頭痛が起こる原因はさまざま考えられますが、水分不足によって頭痛が起こることもあります。その場合、小まめな水分補給を心がけると症状がやわらぐかもしれません。
この記事では、水分不足による頭痛のメカニズムや、対策・予防法について解説します。日頃から水分を摂る習慣がなく、頭痛などの症状に悩まされている方はぜひ参考にしてください。
水分不足で頭痛になるのはどうして?
頭痛の原因の一つに、水分不足による脱水があります。脱水の症状は程度によりさまざまですが、初期段階に頭痛を発症するケースは多くみられるため注意が必要です。
脱水で頭痛が起きる理由には諸説ありますが、主に以下の3つが挙げられます。
- 脳の血流が減少して酸欠状態になる
- 脳の電解質バランスの乱れ
- 痛覚過敏になり、痛みを感じやすくなる
このような、体に何かしらの原因があって起こる頭痛を「二次性頭痛」と言い、絶食時や飛行機に乗ったときに発症する頭痛も、当てはまります。
水分不足で頭痛になったときの対処法は?
頭痛の原因が水分不足の場合、水とともに適量の塩分を摂るのが重要です。
先ほどお伝えしたとおり、水分不足による頭痛は脱水症状の一つで、水と塩分が同時に失われた状態です。そのため、不足している水と塩分を補給すると、頭痛が改善される可能性があります。
経口補水液も、脱水対策に有効です。水に溶かして使用できる粉末タイプもあり、いざというときに備えて用意しておくと安心でしょう。
水分不足を防ぐためにはどれだけの水分を摂るべき?
1日に必要な水分量には個人差があります。そのため、まずは自分に必要な水分量を把握することが大切です。
ここでは、頭痛を防ぐために必要な水分量について解説します。
必要な水分量には個人差がある
水分不足による頭痛を防ぐために水分補給は重要ですが、ただ水分をたくさん摂れば良いわけではありません。
1日に必要な水分量は一人ひとり異なります。自分に必要な水分量を把握できれば、適切な水分補給ができ、それに伴う頭痛の改善も期待できるでしょう。
自分に必要な水分量の調べ方
自分に必要な水分量は、計算によって求められます。
一般的に、成人が1日に必要な水分量は、体重1kgにつき約40mlと言われます。たとえば体重が50kgの場合、1日に必要な水分量は約2Lの計算です。ただし、そのうち1L程度は食事から摂取できるため、算出した量から1L引いた値が目安になります。
1日に必要な水分量は食生活や運動量、年齢によっても異なります。算出した水分量が必ずしも適量とは限らないため、あくまで参考程度に覚えておくと良いでしょう。
合わせて意識したい!水分補給のポイント
自分に必要な量の水分を摂取するのに加えて、以下の3つもポイントです。
- 水分補給にならない飲みものに注意する
- 一度にたくさん飲みすぎない
- 喉が渇く前に水分を摂る
それぞれ詳しく解説します。
水分補給にならない飲みものに注意する
水分補給をする際は、飲みもの選びも重要です。
カフェインを含む飲みものやアルコールには利尿作用があり、脱水対策の水分補給には向きません。尿の量を増やし体内の水分を排出するため、かえって水分不足を招く可能性があります。糖分を多く含む清涼飲料水も、過剰に摂取すると急激に血糖値が上昇し、ますます喉が渇くため不向きです。
水分補給には、できるだけ水を飲むようにしましょう。水が苦手な人は、麦茶などノンカフェインの飲みものがおすすめです。汗をかいている場合はスポーツドリンクや経口補水液も良いですが、スポーツドリンクには糖分が多く、経口補水液には塩分が多く含まれているので、飲みすぎには注意しましょう。
一度にたくさん飲みすぎない
水は、一度にたくさん摂取してもうまく体に吸収されません。飲む量が多すぎると体内に吸収されないまま排出されてしまうだけでなく、水の過剰摂取がもたらす体のむくみや水中毒の原因となります。
水分補給の際は、6オンス(180ml)の水を8回に分けて飲む「6オンス8回法」を意識すると良いでしょう。少量ずつ小まめに摂ることで、体内に水分が吸収されやすくなります。水分不足による頭痛の予防にもつながるでしょう。
喉が渇く前に水分を摂る
水分は小まめに摂るのはもちろん、早めに補給することも習慣にしましょう。飲むタイミングは就寝前や起床時、運動をするときや入浴前後だけでなく、喉の渇きを感じる前に摂取しておくのがポイントです。
「喉が渇いた」と感じたときには、すでに脱水状態になっている可能性があります。早めに飲んでおくことで脱水を予防でき、水分不足による頭痛も起こりにくくなるでしょう。
水分不足で頭痛にならないために水分をたっぷり摂ろう
頭痛を感じた場合、水分が不足して脱水症状が起こっている可能性があります。水分をあまり摂っていないと感じた場合は、水と塩分を補給して対策しましょう。ただし、1Lほど水を飲んでも頭痛が緩和されない場合は病気の可能性もあるため、医療機関の受診を検討してください。
日頃の水分補給には、体内に水分が吸収されやすいノンカフェインの飲みものや、水が良いでしょう。おすすめの方法は、自宅の水道水を浄水器でろ過した浄水を飲むことです。
クリンスイの浄水器を使えば、ミネラルを残しつつ残留塩素のカルキ臭やサビを除去した、おいしい水が飲めます。蛇口直結型やポット型など、さまざまなタイプの浄水器を用意しています。クリンスイの浄水器で、水分補給の習慣を身に付けませんか。
【監修者】 谷口英喜(たにぐちひでき)
日本麻酔科学会を始め、多数の学会で専門医・指導医を務める麻酔医師・医学博士。神奈川県済生会横浜市東部病院患者支援センター長も務める。栄養分野も専門としており、脱水症に対する治療法「経口補水液療法」の第一人者としても知られている。『いのちを守る水分補給: 熱中症・脱水症はこうして防ぐ』を始めとした著書も多数。