2020.12.18

【潤いのレシピ】藤澤進⼤郎(昼⾷編)
アラミニッツのスープから生まれた「牡蠣と春菊の軽い煮込み」

photo / Yayoi Arimoto
text / Reiko Kakimoto
edit / Shunpei Narita

有名シェフの素材への向き合い方を聞きながら、日々の食から暮らしに潤いを与えるようなレシピを朝・昼・晩と三食ご提案いただく連載企画【潤いのレシピ】。フランス・ニースでのレストラン、神楽坂の人気ワインバー[ビコック]などを経て、現在は夫婦でフランス料理のビストロ[松㐂(まつき)]を営む藤澤進大郎さん。第2回目の今回は「牡蠣と春菊の軽い煮込み」を作っていただきながら、松㐂の営みから見えてきたものを聞きました。末尾のレシピもお楽しみに。

お昼や営業中によく飲むものは何ですか?と聞くと、藤澤さんがすぐに挙げたのは『Uf-fu(ウーフ)』のルイボスティー。オーナー自らが現地に足を運び、茶園を巡って納得したもののみを販売しているブランドです。

「ルイボスティーはよく飲みますね。二日酔いの時は水を飲むよりルイボスティーを飲むと立ち直りが早いです(笑)。お店にも水出しルイボスは常時用意していて、アルコールを飲まないお客様に出しています」

今回、クリンスイの浄水を使ってルイボスティーを淹れたところ、お茶の出やすさを感じたといいます。「PH が(アルカリに寄って)高くなっているからでしょうか。お茶の味がとてもよく出ていると感じました。色もいつもより鮮やかに出ています」

さて、お昼のメニューとして作ってくれたのは「牡蠣と春菊の軽い煮込み」。こちらは、以前シェフをしていた神楽坂「ビコック」時代にスープとして作っていたものだそう。

「イメージはグリーンピースのポタージュ。フランスにいたとき、グリーンピースの旬の時期によく作っていたものです。フレッシュなグリーンピースをお鍋に入れて、そこに水を足して塩、バター。柔らかくなるまで煮てミキサーにかけるだけ。シンプルだけどおいしいんです。この作り方を、ある意味応用しました。」


まずは下準備から。海水と同程度の塩分濃度(3〜4%ほど)の水に浸す

牡蠣を軽くソテーし、繊維の部分が多い春菊の茎をたっぷりと。油が馴染んだところで水を加える

水を足して沸いたところで、プリプリにふくらんだ牡蠣を鍋から取り出す

牡蠣を取り出した鍋に、春菊の葉の部分、ちぎったパンをいれる。塩とバターで味付け

柔らかく煮えてきたらミキサーにかける準備

ミキサーにかけたものがこちら。牡蠣のうまみとパンの甘みや香ばしさ、春菊のほろ苦さがお腹を優しく温め
てくれる極上のソースだ

ビコック時代はこれをポタージュスープのように提供していたけれど、現在ではもう少し濃度をつけて、ソースのように牡蠣に絡めて食べる一皿に変化させている、と藤澤さん。

「シンプルな料理ですが、だしを使うと(味わいが)強すぎる。ただ、素材の味を引きだせる水でないと、この料理は成り立たないし、もちろん食材も選びます」


鍋にソースと牡蠣を戻して温め、好みの濃度になったら完成

藤澤さん時代の「ビコック」はワインバーには珍しく、スープのメニューが揃うお店でした。鶏のだしがストックしてあり、オーダーが入ってから野菜を切って軽く煮込んで、ポタージュにしたりするアラミニッツのスープも。当時のビコックが賑わうのは深夜。終電で帰ってきた人の深夜ごはんとして、常連客のワインのお供として、藤澤さんのスープは様々な人のお腹を温めました。

「ピークは深夜11時から2時頃。結構スープは出し続けていまして、飲兵衛の人に喜ばれました。スープを飲むとワインの飲み心地が良くなるし、二日酔いもしにくくなるんですよね」

そして中野の「松㐂」が2017年にオープン。3年半経って、料理へのアプローチはどう変わっていったのでしょう?

「例えばワインバー時代にパンは自分で焼いていたんですが、松㐂のオープンからは京都の『吉田パン工房』さんのものを使わせていただいています。それは前回も話した通り、最初は料理を中心に考えていて、その料理に吉田さんの美味しいパンが合うと思ったからです。料理に力を入れていくという中で、パンを一旦、他の人にやってもらうというのがいいかもなあと思ったんです」

しかしワインの造り手や食材の生産者などと出会う中で、その考えは徐々に変わっているといいます。
「山梨のワインの造り手のもとに通う中で、ここのブドウの絞りかすを使って酵母を起こし、ワイナリーの敷地内に薪窯を作ってみようかとも話していて、パンを作ってみたいという気持ちが少しずつ膨らんできています。目指す味が、より『美味しく』から、より『素材の味を引き出す』にシフトしているというのも関係しているのでしょうね」

「より削ぎ落とした味を目指す背景には、食材との出会いが大きいです。クリンスイの水との出会いは、より削ぎ落とした味わいを作れる可能性を感じます」

そんな一品が牡蠣と春菊の軽い煮込み。冬になって味の乗ってきた春菊の味わいをストレートに感じます。ソースにしても、ポタージュ的に仕立ててもまた美味しく食べられます。アラミニッツのフレッシュなスープ・ソース、ワインと共に召し上がれ。

材料 4〜5⼈分

  • 牡蠣 1-2pc(30 個程度)
  • 春菊 1 束 120g(茎は刻む、葉はざく切り)
  • バター 40g
  • パン 100g
  • オリーブオイル 25g
  • 浄⽔ 適量

作り方

  1. 牡蠣は⽔で洗って、海⽔と同じ濃度の塩⽔(3〜4%)に30 分ほど漬けておく。
  2. 鍋にオリーブオイルをしき、中⽕にかけ、牡蠣をあまり⽔切りせずに⼊れる。春菊の茎の部分を⼊れる。
  3. 材料に油がなじんだら⽔を加える。沸騰しはじめたら牡蠣を取り出し、パンを⼩さくちぎって⼊れる。
  4. ⽔で濃度を調整し、春菊の葉の部分を⼊れ、塩を⾜す。
  5. 春菊に⽕が通ったらバターを2かけ⼊れて春菊が柔らかくなるまで煮る。
  6. ⽕からおろしてミキサーにかけ、春菊やパンの粒感や残るピュレ状になるまで回す。
  7. 鍋に牡蠣と6. を戻し、加熱しながら、好みの濃度に⽔で調整する。

今回、藤澤さんが使⽤したのは、美味しい⽔のブランド『Cleansui』のアルカルポットシリーズ「クリンスイ CP013」。電源を使わずに、浄⽔されたきれいなアルカリ⽔をつくれます。除菌も可能なフィルターで微細な雑菌や⾚サビ、鉛までしっかり除去。プロダクトデザイナー柴⽥⽂江⽒によるポットのデザインは、美しい曲線が印象的。キッチンにも⾷卓にもすっきりとなじむデザインです。(※現在は販売終了しております。)
https://cleansui.com/products/cp013
※カートリッジは引き続き販売中です。浄水用のポットにもご使用いただけます。

藤澤進⼤郎

1982年、東京⽣まれ。⾼校時代に[マキシムドパリ]でアルバイトを経験し、その後フランス料理の道へ。[オテル・ド・ミクニ」で8年間修⾏し、南フランスや東京のレストラン、ビストロなど各地の名店で腕を磨き、神楽坂の「ビコック」でシェフとして働く。 2017年、⽣まれ育った中野に「松㐂」をオープン。

JOURNAL

クリンスイの読みもの

記事一覧