2023.10.27

1日で水分を摂りすぎるとどうなる?
自分に合う摂取量や上手な飲み方

日々の健康管理のために、積極的な水分補給は大切です。しかし、水分を摂りすぎるとかえって体に負担がかかり、さまざまな不調につながる可能性もあるのです。

この記事では、1日で摂るべき水分量の目安や、水分を摂りすぎると起こり得る症状を解説します。また、水分補給をするときに気を付けたいポイントも紹介します。



1日で摂りすぎになる水分の量ってどのくらい?

水分が摂りすぎになる目安には個人差がありますが、1時間に1L以上の真水(塩分などを含まない水)を飲むのは控えた方が良いでしょう。

水分は体内で活用された後、腎臓で処理されて尿となり体外へ排出されます。腎臓での尿の処理能力は成人で16ml/分で、1時間では16×60=960ml、つまり約1Lです。

1時間以内に真水を1L以上飲むと、水分を腎臓で処理しきれなくなり、不要な水分が体内に滞留されたままになります。その結果、むくみや頭痛、めまいを引き起こす「水中毒(みずちゅうどく)」と呼ばれる状態になる可能性があります。


水分を1日に摂りすぎるとどうなる?

水分の摂りすぎによる症状には、以下のようなものがあります。

  • 疲労感やだるさを感じる
  • 体のむくみにつながる
  • トイレが近くなる

順番に見ていきましょう。

疲労感やだるさを感じる

塩分が含まれていない水分を摂りすぎると、腎臓の処理能力が追いつかず、体液が薄まってしまいます。その結果、体内のナトリウム濃度が低下し、脱水状態と同じように、疲労感やだるさを覚える可能性があります。

重症になると、けいれんや意識障害が生じるケースもあるため、注意が必要です。

体のむくみにつながる

水分を摂りすぎると、一時的に体のむくみが起きることもあります。

過剰な水分摂取は、血管を流れる血液量の増加につながります。それにより不要な水分の排出が上手くいかなくなり、余計な水分が体内に残ってしまうため、体にむくみが生じるのです。

また血液量が増えると、血管にかかる圧力が増加し、血圧が高くなります。高血圧の症状の一つにむくみがあるのもこのためです。

トイレが近くなる

必要以上に水を飲んでいる場合、トイレが近くなることもあります。これは腎臓が、摂りすぎている水分を、尿として排出しようとするためです。

水分をたくさん摂ったからといって、健康や美容に良い効果があらわれるわけではありません。水分補給は脱水予防や健康維持に欠かせませんが、摂りすぎには注意が必要です。


摂りすぎにならない上手な水分補給の方法

水分の摂りすぎには注意したいものの、体にとって水分補給は重要で、無理に減らす必要はありません。大切なのは、自分に必要な水分量を知り、過不足なく補給することです。

まずは自分が1日に必要な水分量を知る

水分の摂りすぎを防ぐには、自分に必要な水分量を知ることが大切です。

一般的に、成人に必要な水分量は体重1kgにつき約40mlと言われます。たとえば体重50kgの方であれば、1日に必要な水分量は約2Lです。ただし、1日3食の食事に約1Lの水分が含まれるため、残りの1Lを飲み水として摂取すると良いでしょう。

1日に必要な水分量には個人差があります。全ての人にこの計算が当てはまるわけではないため、あくまで目安程度にしましょう。

適切な種類・量の水分を摂取する

自分に必要な水分量を把握できたら、それを目安に水分補給を心がけたいところ。基本的にカフェインを含む飲みものやアルコールには利尿作用があるため、水分摂取には向いていません。水や麦茶などを選びましょう。

ただし、カフェインに耐性がある方の場合、カフェインを含む飲みものでも水分摂取になると言われます。一方、アルコールはいくら飲んでも水分補給にはなりません。尿の量を増やして体内の水分を排出してしまうため、かえって水分不足に陥る可能性もあります。


水分補給をする際に気を付けたい2つのこと

ここでは、水分補給をする際の注意点を紹介します。水分の摂りすぎを防ぎ、健康維持につながる水分摂取の方法を身に付けましょう。

食事から摂取する量も知っておく

先ほどお伝えしたとおり、1日3食きちんと食べていれば、食事から1Lの水分が摂取できると言われます。汁物やスープはもちろん、野菜やご飯にも水分は含まれます。そのため、1日に必要な水分量から1Lを差し引き、残りの量を飲みもので摂取すると良いでしょう。

食事で摂取する分を1日の水分量にカウントしないと、水分の摂りすぎになる可能性があります。1日3食しっかり食べるのが難しい場合は、献立にスープを加えるなどして、無理のない水分補給を心がけましょう。

少しずつ飲むことを心がける

水分を効果的に吸収するポイントは、少量の水を、1日に数回飲むことです。おすすめは6オンス(180ml)の水を8回に分けて飲む方法で、これを「6オンス8回法」と呼びます。

喉が渇く前から水分補給するのも大切です。喉の渇きは、脱水のサインの一つ。小まめな水分補給を心がけることで脱水を防ぎ、体内の水分バランスも保たれやすくなります。


自分にちょうど良い量の水分を摂ろう

水分を摂りすぎると、さまざまな不調が生じる可能性があります。まずは1日に自分が必要な水分量を知りましょう。そのうえで、食事から摂れる水分量や飲みものの種類にも気を付けながら、適切な量を摂取するのが大切です。

毎日の水分補給には、水道水を浄水器でろ過した浄水がおすすめです。クリンスイの浄水器は水道水に含まれるカルキ臭やサビを除去しつつ、ミネラルを残したおいしい水にしてくれます。浄水器にもさまざまな種類があるため、まずはどれが自分に合うかチェックしてみてください。

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谷口 英喜

日本麻酔科学会を始め、多数の学会で専門医・指導医を務める麻酔医師・医学博士。神奈川県済生会横浜市東部病院患者支援センター長も務める。栄養分野も専門としており、脱水症に対する治療法「経口補水液療法」の第一人者としても知られている。『いのちを守る水分補給: 熱中症・脱水症はこうして防ぐ』を始めとした著書も多数。

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