麦茶はさっぱりとした口当たりで香りが良く、子どもから大人まで楽しめる飲みものです。夏は麦茶を飲んで水分補給をしている方も、多いのではないでしょうか。
しかし、場合によっては麦茶が水分補給に向かないこともあります。麦茶以外に水分補給に向く飲みもの・向かない飲みものについて解説します。
INDEX
水分補給に麦茶はダメ?
基本的に麦茶で水分補給を行っても問題ありません。しかし、熱中症対策や大量に汗をかいた後など、場合によっては不向きなこともあります。
絶対にダメではない
麦茶は水分を素早く吸収できるため、普段の水分補給をする飲みものとしておすすめです。塩分やミネラルも少しだけ含まれており、汗をかきやすい夏場の水分補給にも適しています。
麦茶の良い点は、カフェインや糖分が含まれておらず、ノンカロリーであること。年齢を問わず、誰でも飲める飲みものでもあるのです。
熱中症対策には向かないこともある
麦茶で水分補給は可能ですが、熱中症対策としてはあまり効果的でない場合もあります。
例えば、激しい運動後や暑い場所で長時間過ごしたときは、水だけではなく塩分の補給も必要です。しかし麦茶には塩分がそれほど多くは含まれていないため、大量の汗をかいた場合の水分補給には向いていません。こういったシーンでは、スポーツドリンクの方が適しています。
運動後に麦茶で水分補給をするなら、塩や塩タブレットと一緒に摂取するなどの工夫をすると良いでしょう。
水分補給におすすめの飲みものは?
麦茶以外にも、水分補給に向いている飲みものがあります。時と場合に応じて、どんな飲みものを選ぶかが重要です。
普段の水分補給には水やノンカフェインのお茶
日常生活における水分補給には、水や麦茶のようなノンカフェインの飲みものが良いでしょう。水はミネラルウォーターだけではなく、水道水や浄水などでも問題ありません。
「喉が渇いた」と感じるのは、すでに体の水分が不足し始めているサインです。喉の渇きを感じる前に、水分補給をしましょう。以下のようなシーンでは特に水分が不足しやすいため、より水分補給を意識する必要があります。
- 就寝前や起床後
- 入浴の前後
- スポーツの前後や途中
- 飲酒した後
熱中症対策ならスポーツドリンク
汗をかいて体の塩分濃度が下がっていると、水だけ飲んでも体に吸収されません。そのため、1時間以上汗をかいたときや、熱中症対策としての水分補給には、スポーツドリンクや経口補水液の方が向いています。
汗をかくと水分だけでなく、塩分やミネラルも失われます。スポーツドリンクや経口補水液は塩分やミネラルを含んでいるため、汗をかいた後の体にぴったりです。
ただしスポーツドリンクには糖分も多く含まれています。経口補水液も、飲む量によっては塩分の過剰摂取につながる可能性があります。どちらを選ぶ場合も、飲みすぎには注意しましょう。
水分補給に向かない飲みものは他に何がある?
他にも、いくら摂取しても水分補給にならない飲みものがあります。糖分が多く含まれるもの・利尿作用があるものは、嗜好品として楽しみましょう。
清涼飲料水
以下のように糖分を多く含む清涼飲料水は、水分補給には向きません。
- 炭酸飲料
- 缶コーヒー
- 果物・野菜ジュース
清涼飲料水を大量に摂取すると血中のブドウ糖やケトン体が増え、血糖値が急上昇してしまいます。その結果、かえって喉が渇いたり、だるさや腹痛につながったりする可能性があります。
清涼飲料水はリラックスするときのお供として味を楽しむだけに留め、水分補給をする場合は選ばないようにしましょう。無糖の炭酸飲料や缶コーヒーを選ぶのもおすすめです。
カフェインやアルコール入りの飲みもの
コーヒーや紅茶、エナジードリンクなどのカフェインを含む飲みものは基本的に、水分補給にはなりません。
カフェインの摂取に慣れていて耐性ができている方が飲めば、普段の水分補給にはなります。ただしそういった方でも、熱中症や脱水症状になった際の水分補給には不向きです。カフェインには利尿作用があるため、水分の排出が促され、かえって水分不足になる可能性があります。
アルコールも、水分補給にはなりません。アルコールもカフェインと同じく利尿作用があるため、摂取するほど体内の水分が排出されます。加えてアルコールを分解するのにも水分が必要なため、水分不足に陥りやすくなります。
麦茶で水分補給をするときに意識したいこと
麦茶で水分補給するなら、自分でおいしく作れる方法を知っておくと便利です。麦茶で水分補給をする際のポイントを解説します。
自分に合った作り方をする
麦茶はペットボトルや紙パックに入ったものも市販されていますが、頻繁に飲む場合は自宅で作ると経済的です。
麦茶の作り方は、煮出す方法と水出しする方法があります。煮出す場合は、やかんや鍋に水とティーバッグを入れ、3〜5分ほど火にかけてください。その後、火を止めて5分ほどおき、ティーバッグを取り出せば完成です。長時間煮出すと濃くなってしまうため、注意しましょう。
水出しの場合は、容器に水とティーバッグを入れ、冷蔵庫で1〜2時間冷やします。
もっと簡単に麦茶を作りたいなら、粉末タイプを使うと良いでしょう。水やお湯に粉末を溶かすだけで麦茶が出来上がります。好みの濃さに調節しやすい点も魅力です。
清潔な容器で保管する
どの方法で麦茶を作った場合も、作った麦茶の保存には注意が必要です。
雑菌の繁殖を防ぐため、麦茶の保存には清潔な容器を使いましょう。作った麦茶を清潔な容器に入れて冷蔵庫で保管するとしても、1〜2日程度しか保存できません。作った後はすぐに冷やし、なるべく早く飲みきるようにします。
使う水にもこだわってみる
前述したように、麦茶にはミネラルが含まれていますが、量はそれほど多くありません。ミネラル分を高めたいなら、使う水にこだわってみるのも良い方法です。
麦茶作りにおすすめの水は、「浄水」です。水道水を浄水器に通せば、水道水に含まれるミネラルを残したまま、残留塩素や不純物を取り除いてくれます。水道水を飲むことに抵抗がある人も、浄水で作った麦茶なら飲みやすいでしょう。
麦茶でおいしく水分補給をしよう
麦茶で水分補給をするのはダメではありませんが、場合によっては不向きなケースもあります。飲むシーンに合わせて、他の飲みものと比較検討しましょう。
頻繁に麦茶を飲む場合は、自宅で作るとコストを抑えられます。麦茶の温度や濃さを自分好みに調節できるので、おいしい麦茶を飲みたいときにもおすすめです。
自宅で麦茶を作るときは、水道水を浄水器でろ過した浄水を使うのがおすすめです。クリンスイの浄水器は、水道水に含まれるミネラルはそのままに、残留塩素や不純物を取り除いてくれます。さまざまなタイプの浄水器を用意しているので、自分に合った浄水器を探してみてください。
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【監修者】 谷口英喜(たにぐちひでき)
日本麻酔科学会を始め、多数の学会で専門医・指導医を務める麻酔医師・医学博士。神奈川県済生会横浜市東部病院患者支援センター長も務める。栄養分野も専門としており、脱水症に対する治療法「経口補水液療法」の第一人者としても知られている。『いのちを守る水分補給: 熱中症・脱水症はこうして防ぐ』を始めとした著書も多数。