年の新米をおいしく炊くには?

illustration / Ayako Kubo
edit & text / Akio Mitomi

Q. 2023年の新米はどんな特徴がありますか?

A. お米にとって大切な6月から8月の平均気温は今年、1946年の統計開始以降、夏としては北日本と東日本で1位、西日本で1位タイの高温となりました。また、15地点の観測値による平均気温偏差は+1.76℃となり、1898年の統計開始以降、最も暑くなりました。降水量は、東・西日本太平洋側と沖縄・奄美で多く、北日本太平洋側では少なくなり、日照時間は、北・東日本海側と北・東日本太平洋側でかなり多くなりました。その影響をまともに受けてしまったお米は、産地によっては1等米はほとんどなく、3等米の方が多いという事態となってしまいました。

全国的に低い等級が多いため米粒が小さく不揃いで、一部が白い粒が多く入っているお米も販売されますが、米粒が割れていないことは必ず確認してください。また今年はまとめ買いをせず、一番小さな袋を選んで毎回産地や品種を変えてみてください。炊飯器や好みに合ったお米が見つかるはずです。

Q. 炊き方の注意点はありますか?

基本は「西島豊造さんに聞く、おいしいお米の炊き方」 (https://brand.cleansui.com/journal/854.html) の通りですが、水加減を控えて炊き上がりにツヤがあって米粒が立つようになれば、甘みも出てきます。具体的には水の量をお米1合あたり水道水で0.9倍(162cc)、クリンスイの浄水なら0.8倍(144cc)まで減らして、土鍋などで炊く場合は、浸す時間を10分から20分で切り上げてください。今年は昔の新米のように、水加減を少なくしてツヤと甘みのある炊き上がりにしましょう。浸水時間は2時間以内で吸水させすぎないように。時間が長いと米粒が潰れたり砕けて炊き上がるなど、米粒の食感が悪くなる可能性が高くなります。クリンスイは米粒の芯まで素早く浸水できるという特徴があるので、今年のお米が軟らかくなりすぎると感じる場合は、浸水時間を短くしたり水加減を少なめにして、おいしいご飯を炊いてください。

炊いている時の香りや炊き上がりのツヤは例年より弱いと思いますし、カニ穴も小さく浅い可能性があるので、今年に限っては優先順位を下げて、炊き上がりの米粒感を優先してください。等級が低い場合、軟らかすぎたりベタッ、フワッとなるなど例年とは違うかもしれません。その場合は炊飯器の炊き分け機能「アッサリ・さっぱり」などのモードで炊いてみて、それでもうまくいかない場合は水の量を減らしてください。蒸らし過ぎると旨味がなくなり米粒感も悪くなり、おいしさを保てる時間も短くなるので、タイマー炊飯の場合は注意してください。ほぐす時も、米粒を潰さないように、米粒と米粒の間に空気を含ませるようなイメージで、フワッと優しくほぐしてください。おいしく保温できる時間は、炊飯器の取扱説明書に記載されている時間の半分とお伝えしていますが、今年はさらに半分の時間と考えた方がいいと思います。

クリンスイ(お米用)の浄水は水加減を少なめに


水道水とお米用クリンスイの浄水にそれぞれ30分間浸水した米粒を比較すると、水道水(左)は透明な部分が残っていて吸水の途中であることが分かる。クリンスイの浄水(右)は全体がきれいに白濁しており、芯まで吸水できている。

みずはかせ

今回は特別講師として、和食のためのクリンスイ JP407-R(お米用)の開発に協力、監修した五ツ星お米マイスター・西島豊造さんが「米博士」として登場。
https://www.suzunobu.com

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