眠気覚ましやリラックス目的で、コーヒーやお茶を飲むのが習慣になっている方は多いでしょう。しかし、コーヒーやお茶に含まれるカフェインは、摂りすぎるとさまざまな症状につながります。飲みものに含まれるカフェイン量を知って、飲みすぎないようにすることが大切です。
カフェインの過剰摂取で起こる症状と対策について解説します。
カフェインを摂りすぎるとどんな症状が出る?
カフェインを過剰に摂取すると、次のような症状が出る可能性があります。
- めまい
- 心拍数の増加
- 興奮
- 不安
- 震え
- 不眠
また、カフェインには消化器官を刺激する作用もあるため、下痢や吐き気につながることもあります。
特に注意が必要なのは、妊娠中の方です。妊娠中にカフェインを摂りすぎると、胎児の発育が阻害され、低体重になるおそれがあります。
飲みものに含まれるカフェインの量って?
カフェインの量は、飲みものによって大きく異なります。私たちが普段よく飲む飲みものの例を見てみましょう。
飲みものの種類 | 100mlあたりのカフェイン量 |
コーヒー(ドリップ) | 60~100mg |
紅茶 | 30mg |
緑茶(煎茶) | 20mg |
ウーロン茶 | 20mg |
エナジードリンク | 32~300mg |
飲みものに含まれるカフェインの量は、茶葉・コーヒー豆などの量や抽出方法によっても多少変動します。
また、特に注意したいのはエナジードリンクです。商品によってカフェインの量が異なりますが、中にはコーヒーの倍以上のカフェインを含んでいる商品もあります。
1日に摂っても良いカフェインの量は?
そもそも、1日にどれくらいの量のカフェインを摂取して良いのでしょうか。カフェイン摂取の目安量について解説します。
健康な大人で400mgまでが目安
日本国内では、カフェインの摂取目安量は定められていません。一方、アメリカやヨーロッパでは健康な大人で400mgが目安と言われているため、この量を基準にするのも良いでしょう。
ただし、カフェインに弱い方は、大人でも摂取を控えるのが無難です。カフェインを摂ると眠れなくなる・お腹の具合が悪くなる、もしくはトイレが近くなる場合は、カフェインに弱い可能性があります。
妊娠中・授乳中は300mgまでに
妊娠中にカフェインを多く摂取すると、胎児の発育に影響が出ると言われています。妊娠中・授乳中は、カフェインの1日の摂取量をトータル300mgまでにしましょう。
妊娠中・授乳中は、できるだけノンカフェインのコーヒーや紅茶を選ぶのがおすすめです。ただし、カフェインを減らすことがストレスになるなら、摂取量に注意しつつ飲んでも構いません。紅茶なら、6杯程度まで大丈夫だと言われています。
カフェインを摂りすぎたときの対処法は?
カフェインを摂って脈が速くなったり、胃に痛みを感じたりした場合は、軽度のカフェイン中毒になっている可能性があります。水分を多く摂取し、尿からカフェインの排出を促すのが効果的です。
もし動悸や頭痛、下痢や嘔吐などの症状が見られる場合は、すぐに病院を受診してください。重度のカフェイン中毒になっており、治療が必要な可能性があります。
カフェインの摂取量を減らすには?
カフェインの摂りすぎによる症状を防ぐには、カフェインの摂取量を減らすのが効果的です。今日からできるカフェインを減らす工夫を紹介します。
一度に飲む量を減らす
まず、カフェインを含む飲みものを摂る量を減らします。いきなりカフェインをゼロにするのではなく、少しずつ減らしていくのが負担の少ない方法です。飲みものに含まれるカフェインの量を調べたり、成分表示を見たりして、飲む量を調整すると良いでしょう。
成分表示を確認する際は、カフェイン量の記載方法に注意してください。製品によっては1本あたりではなく、100mlあたりの含有量で記載されていることがあります。
淹れ方を工夫する
カフェイン入りの飲みものを飲みたいときは、淹れ方を工夫しましょう。例えば下記の方法で、カフェインの量を減らせます。
- 薄めに淹れる
- 抽出の温度を下げる
- 茶葉を減らす
最初は「薄くて物足りない」と感じても、徐々に慣れてくるものです。緑茶や紅茶などを淹れる際に、試してみてはいかがでしょうか。
ノンカフェインの飲みものを選ぶ
カフェインを含まない飲みものを選ぶことも、方法の一つです。ノンカフェインの飲みものには、下記のようなものがあります。
- ハーブティー
- ルイボスティー
- 麦茶
- 水
- 白湯
カフェインを取り除いた「デカフェ」の飲みものを優先的に選ぶこともおすすめです。ただし、デカフェはごくわずかですがカフェインを含んでいます。カフェインをできるだけ避けたいなら、ノンカフェインの飲みものを選択しましょう。
普段の飲みものを見直してカフェインの摂りすぎを防ごう
カフェインはコーヒーやお茶などの飲みものに含まれており、慣れていない人・弱い人が過剰摂取すると、さまざまな症状につながります。カフェインに弱いと感じる場合は、カフェイン量の少ない飲みものや、ノンカフェインの飲みものを飲むのがおすすめです。
ノンカフェインの飲みものにも種類がありますが、特に身近なものは水です。水道水なら手軽に飲めるため、ぜひ積極的に取り入れましょう。水道水が苦手なら、浄水器を使う方法もあります。クリンスイではさまざまな浄水器を用意しているので、ぜひチェックしてみてください。
【監修者】 谷口英喜(たにぐちひでき)
日本麻酔科学会を始め、多数の学会で専門医・指導医を務める麻酔医師・医学博士。神奈川県済生会横浜市東部病院患者支援センター長も務める。栄養分野も専門としており、脱水症に対する治療法「経口補水液療法」の第一人者としても知られている。『いのちを守る水分補給: 熱中症・脱水症はこうして防ぐ』を始めとした著書も多数。