2023.09.22

カフェインの取りすぎで出る症状って?
暮らしに上手に取り入れるコツ

眠気覚ましやリラックス目的で、コーヒーやお茶を飲むのが習慣になっている方は多いでしょう。しかし、コーヒーやお茶に含まれるカフェインは、摂りすぎるとさまざまな症状につながります。飲みものに含まれるカフェイン量を知って、飲みすぎないようにすることが大切です。

カフェインの過剰摂取で起こる症状と対策について解説します。



カフェインを摂りすぎるとどんな症状が出る?

カフェインを過剰に摂取すると、次のような症状が出る可能性があります。

  • めまい
  • 心拍数の増加
  • 興奮
  • 不安
  • 震え
  • 不眠

また、カフェインには消化器官を刺激する作用もあるため、下痢や吐き気につながることもあります。

特に注意が必要なのは、妊娠中の方です。妊娠中にカフェインを摂りすぎると、胎児の発育が阻害され、低体重になるおそれがあります。


飲みものに含まれるカフェインの量って?

カフェインの量は、飲みものによって大きく異なります。私たちが普段よく飲む飲みものの例を見てみましょう。

飲みものの種類100mlあたりのカフェイン量
コーヒー(ドリップ)60~100mg
紅茶30mg
緑茶(煎茶)20mg
ウーロン茶20mg
エナジードリンク32~300mg

参考:農林水産省「カフェインの過剰摂取について」

飲みものに含まれるカフェインの量は、茶葉・コーヒー豆などの量や抽出方法によっても多少変動します。

また、特に注意したいのはエナジードリンクです。商品によってカフェインの量が異なりますが、中にはコーヒーの倍以上のカフェインを含んでいる商品もあります。


1日に摂って良いカフェインの量は?

そもそも、1日にどれくらいの量のカフェインを摂取して良いのでしょうか。カフェイン摂取の目安量について解説します。

健康な大人で400mgまでが目安

日本国内では、カフェインの摂取目安量は定められていません。一方、アメリカやヨーロッパでは健康な大人で400mgが目安と言われているため、この量を基準にするのも良いでしょう。

ただし、カフェインに弱い方は、大人でも摂取を控えるのが無難です。カフェインを摂ると眠れなくなる・お腹の具合が悪くなる、もしくはトイレが近くなる場合は、カフェインに弱い可能性があります。

妊娠中・授乳中は300mgまでに

妊娠中にカフェインを多く摂取すると、胎児の発育に影響が出ると言われています。妊娠中・授乳中は、カフェインの1日の摂取量をトータル300mgまでにしましょう。

妊娠中・授乳中は、できるだけノンカフェインのコーヒーや紅茶を選ぶのがおすすめです。ただし、カフェインを減らすことがストレスになるなら、摂取量に注意しつつ飲んでも構いません。紅茶なら、6杯程度まで大丈夫だと言われています。


カフェインを摂りすぎたときの対処法は?

カフェインを摂って脈が速くなったり、胃に痛みを感じたりした場合は、軽度のカフェイン中毒になっている可能性があります。水分を多く摂取し、尿からカフェインの排出を促すのが効果的です。

もし動悸や頭痛、下痢や嘔吐などの症状が見られる場合は、すぐに病院を受診してください。重度のカフェイン中毒になっており、治療が必要な可能性があります。


カフェインの摂取量を減らすには?

カフェインの摂りすぎによる症状を防ぐには、カフェインの摂取量を減らすのが効果的です。今日からできるカフェインを減らす工夫を紹介します。

一度に飲む量を減らす

まず、カフェインを含む飲みものを摂る量を減らします。いきなりカフェインをゼロにするのではなく、少しずつ減らしていくのが負担の少ない方法です。飲みものに含まれるカフェインの量を調べたり、成分表示を見たりして、飲む量を調整すると良いでしょう。

成分表示を確認する際は、カフェイン量の記載方法に注意してください。製品によっては1本あたりではなく、100mlあたりの含有量で記載されていることがあります。

淹れ方を工夫する

カフェイン入りの飲みものを飲みたいときは、淹れ方を工夫しましょう。例えば下記の方法で、カフェインの量を減らせます。

  • 薄めに淹れる
  • 抽出の温度を下げる
  • 茶葉を減らす

最初は「薄くて物足りない」と感じても、徐々に慣れてくるものです。緑茶や紅茶などを淹れる際に、試してみてはいかがでしょうか。

ノンカフェインの飲みものを選ぶ

カフェインを含まない飲みものを選ぶことも、方法の一つです。ノンカフェインの飲みものには、下記のようなものがあります。

  • ハーブティー
  • ルイボスティー
  • 麦茶
  • 白湯

カフェインを取り除いた「デカフェ」の飲みものを優先的に選ぶこともおすすめです。ただし、デカフェはごくわずかですがカフェインを含んでいます。カフェインをできるだけ避けたいなら、ノンカフェインの飲みものを選択しましょう。


普段の飲みものを見直してカフェインの摂りすぎを防ごう

カフェインはコーヒーやお茶などの飲みものに含まれており、慣れていない人・弱い人が過剰摂取すると、さまざまな症状につながります。カフェインに弱いと感じる場合は、カフェイン量の少ない飲みものや、ノンカフェインの飲みものを飲むのがおすすめです。

ノンカフェインの飲みものにも種類がありますが、特に身近なものは水です。水道水なら手軽に飲めるため、ぜひ積極的に取り入れましょう。水道水が苦手なら、浄水器を使う方法もあります。クリンスイではさまざまな浄水器を用意しているので、ぜひチェックしてみてください。

【監修者】 谷口英喜(たにぐちひでき)

日本麻酔科学会を始め、多数の学会で専門医・指導医を務める麻酔医師・医学博士。神奈川県済生会横浜市東部病院患者支援センター長も務める。栄養分野も専門としており、脱水症に対する治療法「経口補水液療法」の第一人者としても知られている。『いのちを守る水分補給: 熱中症・脱水症はこうして防ぐ』を始めとした著書も多数。

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