2023.09.07

新生児に飲み物は必要?
ママが飲める物やミルク作りに使える水とは

生まれたばかりの新生児に与えて良い飲み物は、母乳とミルクのみ。それ以外の飲み物をあげる必要はありません。

赤ちゃんが飲むものなので、ミルクを作る場合は使用する水にもこだわりましょう。この記事でミルクに使える水の種類を知り、普段のミルク作りに役立ててください。



新生児に飲み物は必要?

基本的に生後28日未満の新生児には、母乳とミルク以外の飲み物は必要ありません。離乳食が始まる生後5~6カ月ごろまで、水分補給は母乳とミルクだけで十分です。母乳とミルクを飲めば、水分とともに成長に必要な栄養も摂取できます。

離乳食が始まる前に白湯や麦茶などの飲み物を与えると、赤ちゃんが低血糖になるリスクがあります。水分が足りていないと感じたときでも、母乳やミルクをあげるようにしましょう。


ミルク作りに使える水は?

前述のように、新生児に飲ませるのは母乳とミルクのみです。ミルクを作る場合は70度以上の水を使いますが、このとき使用する水にも注意しましょう。

ここからは、赤ちゃんのミルク作りに使える水について解説します。

軟水

軟水を温めたものは、ミルク作りにぴったりです。

1Lの水に含まれるカルシウムとマグネシウムの含有量を、炭酸カルシウムの量に換算して表したものを「硬度」と言います。WHO(世界保健機関)の飲料水水質ガイドラインでは、硬度が0~60mg/L未満を「軟水」、60~120mg/L未満を「中程度の軟水」、120~180mg/L未満を「硬水」、180mg/L以上を「非常な硬水」と区分しています。

ただし、水道水の硬度は地域によって差があります。そして赤ちゃんは、体の機能がまだ十分に発達していません。そのため硬度の高い水を飲むとカルシウムやマグネシウムを分解しきれず、下痢になるおそれがあります。

硬度はなるべく低いものが望ましいですが、住んでいるエリアの水道水の硬度が100mg/L程度であれば、ミルク作りにも使えます。しかしそれ以上の場合は、赤ちゃんに水道水を与えると体調を崩してしまうかもしれません。

水道水の硬度は、地域の水道局で公表されています。気になる場合は参考にしてみてはいかがでしょうか。住んでいる地域の水道水の硬度が高い場合、ペットボトル入りの軟水を使用するとよいでしょう。市販の赤ちゃん用の水を利用するのも、方法のひとつです。

湯冷まし(白湯)

水を一度沸騰させた「湯冷まし」も、赤ちゃんのミルク作りにおすすめです。水を沸騰させると残留塩素や不純物を除去できるため、赤ちゃんに安心して与えられます。

湯冷ましの作り方には、鍋で沸騰させる、電子レンジで温める、電気ポットや電気ケトルで沸かすといった方法があります。電気ポットや電気ケトルを使う場合は、沸騰して保温に変わったり、スイッチが切れたりするまで待ちましょう。鍋を使うときは、湯がぐらぐらするまでしっかり煮立たせてください。

場合によっては湯冷ましよりも、残留塩素や不純物が取り除かれている浄水の方が良いことがあります。

浄水

より安心を求めるなら、水道水を浄水器でろ過して、温めて利用する方法があります。

実は日本の水道水は、ミネラルウォーター以上の厳しい水質基準をクリアしているのです。残留塩素や不純物を除去できる浄水器も一緒に使えば、安全性の高い水を作れます。

ただし、水道水に含まれる消毒成分も除去してしまうため、浄水器でろ過した水は早めに使いましょう。また井戸水など、水道水以外の水は水質を保証できないため、浄水器に通すことをおすすめしません。


新生児に飲ませるべき水分の量は?

新生児に必要な水分量は、体重1kg当たり約120~150mlと言われています。基本的には、母乳とミルクのみでこの数字に近づくように、赤ちゃんへ水分を与えましょう。

離乳食が始まる生後5~6カ月からであれば、夏場に汗をかいたときや喉が乾いていそうな様子が見られたときに、母乳とミルク以外の水分をあげても構いません。


新生児のママの飲み物は何が良い?

授乳中であれば、ママが摂る飲み物もよく選びましょう。ここからは授乳中のママにおすすめの飲み物と、控えてほしい飲み物を紹介します。

水道水やミネラルウォーター

新生児へ授乳しているママにおすすめなのは、水道水やミネラルウォーターです。前述のとおり、水道水には厳しい水質基準があり、安全管理が徹底されています。

もし水道水を直接飲むことに抵抗があるのなら、浄水器の利用を検討してみてください。

麦茶やそば茶

赤ちゃんが母乳を介してカフェインを摂ると、興奮して寝つきが悪くなったり、よく泣いたりするようになってしまいます。そのため授乳中のママは、カフェインを含まない飲み物を摂るとよいでしょう。代表的なノンカフェインの飲み物には、麦茶やそば茶があります。

カフェインやアルコールはなるべく避ける

授乳中は、カフェインの摂取をできるだけ避けましょう。しかし摂取しないことがストレスになる場合は、適量であれば飲んでも大丈夫です。カフェインの摂取量は、多くても1日300mgまで。これは150mlのコーヒー約2杯の量にあたります。

妊娠中同様に、アルコールも授乳中の摂取はやめましょう。アルコールは、母乳を通して赤ちゃんに移行します。ノンアルコールビールやカクテルなども微量のアルコールが含まれているため、飲まないようにしましょう。雰囲気を楽しみたければ、炭酸水を飲むことをおすすめします。


合わせて知りたい飲み物のあげ方のポイント

ママになったばかりの時期は、赤ちゃんのちょっとしたことも不安に感じるかもしれません。新生児に飲み物をあげるときに知っておきたいことを紹介するので、不安の解消に役立ててください。

ミルクを飲みたがらないときの対策は?

赤ちゃんが母乳やミルクを飲みたがらないときは、いくつか試せる方法があります。まず母乳を飲まないのであればミルクを、ミルクを飲まないのであれば母乳をあげてみましょう。

加えて、以下のようなことでも対策は可能です。

  • 哺乳瓶で搾乳をあげてみる
  • げっぷをさせる
  • 少し時間をおいてからミルクや母乳を飲ませる

それでも飲まない、ぐずぐずするなどの症状がある場合は、病院への相談を検討してみてください。

ただし、赤ちゃんが母乳やミルクを飲まないからといって、他の飲み物を無理に与える必要はありません。先ほど解説したように、離乳食が始まる生後5~6カ月ごろまでは、母乳とミルク以外の飲み物は基本的に与えなくても大丈夫です。

母乳とミルク以外の飲み物をあげてしまうとどうなる?

糖分が含まれていない白湯や麦茶などを新生児に与えると、低血糖になるおそれがあります。ジュースなどの甘い飲み物をあげてしまうと、その味を覚えて他のものを飲まなくなるかもしれません。また、添加物・糖分の摂りすぎにもつながります。

特にはちみつが入った飲み物は、絶対に赤ちゃんへあげてはいけません。はちみつには乳児ボツリヌス症の原因となる「ボツリヌス菌」が混入していることがあります。1歳未満の赤ちゃんは腸内環境が整っておらず、ボツリヌス菌への耐性が十分ではないため、はちみつは与えないでください。

これらの危険を回避するため、赤ちゃんには母乳とミルクのみを与えましょう。


新生児の飲み物を作るときは水選びも重要

新生児は、基本的に母乳とミルクから水分を摂取するため、他の飲み物を与える必要はありません。ミルクを作る場合は使用する水に気を配りましょう。ミルクに使う水は湯冷まし(白湯)、または温めた軟水や浄水をおすすめします。

特に浄水器は、水道水をろ過して残留塩素や不純物を取り除いてくれるため、持っておくと便利です。住んでいる地域の水道水が硬水であれば、軟水に変えてくれるクリンスイの浄水器「JP407-D」の利用を検討してはいかがでしょうか。

クリンスイでは、他にもさまざまな浄水器を取りそろえています。レンタルサービスも実施しているので、ぜひチェックしてみてください。

JP407-Dの商品ページ
https://shop.cleansui.com/washoku/#d


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妹尾りか

助産師。看護師免許・助産師免許を取得後、都内の総合周産期母子医療センターを有する大学病院に入職。身体的・精神的・社会的にハイリスクな症例の外来および病棟業務に5年間従事する。現在は都内の産婦人科クリニックに勤務し、助産師として赤ちゃんとその家族をサポートしている。

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