2023.08.04

白米と玄米の違いとは?
おいしい玄米の研ぎ方や炊き方を知ろう

玄米の正しい研ぎ方を知っていますか?玄米は、正しく研いだらとても美味しくいただけるお米です。白米よりも栄養価が高く、食生活に取り入れるのにおすすめの食材ですが、「玄米は硬い」「特有のニオイがする」「炊くのに時間がかかる」「食感がボソボソとしている」などのイメージが先行し、玄米を食べずにいる方も多いでしょう。また、家族のなかでも好みが分かれることもあるかもしれません。

今回は、玄米と白米の違いや玄米の正しい保存方法、研ぎ方、炊き方をご紹介します。玄米食にチャレンジしてみたい方は、ぜひ参考にしてみてください。



玄米と白米の違い

玄米は、収穫した稲の実から、一番外側にあるもみ殻を取り除いた状態のお米です。そして、玄米を精製し、糠をはぎ取ったものを白米と呼びます。玄米には栄養豊富な糠や胚芽が残っている状態で、栄養価が高いことが特徴です。

とくに多いのが食物繊維で、100g中の量で比較すると玄米には水溶性食物繊維0.7gと不溶性食物繊2.3gの合わせて約3g、白米には不溶性食物繊維約0.5gが含まれており、玄米のほうが約6倍多いことがわかっています。

食物繊維は、便秘の解消や、体内の余分なコレステロールや糖分などの排出を促すのに役立つというのが通説です。また、玄米には体を整える役割を持つビタミンB群や鉄分、ミネラルが豊富なので、美容や体調管理、生活習慣病の改善に役立つといわれています。

出典文部科学省「穀類/こめ/[水稲穀粒]/精白米/うるち米-01.一般成分表-無機質-ビタミン類」

分づき米とは?

玄米を精米するときに、糠と胚芽を残したものを「分づき米」といいます。主に利用される分づき米は、3分づき・5分づき・7分づきの3種類です。

数字が大きいほど白米に近い状態なので、7分づきは白米に慣れている方でも比較的食べやすいでしょう。玄米にチャレンジしてみたいと思っている白米ユーザーの方は、7分づきから始めてみるのがおすすめです。

反対に、数字が小さいほど玄米に近く、3分づきならば玄米に近い栄養価が含まれています。


玄米の正しい保存方法

玄米に含まれている繊維質やビタミン、ミネラルを無駄なく摂取するためには、玄米の鮮度を守ることが大切です。玄米を常温の場所に長期間置いたままにすると、炊いたときに硬さや、糠(ぬか)臭さが強く残ってしまいます。

玄米は糠層でくるまれた「皮つき」の状態なので、白米より日持ちしそうと思う方も多いかもしれませんが、正しく保管することが大切です。美味しい玄米を食べるために、保存方法には気をつけましょう。

保存方法は、白米と同じです。1食分ごとに保存できる密閉可能な袋に入れて、常時冷やしておいてください。冷蔵庫の野菜室が適切です。少し手間がかかるかもしれませんが、こうすることで美味しくて栄養も豊富な玄米が食べられます。


玄米の美味しい研ぎ方

玄米は、糠が付いているため、白米と同じ研ぎ方では美味しく炊けません。続いては、玄米を美味しく食べるための、正しい研ぎ方を紹介します。

①計量カップで正確に計る

いつも同じように美味しく食べられるよう、計量は大切です。

【1カップの計り方】
玄米を冷蔵庫から出し、冷たい状態のままで計量カップに玄米を山盛りに入れます。カップを左右に軽く振り、玄米をカップの中に詰め込んでから、割り箸などをカップの淵に沿って滑らし、余分な玄米を落とします。

②すすぐ

ザルを用意します。できれば金網でできたものが良いです。ザルに正確に計量した玄米を入れ、そのザルごと入る大き目の別のボウルに、冷蔵庫で冷やしたお水(浄水)を入れてください。このボウルに玄米の入ったザルを入れ、その中で玄米を素早く数回かき回し、表面の汚れを落としましょう。

③研ぐ

すすぎをした玄米の水をしっかりと切ります。ザルの中の玄米を、やや強めにゴシゴシとザルの網目に擦りつけるようにして、しっかりと50~100回ほど研ぎましょう。玄米の表面の繊維質を断ち、一皮剝ぎ取る感じで行います。

しばらく研いで金網の下から薄茶色の水が出てくれば、うまく研げているしるしです。ザルに擦り付けることで酸化した糠が剥ぎ取られて、美味しい部分を残せます。

④すすぐ

再びボウルに水を張り、その中にザルごと研いだ玄米を入れてすすぎます。薄茶色の研ぎ汁が薄まるまで2回ほどすすぐか、玄米に直接水をかけながらすすいでください。使うのは水道水でも構いません。

⑤状態を確認する

玄米を数粒指に取り、玄米同士を擦り合わせてみてください。研げていれば玄米の表面に傷がついているか一皮剥けているので、玄米同士が引っかかり合ってザラザラとした感覚になります。擦り合わせてみても引っかかりがなく、研ぎが甘いと感じられる場合は、再びザルに擦りつけて研いでみましょう。

玄米はしっかり研いだ方が良い理由

玄米の表面は、糠層に覆われています。糠層は果皮、種皮、糊粉層(こふんそう)で構成されており、硬いです。金網に擦り付けて研ぐことで、この硬い糠層を筋切りし、表面に細かく傷をつけることが玄米をしっかりと研ぐ目的です。

研いで表面に傷のついた玄米は、米粒内に水が浸透しやすくなっています。炊けた玄米の米粒は、研ぐ前の米粒と比べると、一回り大きく膨らんでいるのがわかるでしょう。甘みも強く、口当たりのボソボソ感のない玄米が炊き上がります。

さらに、硬い糠層が筋切りされている状態なので、消化も良いことが特徴です。酸化した糠層がしっかりと洗われているので、敬遠されがちな独特なにおいもありません。


炊くときのコツ

「玄米モード」の炊飯器がある場合は、そちらを利用するのがおすすめです。玄米は白米よりも吸水に時間がかかりますが、炊飯器の玄米モードなら浸水から炊飯、蒸らして仕上げるまでが自動で設定されているので、別途浸水時間を取る必要はありません。

また、吸水と炊飯に使う水は、必ず浄水した水を使いましょう。玄米を美味しく食べるためには、美味しい水が不可欠です。

自宅の炊飯器を使って、もし炊き上がりが硬い、またはボソボソすると感じるようならば、炊飯器のスイッチを押す前に2時間程度浸水させてから炊いてみてください。または、水加減を多めにしてみるのも一つの方法です。

土鍋や鍋で玄米を炊くときのポイント

ポイントの1つ目は、よりしっかりと玄米を研いで表面の糠層を筋切りすることです。土鍋や鍋を使うと、炊く時間と火力のバランスを取ることが難しく感じられるかもしれません。そのような場合でも、玄米をしっかりと研いでおけば上手に炊き上げられるでしょう。

2つ目は、しっかりと玄米粒の芯まで水を吸わせて、お米粒をやわらかくしておくことです。浸ける時間は、6~9時間程度を目安としてください。

なお、どうしても長時間浸水させなければならない場合、お水に雑菌が繁殖することを防ぐために塩を一つかみ入れておきましょう。

蒸らし方

蒸らし方は、炊飯器を使用する場合と土鍋の場合とで異なります。

・炊飯器
蒸らしも含め、すべての工程が終わったタイミングで炊き上がりのお知らせが鳴ります。すぐにふたを開け、蒸気を逃がしてください。その後、ご飯を素早くほぐします。

・土鍋
土鍋で炊く場合は、自分で蒸らし時間までコントロールしなければなりません。炊飯を終えて火を止めても、すぐにふたを開けずに待ちましょう。15分ほど蒸らしてから、ふたを開けてご飯を素早くほぐします。

ほぐし方

まず、ご飯全体をしゃもじで十字に切り、4分割します。そして、4分の1ずつひっくり返してはほぐし、ひっくり返してはほぐし……を繰り返して、全体をほぐしてください。

玄米と白米は一緒に炊ける?

基本的には、玄米と白米は別々に炊くことをおすすめします。玄米と白米は硬さが異なるため、水加減や炊く時間を合わせづらく、一緒に炊くとそれぞれの美味しさを引き出すことが難しいためです。

どうしても玄米と白米を一緒に炊きたいならば、白米よりも6~9時間ほど長く、玄米を浸水させておいてください。その後、白米と玄米を混ぜて、一緒に炊飯器の「白米メニュー」で炊きます。

そのとき食感の設定が可能であれば「もちもち」「粘り」モードなど、水分を感じやすいモード設定にすると、より美味しく炊けるでしょう。

玄米の割合が多い際は「玄米」メニューで炊くのがおすすめです。玄米モードは白米モードよりも水の量が多めなので、炊飯器の設定に従い、水の量を調節してください。なお、炊きあがりが硬いと感じられる場合は、水の量を増やしてみましょう。


きれいなお水を使って美味しいお米を食べよう

玄米を炊くときは、計量後最初のすすぎと浸水~炊飯時に、きれいなお水を使うと美味しく炊きあがります。

クリンスイの浄水器は、ポット型、蛇口直結型、ビルトイン型などライフスタイルに合わせで選ぶことができます。ポット型は、1~2L程度の水を冷蔵庫にスリムに収納でき、飲料としても料理用としても利用できるサイズが多くそろってます。蛇口直結型は、高い浄水性能に加え、使用残量やカートリッジ交換タイミングがわかる高機能なものもあり、使用できる量も多いので、ファミリー用としても重宝します。ビルトイン型は、台所シンク下や水栓に浄水カートリッジを内蔵しているので使いやすさと美しさでキッチンに調和します。

さらに、五ツ星お米マイスターの西島豊造さん監修のポット型浄水器「和食のためのクリンスイ」は、お米のためのお水を作ることを目指しました。品種によって異なるお米の個性や、お米の持つ甘さや柔らかさを引き出すお水を作ります。

玄米の正しい研ぎ方、炊き方に加えて、浄水を使って炊くことで、より美味しい玄米を味わってみてはいかがでしょうか。

西島豊造(にしじまとよぞう)

1962年東京生まれ。北里大学獣医畜産学部畜産土木工学科卒業後、北海道で農業土木コンサルタントに。1988年より家業の米店「スズノブ」代表。2004年、五ツ星お米マイスターに認定。米に関する膨大な知識を生かし、独自プロジェクト「Suzunobu Project Rice」を立ち上げ、産地の特徴を生かした地域ブランド米作りや地域活性化に携わる。2016年、和食のためのクリンスイ JP407-R(お米用)の開発に協力、監修。

JOURNAL

クリンスイの読みもの

記事一覧