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【潤いのレシピ】藤澤進⼤郎(朝⾷編)⼀晩冷ますのが味のこつ。「スープ・オ・ピストゥー」
今回はフランス・ニースでのレストラン修業を経て、神楽坂の⼈気ワインバー[ビコック]でシェフを務め、2017 年に夫婦でフランス料理のビストロ[松㐂(まつき)]をオープンした藤澤進⼤郎さんです。
2020.12.11
有名シェフの素材への向き合い方を聞きながら、日々の食から暮らしに潤いを与えるようなレシピを朝・昼・晩と三食ご提案いただく連載企画【潤いのレシピ】。フランス・ニースでのレストラン、神楽坂の人気ワインバー[ビコック]などを経て、現在は夫婦でフランス料理のビストロ[松㐂(まつき)]を営む藤澤進大郎さん。第2回目の今回は「牡蠣と春菊の軽い煮込み」を作っていただきながら、松㐂の営みから見えてきたものを聞きました。末尾のレシピもお楽しみに。
お昼や営業中によく飲むものは何ですか?と聞くと、藤澤さんがすぐに挙げたのは『Uf-fu(ウーフ)』のルイボスティー。オーナー自らが現地に足を運び、茶園を巡って納得したもののみを販売しているブランドです。
「ルイボスティーはよく飲みますね。二日酔いの時は水を飲むよりルイボスティーを飲むと立ち直りが早いです(笑)。お店にも水出しルイボスは常時用意していて、アルコールを飲まないお客様に出しています」
今回、クリンスイの浄水を使ってルイボスティーを淹れたところ、お茶の出やすさを感じたといいます。「PH が(アルカリに寄って)高くなっているからでしょうか。お茶の味がとてもよく出ていると感じました。色もいつもより鮮やかに出ています」
さて、お昼のメニューとして作ってくれたのは「牡蠣と春菊の軽い煮込み」。こちらは、以前シェフをしていた神楽坂「ビコック」時代にスープとして作っていたものだそう。
「イメージはグリーンピースのポタージュ。フランスにいたとき、グリーンピースの旬の時期によく作っていたものです。フレッシュなグリーンピースをお鍋に入れて、そこに水を足して塩、バター。柔らかくなるまで煮てミキサーにかけるだけ。シンプルだけどおいしいんです。この作り方を、ある意味応用しました。」
ビコック時代はこれをポタージュスープのように提供していたけれど、現在ではもう少し濃度をつけて、ソースのように牡蠣に絡めて食べる一皿に変化させている、と藤澤さん。
「シンプルな料理ですが、だしを使うと(味わいが)強すぎる。ただ、素材の味を引きだせる水でないと、この料理は成り立たないし、もちろん食材も選びます」
藤澤さん時代の「ビコック」はワインバーには珍しく、スープのメニューが揃うお店でした。鶏のだしがストックしてあり、オーダーが入ってから野菜を切って軽く煮込んで、ポタージュにしたりするアラミニッツのスープも。当時のビコックが賑わうのは深夜。終電で帰ってきた人の深夜ごはんとして、常連客のワインのお供として、藤澤さんのスープは様々な人のお腹を温めました。
「ピークは深夜11時から2時頃。結構スープは出し続けていまして、飲兵衛の人に喜ばれました。スープを飲むとワインの飲み心地が良くなるし、二日酔いもしにくくなるんですよね」
そして中野の「松㐂」が2017年にオープン。3年半経って、料理へのアプローチはどう変わっていったのでしょう?
「例えばワインバー時代にパンは自分で焼いていたんですが、松㐂のオープンからは京都の『吉田パン工房』さんのものを使わせていただいています。それは前回も話した通り、最初は料理を中心に考えていて、その料理に吉田さんの美味しいパンが合うと思ったからです。料理に力を入れていくという中で、パンを一旦、他の人にやってもらうというのがいいかもなあと思ったんです」
しかしワインの造り手や食材の生産者などと出会う中で、その考えは徐々に変わっているといいます。
「山梨のワインの造り手のもとに通う中で、ここのブドウの絞りかすを使って酵母を起こし、ワイナリーの敷地内に薪窯を作ってみようかとも話していて、パンを作ってみたいという気持ちが少しずつ膨らんできています。目指す味が、より『美味しく』から、より『素材の味を引き出す』にシフトしているというのも関係しているのでしょうね」
「より削ぎ落とした味を目指す背景には、食材との出会いが大きいです。クリンスイの水との出会いは、より削ぎ落とした味わいを作れる可能性を感じます」
そんな一品が牡蠣と春菊の軽い煮込み。冬になって味の乗ってきた春菊の味わいをストレートに感じます。ソースにしても、ポタージュ的に仕立ててもまた美味しく食べられます。アラミニッツのフレッシュなスープ・ソース、ワインと共に召し上がれ。
材料 4〜5⼈分
作り方
今回、藤澤さんが使⽤したのは、美味しい⽔のブランド『Cleansui』のアルカルポットシリーズ「クリンスイ CP013」。電源を使わずに、浄⽔されたきれいなアルカリ⽔をつくれます。除菌も可能なフィルターで微細な雑菌や⾚サビ、鉛までしっかり除去。プロダクトデザイナー柴⽥⽂江⽒によるポットのデザインは、美しい曲線が印象的。キッチンにも⾷卓にもすっきりとなじむデザインです。(※現在は販売終了しております。)
https://cleansui.com/products/cp013
※カートリッジは引き続き販売中です。浄水用のポットにもご使用いただけます。
1982年、東京⽣まれ。⾼校時代に[マキシムドパリ]でアルバイトを経験し、その後フランス料理の道へ。[オテル・ド・ミクニ」で8年間修⾏し、南フランスや東京のレストラン、ビストロなど各地の名店で腕を磨き、神楽坂の「ビコック」でシェフとして働く。 2017年、⽣まれ育った中野に「松㐂」をオープン。