2022.09.14

フラワースタイリスト・
平井かずみさんにとって水とは? 前編

photo / Norio Kidera
text / Hitomi Takano
edit / Akio Mitomi

きれいな水は、人も植物も元気にしてくれる。

「どうしたらお花が長持ちしますか?」花の教室の生徒さんから、そう質問を受けることが多いという、フラワースタイリストの平井かずみさん。

「よく延命剤や漂白剤を入れるといいとも聞きますが、私は毎日お水を替えてきれいな状態を保ってあげるだけで十分ですとお伝えします。人も、汚れた水よりきれいな水を飲みたいでしょう? 花も同じなんです」

きれいな水が、植物にとっていちばん嬉しいものなのだと話す。 「元気をなくした草花も、きれいな水が入った花瓶に生けると、とたんに生き生きとするんです。それを見ている私たちの気持ちも明るくなる。人もおいしい水で体が潤うと、心まで潤うような気持ちになりますよね。とてもシンプルだけど、きれいな水があるだけで、人も植物も元気になれるんです」

また植物に水をあげるタイミングについて、とても素敵なエピソードを教えてくれた。

「植物は、朝10時までに光合成を終わらせるから、それまでに水やりをするといいと言われています。これには、朝鳥が鳴き出すタイミングにも関係しているそうなんです。一説によると、植物が朝目覚めて最初に光合成を始めた瞬間に、わ〜っと出した酸素をキャッチして、鳥は鳴き出すそう。つまり、鳥のさえずりは植物の目覚めの合図。だから、朝水をあげると植物も喜ぶんですね」

そう話す平井さんも、朝は一杯の水で目覚めるという。 「いつもは常温で、寒くなったら白湯をいただきます。ここにローズマリーやローリエを入れてもいい。いい香りが立って、朝から幸せな気持ちで満たされます」

日々の暮らしでも植物に囲まれている平井さんに、今回は普段から作っているハーブウォーターをご用意いただいた。使ったのは、ミント、ローズマリー、レモンマリーゴールド、レモンティートゥリーなど、高知県のハーブ専門農家「まるふく農園」から取り寄せた無農薬ハーブ。束ねていた包みを開くと、みずみずしく爽やかな香りが、ふわっと部屋に広がる。

涼やかなガラスのピッチャーに氷とハーブを入れたら、あとはクリンスイの浄水を注ぐだけ。今回は、出汁をおいしくするための浄水ポットで作った水を使用した。出汁をスムーズに抽出できるように軟水化されるので、ハーブの香りもすばやく水に溶け出していく。

ハーブウォーターは、浄水にハーブの味を移すというより、香りを移して楽しむものだという平井さん。まろやかな軟水は、ハーブの香りを邪魔せず際立たせてくれる。 「それぞれの香りや姿を楽しみたいから、普段ハーブは1種類だけのことが多いんです。でも、撮影の時やお客さまにお出しする時は、見た目にも華やかだし、みんなに楽しい気持ちになってほしいから、数種類を組み合わせています」

ハーブの葉は、軽く揉んだりちぎったりしておくと香りが出やすくなるそう。 「ハーブウォーターは、気分をあげたい時やリラックスしたい時などによく飲んでいます。前日の夜に作っておいて、朝飲むのもおすすめ。こんなに簡単なのに、それだけで翌朝起きるのが楽しみに。本当にちょっとしたことなんだけど、暮らしに植物があるだけで、気持ちが豊かになりますよね」

植物を育てることは、自分の五感を刺激して、感覚を育てることにもつながると考える平井さん。 「毎日花を飾るのもいいけれど、まずは何かひと鉢でも植物を育ててみて欲しい。世界がいっきに広がりますよ。小さな苗から葉が育ち、実がなり、種ができる。季節の移り変わりを身近に感じられるし、自分もそんな自然の営みの中で生きているんだということを実感できるはず。本当の意味で、“植物を暮らしに取り入れる”というのは、そういう感覚を味わうことではないかなと思うんです」

最新情報はクリンスイ水の編集部Instagramアカウントで
@cleansui_knows

後編はこちら

フラワースタイリスト・平井かずみさんにとって水とは? 後編

アトリエ「皓 SIROI」に込めた思いを語ってくれた平井かずみさん。

「ここに集う人の本質を輝かせてくれる場所、それを発信していける場所として育てていきたい」

以前はアンティークショップだった場所を譲り受けたアトリエは、道に面した大きな窓が印象的で、中に入ると天井が高く開放的な空間。柔らかな光が差し込み、静かで心地よい時間が流れている。

2022.10.26

ひらいかずみ

フラワースタイリスト。草花がもっと身近に感じられるような「日常花」の提案をしている。東京を拠点に花の教室「木曜会」や全国でのワークショップを開催。雑誌やCMでのスタイリング、TVやラジオにも出演。「すぐそばにある自然の営みに気づくことで、私たちの感性の森を育む」ことをテーマに活動する“seed”の第1弾として、写真・文を自ら手掛けた花のタブロイド『seed of life』を発行。その他『季節を束ねるブーケとリース』(主婦の友社)など著書多数。2022年2月にアトリエ「皓 SIROI」をオープン。
https://www.hiraikazumi.com

Instagramアカウントは@hiraikazumi

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