2020.12.25

【潤いのレシピ】藤澤進⼤郎(夕⾷編)
⽔で味を中和して作る「クエとフェンネル」

photo / Yayoi Arimoto
text / Reiko Kakimoto
edit / Shunpei Narita

前編はこちら

【潤いのレシピ】藤澤進⼤郎(昼食編) アラミニッツのスープから生まれた「牡蠣と春菊の軽い煮込み」

フランス・ニースでのレストラン、神楽坂の人気ワインバー[ビコック]などを経て、現在は夫婦でフランス料理のビストロ[松㐂(まつき)]を営む藤澤進大郎さん。第2回目の今回は「牡蠣と春菊の軽い煮込み」を作っていただきながら、松㐂の営みから見えてきたものを聞きました。末尾のレシピもお楽しみに。

2020.12.18

有名シェフの素材への向き合い方を聞きながら、日々の食から暮らしに潤いを与えるようなレシピを朝・昼・晩と三食ご提案いただく連載企画【潤いのレシピ】。フランス・ニースでのレストラン、神楽坂の人気ワインバー[ビコック]などを経て、現在は夫婦でフランス料理のビストロ[松㐂(まつき)]を営む藤澤進大郎さん。第3回目の今回は「クエとフェンネル」を作っていただきながら、藤澤さんの料理における水の役割を聞きました。末尾のレシピもお楽しみに。クエに限らず、他の白身魚でも代用可能です。

「ちょっと前までは『美味しく、もっと美味しく』という料理を作っていた」という藤澤さん。今はそれよりも「素材本来の味を引き出すというか、通して美味しいというか。そういうのがいいのかな」と話します。

今回ご紹介するクエの料理も、クエと水、バターで味が構成されているレシピ。

フェンネルも主役級の一皿。まずはたっぷりのフェンネル刻んで、バター、塩、アルカリ水で加熱するところから。
沸騰したところでミキサーにかける準備を
加熱したものをミキサーに入れて、なめらかに仕上げる
パンチングボウルなど網目状のものでフェンネルの葉を濾したら、ソースが完成
ジッリをアルカリ水で茹でる。付け合わせのカブとカリフラワーも、このときオーブンで焼いておく
ジッリと付け合わせの野菜の準備ができたら、完成はそろそろ。
グラタン皿にフェンネルソバージュ、生のフェンネルを敷いて、クエのあらでとっただしとアルカリ水を入れて火にかける

「今日はクエのアラから煮出しただしを使いましたが、もしかしたら水でもよかったかもしれない」と藤澤さん。「クリンスイのこのアルカリ水なら、水だけで十分、クエのうまみやフェンネルの香りを引き出せると感じました」

沸騰したら事前に塩をしておいたクエの切り身を入れ、蒸しあげる

フランス料理にはあまり水を使うイメージはないものの、藤澤さんにとって水は欠かせない「調味料」の一つでもあります。

「ハンバーガー屋さんでケチャップとかが入っている容器がありますよね。あの容器に水を入れて、常にコンロ脇の調味料と同じ場所においています。料理途中、加熱しているとどんどん濃くなるので、水を足して中和しています。ソースも使いますが、より素材の味を引き出したいときは水ですね」

シンプルな構成にするには、素材ひとつひとつの存在感、ポテンシャルが必要不可欠。野菜も、水も、調理料もそうした目線から選び直しているといいます。

「お店を作るときは、ここに合うものを選んだんですけど、2 年半たって自分にとっての『より良いもの』の基準が更新されているのを感じます。その中で、クリンスイのような高品質な浄水器にも目が届くようになりました。すぐに全部を変えるというのは難しいので。意識しながら徐々に、少しずつ変えていっているところです」

いつも昼と夕方、2食を食べているという藤澤夫妻。ちなみに夕食はどんなものを食べることが多いですか?

「最近はピェンロー鍋ばっかり(笑)。椎茸でだしをとって、白菜、豚バラ、春雨。それを塩とごま油で食べる。アルカリ水で炊いたら間違いない味でした。単純なんだけど野菜の味が出ているんです」

一方で日常から離れ、例えばワインの造り手たちに会いに、山梨に行くときなどはBBQ の食材を持って行く、と藤澤さん。「山梨は海なし県なので、魚がない。だから大きな魚を一匹持って行くと結構喜んでくれるんです」。このクエの料理も、山梨に持っていって作ったら喜ばれそう。


事前に作っておいたソース、ローストしたカブとカリフラワーをあわせれば完成

「大きな魚を分かち合って食べるのもいいですよね。この料理は香りの違う2種類のフェンネルを使うのがポイント。その香りを引き出すのが、アルカリ水の力なんです」

材料 2〜3⼈分

  • クエ(他⽩⾝⿂でも代⽤可)300g 程度
  • フェンネル葉 50g
  • フェンネル・ソバージュ 5g
  • バター 50g
  • 浄⽔ 適量
  • カブ 2 個
  • カリフラワー 1/2 個
  • ジッリ(パスタ)60g

作り方

  1. クエをおろし、⾝は切り⾝にし、アラは鍋に⼊れだしをとる。使う切り⾝に塩をしておく。
  2. 刻んだフェンネル葉にバター、浄⽔と塩を⼊れて加熱する。沸騰したら⽕から下ろし、ミキサーにかけてなめらかなソース状にする。
  3. カブとカリフラワーは⼀⼝⼤に切り分け、塩をふってオーブンで焼く。
  4. ジッリを浄⽔(塩⽔)で茹でる。
  5. グラタン⽫にフェンネル葉(分量外)、フェンネルソバージュをしき、クエのアラでとっただしと浄⽔を⼊れ、⽕にかける。
  6. 沸騰したらクエ(塩をしたもの)を⽪⽬を下にして⼊れ、蒸し上げる。
  7. すべての材料を合わせて味をなじませたら、⽕からおろし、盛り付ける。

今回、藤澤さんが使⽤したのは、美味しい⽔のブランド『Cleansui』のアルカルポットシリーズ「クリンスイ CP013」。電源を使わずに、浄⽔されたきれいなアルカリ⽔をつくれます。除菌も可能なフィルターで微細な雑菌や⾚サビ、鉛までしっかり除去。プロダクトデザイナー柴⽥⽂江⽒によるポットのデザインは、美しい曲線が印象的。キッチンにも⾷卓にもすっきりとなじむデザインです。(※現在は販売終了しております。)
https://cleansui.com/products/cp013
※カートリッジは引き続き販売中です。浄水用のポットにもご使用いただけます。

藤澤進⼤郎

1982年、東京⽣まれ。⾼校時代に[マキシムドパリ]でアルバイトを経験し、その後フランス料理の道へ。[オテル・ド・ミクニ」で8年間修⾏し、南フランスや東京のレストラン、ビストロなど各地の名店で腕を磨き、神楽坂の「ビコック」でシェフとして働く。 2017年、⽣まれ育った中野に「松㐂」をオープン。

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