
水道水に入っている「PFAS」って?
家庭でできる対処方法とは
水道水にはさまざまな成分が含まれていますが、そのなかでも「PFAS(ピーファス)」という成分に関心が集まっているのを知っていますか?
PFASは健康被害が懸念されている成分で、各自治体でも対策が取られています。PFASの影響が気になるなら、自宅で浄水器を使うと良いでしょう。PFASの概要や、おすすめの浄水器について解説します。
「PFAS」ってどんなもの?

そもそもPFASとは何なのでしょうか?詳しくみていきましょう。
水道水などに含まれる有機フッ素化合物のこと
PFASとは、有機フッ素化合物のうち、ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物の総称で、1万種類以上の物質があるとされています。水道水に含まれていることがありますが、近年健康への被害が心配されています。
有機フッ素化合物の代表的なものとして、PFOS(ピーフォス)とPFOA(ピーフォア)があります。PFOSとPFOAは耐熱性・耐薬品性に優れているため、以下のようなものに使われてきました。
- 自動車
- 泡消火剤
- 食品包装紙
- フローリング
- 調理器具のコーティング剤
しかしPFOSとPFOAは環境中で分解されにくく、蓄積性がある点や健康影響の懸念から国際的に規制が進み、現在は日本を含む多くの国での製造・輸入等が禁じられています。※1
日本と海外のPFASに関する基準を比較
飲料水に関するPFASの基準値は国によって異なります。以下の表では日本と海外のPFAS目標値の違いについてまとめました。
国名 | 目標値等(ng/L) | |
PFOS | PFOA | |
日本 | 50(PFOS、PFOA の合算) | |
アメリカ(2024) | 4 | 4 |
イギリス(2022) | 100 | 100 |
ドイツ(2017) | 100 | 100 |
カナダ(2018) | 600 | 200 |
オーストラリア(2018) | 70(PFOS、PFHxSの合算) | 560 |
アメリカでは2024年4月に、飲料水に含まれるPFOS、PFOAの規制値を、日本よりも厳しい1Lあたり4ngに定めることを公表しています。※2
また2022年にWHOが以下のような暫定ガイドライン値を公表したことにより、各国では飲料水の規制を一層厳しくしようとする動きが活発化しているようです。※2
【WHOの暫定ガイドライン値】
- PFOS、PFOAはともに1Lあたり100ngを目標値とする
- 総PFASは1Lあたり500ngを目標値とする
2025年1月時点での日本の目標値はWHOが掲げる上記の数値をクリアしていますが、日本国内においても最新の科学的知見に基づき、飲料水のPFASに関する目標値の検討が進められています。※2
各自治体で水質検査も行われている
上述したように国内では暫定目標値(※)として、水道水中のPFOS及びPFOAを合計1Lあたり50 ng以下とするよう定めています。※2
そのため全国の自治体では定期的に水質検査を行い、PFASの濃度が暫定目標値を下回るように管理しているのです。暫定目標値を超過した場合は取水地点や浄水場原水の監視を強化する、活性炭を注入するといった対策を取る自治体もあります。
水質検査の結果は自治体のHPで公開されているケースも多いので、気になる方は確認してみましょう。
※体重50kgのヒトが一生涯、毎日2L飲用しても問題ないとされる値
なぜPFASはそれほど注目されているの?
PFASは発がん性や免疫系・血清中コレステロールへの影響があるといった可能性が指摘されています。そのためPFASへの注目度が高まっているのです。※2
ただし今のところ、日本でPFASによる健康への影響があったという報告はありません。また、どの程度の量・濃度でどんな影響があるのかは明らかになっておらず、現在も国が調査・研究を進め、総合的な対応を検討しています。※2
水道水のPFAS検出状況全国マップ

2024年11月29日に「PFOS 及び PFOA に関する対応の手引き(第2版)」が環境省から各都道府県市に送付されました。※4
この手引きは各地域の水道水からPFOS及びPFOAが検出された場合の対応に関する情報をまとめたものであり、初版は2020年に各都道府県に通知されています。
新たに手引きが配布された背景としては、水道水の安全性を担保するための対応方法や、各地域の水質測定に関する留意事項が改定されたことなどが影響しています。※4
もしもPFASの基準値を超えた場合の対応について
「PFOS 及び PFOA に関する対応の手引き(第2版)」によると、地域の水道水から基準値を超えた濃度のPFASが検出された場合、以下の3つの対応を取ることが望ましいと記載されています。
【①飲用による人体への被害を徹底防止する】※4
- 基準値を超えた地下水等を水源としている地域の水道事業者等に対し、速やかに情報提供する
- 飲用に供す井戸水等にも情報提供を行い、水道水の利用を勧める等で飲用をしないよう周知する
- 井戸水等を飲用する場合は、日頃から都道府県ごとの条例に基づいて衛生管理を徹底する
【②継続的な監視調査の実施】※4
- 基準値を超えるPFOS及びPFOAが検出された場合は、その後の対応を検討するため、水質の継続的な調査を実施する
- 手引きに記載のある「継続的な監視調査」の内容を基に、調査地点を増やしたり調査頻度を定期的に行ったり等が望ましい
【③追加調査の実施】※4
- 基準値を超えるPFOS及びPFOAが検出された地域においては、必要に応じて調査範囲を広げ、追加調査を行う
- 汚染範囲を把握するには、手引きに記載のある「汚染井戸周辺地区調査」の内容を参考にし、地域の実情等を考慮した上で適切な調査を行う
- 調査の結果、汚染要因が特定される場合は、濃度低減のために必要な措置を検討する
水道事業等におけるPFOS及びPFOA(PFAS)への対応について
PFOS及びPFOAは、以前は毒性評価が定まらない、浄水中の含有量が明らかでないなどの理由から「要検討項目」として位置付けられていました。※4
しかし「PFOS 及び PFOA に関する対応の手引き(第2版)」には、2020年4月1日にPFOS及びPFOAが「水質管理目標設定項目」へと位置付けが変更されたと記載されています。※4
「水質管理目標設定項目」は検出レベルこそ高くないものの、水質管理上留意すべき項目として定められているものであり、水道水の安全性を適切に判断する上で重要な役割を担っています。※4
手引きによると、PFOS及びPFOA(PFAS)が水道水から検出される状況が続いている影響を受け、国内の水質管理をより適切に行うことを目的にこのような変更がなされたとされています。※4
自宅でのPFAS対策には浄水器を使おう
各自治体でPFAS対策はされているものの、さらにPFASの摂取量を減らしたいと考えるなら、自宅で浄水器を使うのが効果的です。
一般社団法人浄水器協会によるPFOSとPFOAの浄水能力試験方法を蛇口直結型の浄水器で行った結果、PFOSとPFOAの除去率は以下のようになりました。※5
ろ過水量 | 除去率(%) |
10分通水後 | 98.0以上 |
80%通水後 | 98.0以上 |
100%通水後 | 97.9以上 |
※上記の試験結果は浄水器協会会員が製造した浄水器を用いた試験の一例であり、全ての浄水器が、同様の性能であることを保証するものではありません。
京都大学の原田准教授が2023年に東京都・多摩地域の27区市町村・650名を対象に行った調査では、浄水器を使っていた方のほうが、浄水器を使っていなかった方よりも血中のPFAS濃度が低かったという結果が出ています。
参考:原田 浩二
「多摩地域住民の血漿中 PFAS 濃度調査の結果の統計学的解析結果について」
PFASが心配な場合は、PFASを除去できる機能の付いた浄水器を使うと良いでしょう。浄水能力を保つために、浄水カートリッジを定期的に交換することも重要です。
PFASが気になる方におすすめの浄水器
クリンスイの浄水器で使われている浄水カートリッジには、PFOSやPFOAを除去できると確認できたものが多数あります。PFASの影響が心配な方におすすめの、一般家庭で使いやすい浄水器を紹介します。
液晶付きで普段使いにも便利な「クリンスイCSP901」

「クリンスイ CSP901」は、自宅の蛇口に取り付けるだけで使えるタイプの浄水器です。大型液晶が付いており、ろ過水量が分かるため料理をするときに便利です。カートリッジや電池を交換するタイミングも表示されるため、普段から水道水をよく使う人にぴったりです。
シンプルなデザインが好みの人は、「クリンスイ MD111」も検討してみましょう。CSP901と同じく蛇口に設置するタイプで、左右どちらでも設置が可能。どんな人にも使いやすいデザインです。
家族で使いやすい大容量のポット型「クリンスイCP508」

「クリンスイCP508」は、水道水を注いでおくと浄水が出来上がるポット型の浄水器です。ろ過水容量2.2Lと容量が大きく、料理や飲み水などにたっぷり使えます。
ろ過中に使用しても、ろ過前の水と混ざらない構造をしており、浄水中でもストレスなく使える点も魅力です(※)。
1人暮らしや少人数の世帯でもう少し容量が小さいタイプが欲しい場合は、同シリーズの「CP012」や「CP407」も向いています。
※リザーバータンクの水位線以下にろ過されてからお使いください。90°以上傾けたり、斜めに注いだりして既定の水位以下になると、原水がフェンスを乗り越えて混ざる可能性があります。
お試しにもぴったり「レンタル浄水器」

まずは浄水器を試してみたい方には、「レンタル浄水器」のサービスがおすすめです。
レンタル浄水器はクリンスイの浄水器を定額で利用できるサービスで、蛇口直結型とポット型が選べます。カートリッジは3カ月ごとに定期配送されるため、交換のタイミングが分かりやすく、交換漏れも防げます。また、カートリッジを買い忘れる心配もありません。
浄水器本体も1年で交換できるので、きれいで清潔な水がいつでも楽しめます。
家庭でのPFAS対策には浄水器を取り入れて
水源となる河川や地下水でPFASが検出される報道が相次ぎ、不安を感じられることがあるかもしれません。PFASは直接健康への被害が報告されている訳ではありませんが、まだ不明な点や調査中の内容も多いのが現状です。
水道水は各自治体で処理されていますが、浄水器を使えば、さらにきれいでおいしい水が飲めるようになります。PFASが気になる方は、自宅にクリンスイの浄水器を設置してみてはいかがでしょうか?
クリンスイの浄水カートリッジには、PFOS・PFOA除去効果が認められたものが複数あります。今回紹介した浄水器以外にも、PFAS対策にぴったりの浄水器がありますので、ぜひチェックしてみてください。
クリンスイ浄水カートリッジにおける、PFOSおよび PFOA除去試験結果のお知らせ
クリンスイのPFAS除去対応製品一覧はこちら
関連記事
【参考文献】すべての参照年月日:2025年1月27日
※1 環境省|PFOS・PFOA とは?
※2 環境省|PFOS、PFOA に関するQ&A集 2024年8月時点
※3 環境省|水道におけるPFOS及びPFOAに関する調査の結果について (水道事業及び水道用水供給事業分)
※4 環境省|「PFOS 及び PFOA に関する対応の手引き(第2版)」の送付等について
※5 一般社団法人浄水器協会|【PFOS及びPFOAの浄水能力試験方法】

2020年より三菱ケミカル・クリンスイ技術部・開発部を兼務。以前は飲食店などの内装設計業務に携わっていた経験をもつ。